情報コラム 2006年4月7日 シュワスマン・ワハマン第3彗星の分裂核


  シュワスマン・ワハマン第3彗星は前々回のときに核が分裂して 現在40個の核が観測されている。 一体どんなところで観測してるのかと思いきや、 私も使ったことのあるアリゾナ大の1.5m望遠鏡でとても親近感が沸いてしまった。  この望遠鏡はカイパー望遠鏡とい名前が付いており、すぐ隣には30インチシュミットカメラ などもあって日本では有名ではないが太陽系天体観測としては強力な観測所である。

  口径1.5mといえば最先端の望遠鏡に比べ小さいが、太陽系天体の捜索 に使うには大きいほうである。 ざっとアマチュア望遠鏡の10倍であるから 集光力は100倍になりこれを等級に換算するとアマチュア望遠鏡よりも 5等級は暗い星まで観測できる計算である。 条件にもよるが10-20cmサイズの望遠鏡で 1分露出すると17等級前後が限界で、その1.5m望遠鏡では更に5等級暗い 22等級まで観測されているようだ。

  非公式ではあるが詳しい情報がインターネット上で報告されており、あまり小さい核は 数日で消滅してしまうのではないかとも書かれている。 それぞれの核の位置を プロットしてみると、現在で約数度四方以内に一列になって移動しており、 最接近時にはそれぞれの間隔がもっと広がるのでその間をくまなく探せば 新しい核が発見できるかもしれない。

  来月にもなれば22等級以下の未発見の核が明るくなりアマチュアでも発見できる 可能性があり、仮に発見されなかったのであれば「無い」という観測結果が 得られるとある研究者も言っている。 そういった意味でも的の絞れた彗星捜索 もできるので今までの彗星とは一味も二味も違うだろう。 分裂したとはいえ ダストリッチの彗星のようなので日々変化する様子はないと私は予測している。  つまり絵的にはイオンテイルのような派手さはないだろう。   

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