情報コラム 2005年11月4日 火星から見るオリオン座


  火星探査機がオリオン座の映像を地球へ送ってきたのを見て、どこか身近な天体であることを 感じた。 恐らく自分が天体写真を撮っているだけに同じ天体の映像を撮ることが火星でもできると 想像したからかもしれない。

  身近に感じたといっても1つ大きな違和感を感じた。 探査機からの映像は固定撮影であるため 星が火星の自転運動に応じた軌跡を描く。 地球上であればどこで撮影してもオリオン座の固定 写真は、星の軌跡に対して三ツ星は右上斜め30度くらいに並んでいるのだが、火星からの映像では 軌跡に対して80度くらいの傾きを持っている。 この理由は地球も火星も似たような地軸の傾きを持っていても 傾いている方向が違うためであろうが、もしこれが地上で撮影されたなら三脚が傾いたと 言わんばかりの映像である。

  探査機から送られてくる火星表面の映像はとてもリアルで、米国アリゾナ州の北部に良く似ている。  最先端の宇宙科学技術は無機質なデータを送ってくると思いきや、人のここを動かすだけの データを超えたデータを送ってくるのだから不思議である。 エンジニアの心意気がそういう ところに出ているのかもしれない。

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