情報コラム 2004年9月23日 面精度合戦


  身の回りを良く見ると窓ガラスから望遠鏡までさまざまなガラスが使われており、用途に応じて その面精度もさまざまである。 たとえば食器棚や窓に使われている板ガラス、意外にも面精度は 高く2-5λ程度で、これはその製造法(フロート法)の特徴から研磨することなく高い面精度が得られる。  次にカメラなどに使われるフィルタの面精度は1-2λ以下、レンズにいたっては1/2λまで研磨されている。 望遠鏡は 理論回折像を達成するために1/8λ前後まできれいに磨かれ、プロ用にもなると1/32λもの精度が要求される。  それ以上にすごいのがエタロンフィルタの基盤ガラスで、最低でも1/50λ、平均的には1/100〜1/200λほどの ほぼ完全な平面ガラスが使われている。

  たまに勘違いされるので面精度について簡単に説明すると、研磨されたガラスは形状は非常に滑らかで、 その滑らかさは問題にならず、ここで言う面精度とは設計形状からのずれ量である。 ガラスは磨いていれば そのうちぴかぴかの透明な表面に変わるので誰でも簡単に滑らかにできるが、設計形状に追い込んでいくには それなりの技術と経験が必要である。

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