情報コラム 2005年12月22日 フォトンノイズの不思議


  CCDカメラが登場してからダークノイズなるものの存在感は急激に大きくなったが、 もっとも重要なフォトンノイズについてはおそらくほとんどの人が経験していても 理解・認識していないと思われる。

  露出時間を延ばせば滑らかな映像になることは経験的にわかっていると思うが、これは フォトンノイズが相対的に減少するからである。 フォトンノイズとは何かというと、 フォトン(信号)そのものに平方根分のノイズが含まれているというとても不思議な 事実で、コンポジットすると枚数の平方根に比例してS/Nが向上するのとまったく同じことである。

  信号にノイズが含まれていること自体解せない人もいるかと思うが、原子や光子(フォトン)の 小さな世界になるとその数を数えようとすると必ずその数の平方根だけ誤差が乗っかっているという とても不思議な現象がおきている。 たとえば100個のフォトンを受光したとするとそれには10個の誤差が 含まれていることになり、S/N=100/10=10となり、10000個を数えようとするとS/N=10000/100=100 となる。 

  では100円ショップで買い物するときにその平方根の10円の誤差があるかといって 90円払おうなんて考えてはいけない。 頭のいい店員だったら逆に110円取られて しまうかもしれないし、それ以前に√100円=10√円となってわけのわからない単位に なっていることを忘れずに。

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