天頂ミラーといえば平面ガラスにアルミ蒸着したタイプが一般的で、その反射率は90%前後、質の悪いものに なると80%程度まで下がってしまい、天頂プリズムを付けたときと付けない時で光量の差を感じ取ることが できるくらいの差は出てしまう。 最近アメリカの天文ショップでは反射率99%を持つ天頂ミラーが売られていて、とても魅力的な数字である。 材質は金属ではなく誘電体といい、金属と正反対の電気を通さない物質が多層コートしたミラーである。 そのため全波長域でこの反射率を維持することはできず、天頂ミラーであれば可視域のみで反射率99%を 達成できるが、赤外や紫外ではほとんど反射しないほどまで極端に低下する。 可視域で99%の反射率を誇るということは、一眼デジカメの赤外カットフィルタをはずして天頂ミラーに 装着して撮影すればHαも写るし赤外リークもなくカラーバランスも保つことができるかもしれない。 干渉 タイプの赤外カットフィルタの透過率はせいぜい90%だから、そんな使い方も有効であろう。 冷却CCDカメラユーザとしては望遠鏡のミラー蒸着にはアルミではなく銀を使って反射率98%を 達成してほしいのだが、いつになることやら。 TOP |