一見してまったくのモノトーンをした月ではあるが、三色分解撮影してRGB画像を 作ってみたら僅かながら色の分布が存在することがわかった。 月面全体を完全な ニュートラルグレーになるようホワイトバランスを取ると、北半球で赤みを帯びているのがよくわかる。 クレータによっては青みを帯びていたりして非常に興味深い。 なぜ今まで気づかなかったのか考えてみると理由はいくつか挙げられる。 まず第一に、 月面を普段見ているような黄色味がかった白にすると色の分布はわかりずらくなり、さらに 一般的な写真のトーンカーブであるガンマを施すと、ほとんどわからない。 ところが本当の理由は受像側の精度に原因があったと考えられる。 CCDカメラが登場する 以前は銀塩写真が主な受像ツールで、CCDに比べたら強度に対する精度は一桁以上悪い。 そのようなデバイスで今回気づいた僅かな色味を見分けるのはほとんど不可能だと思う。 8ビットデジカメでも恐らく難しく、16ビット冷却カメラの精度の高さが必要だったに違いない。 もしそうであれば、われわれが見てきた従来の映像は精度が低いがために見逃してきたものが まだあるかもしれない。 実際金星が太陽面を通過する際に見られたブラックドロップも フィルムの現像を硬調にしすぎたのが原因であるのだから、従来の映像の精度が悪かった ことを否定できないだろう。 今後精度の高い観測と観察によって新しい事実が見つかると思う。 月面の3色合成画像 TOP |