晴れている夜はなるべく望遠鏡で星を覗いているが、やっぱり星の光をみると落ち着くものだ。 考えてみれば日常生活の中で自分が見る光のほとんどは現在の光である。 たとえば、室内の蛍光灯 の光の年齢はほとんど0歳だし、外に出たときに浴びる太陽の光でさえ高々「数分才」である。 博物館へ行って昔の遺跡や動植物の化石を見ても、その姿を伝達する光そのものの年齢は0歳である。 ところが星の光はこれらとはまったく違って、夏に見える明るい星こと座の ベガの光なら26歳だし、遠くの銀河になれば何千万歳にもなる。 昔の映像を見ているというよりも、昔誕生した光の粒子が 今ここで自分と同じ空間を共有しているということに不思議を覚える。 しかも、その昔の光が 自分の目に入って自分と融合するのだから昔と接触したといえよう。 望遠鏡は一種のタイムマシンかな。 TOP |