情報コラム 2004年11月18日 シュミカセのアプラナート改造


  以前天文ガイドでシュミットカセグレイン用のアプラナート改造キットが売られていたが 人気が出ずキットも発売されなくなってしまった。 補正板を前に出すだけで 設計性能はびっくりするほど向上し、アストロカメラと称しても恥じないだけの ポテンシャルはあるだけに誠に残念だ。

  実はこの改造大きなリスクを背負っていて、キットだけで設計性能を 引き出すのは難しいかもしれない。 というのは主鏡と補正板の光軸がちょっとでも ずれると球面収差が急激に増大し、惑星どころか低倍率でも見るに耐えない星像に なってしまう。 改造するなら筒先に延長筒を取り付けるのではなく、筒全体を 一本にする改造をしないと強度が不十分で失敗に終わる可能性が大きい。

  シュミカセのアプラナート改造後の性能がどのくらいかというと、リッチークレチアン と同等であり、シュミカセの補正板でほんの少しの色収差を発生するものの、非点収差 についてはリッチークレチアンより小さい。  ただ設計性能はいくら良くても実際のモノは安物つくりで、主鏡がゴムとコルクで固定されているため、 望遠鏡の向きが変わると鏡がほんの少し傾き光軸がずれてしまう欠点があるのを忘れずに。

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