2、 揺岳(1,335m)と祇園山(1,307m) 2004/04/24 (掲載26日+5/1日)

 

 過日、母が転倒し左手首にひびが入ったので、父は最近もっぱら主夫業を頑張っているようである。お陰で随分良くなったようであるが、父はこの時期山にいけないためフラストレ−ションがたまっているようである。そこで、孝行息子としては、一日山行に付き合うこととした(ホントは自分が行きたい・・・。)
 準備をして家を出たのが7:15、実家で父の車に乗り換えて7:45出発。なかなかの好天で楽しみである。行きは西原から矢部、馬見原を回って走行87km、9:30に登山口である大石越えに到着。五ヶ瀬側から入ると手前左手に揺岳、200mほど行った右手に祇園山の登山口となる。揺岳がアケボノツツジ、祇園山がそれに加えてヒカゲツツジが咲いているはずである。


登山道途中からのアケボノツツジ遠景

 

@揺岳 (1,335m)

 

 登山口の標高は1,023m、周囲の畑が 一面菜の花に覆われて黄色いじゅうたんである。遠く霧立越の向坂山などが遠望できる。峠からの景色を堪能した後、まずは標高の高い揺岳に登ることとする。9:48出発、最初は人工林の中のつまらない道である。そんな道を20分も登ると、次第に広葉樹林が混ざってぶなの木などが現れる。まだ若葉の頃であるから、樹間から阿蘇や小川岳など近傍の山が見え隠れする。30分ほどで最初のピ−クに出る(1,218m)。ここからは、新緑の中を泳ぐように進む気持ちのよい稜線歩きとなる。途中のぶなの木の枝別れした部分にヤシャビシャクが咲いているのを見つける。ぶなにしか着生しない、不思議な宿木である。花が咲いているのを見たのははじめてであった。

ぶなの懐に抱かれて可憐な花をつけているヤシャビシャク

 そのうち、頂上直下の斜面にピンクの花が咲いているのが遠望できる、アケボノである!東京に出かけていたので実に3年ぶりで感慨もひとしおである。心を弾ませながら最後の急坂を登る、11:00頂上到着である。思ったよりアケボノが少ない。今年は花が早く、頂上直下の群生地はほとんど終わっている。それでも山頂周辺に十数株開花している。青空をバックに風に揺れる様は、実に素晴らしい!やはり九州の山はいい(単純だが・・・。)

 

 

 山頂はそんなに広くなく、6畳ぐらいである。既に先客が3名いてお弁当開きの真っ最中であった。そのまま、山頂を行き過ぎて数十メ−トルのところに花の色が濃く、ほぼ満開のアケボノツツジを見つけ、写真に収めるに(上の写真)。樹間より向坂山なども見える。
 山頂に戻り、我々もお弁当開きである。正面に二神山、諸塚山、大仁多山と六峰街道周辺の峰々が一望である。左手遠望には祖母・傾山塊、その右には大崩山塊が連なり実に見事である。帰りは、来た道を戻って1時間で登山口である。

揺岳山頂にて父と、気温16度揺岳山頂より、諸塚山方面を望む

 

A祇園山 (1,307m)


 一旦、大石越(1023m)の登山口に戻り車に不要なものを置いて次は祇園山を目指す。この山は九州最古の地層といわれ、その頂上周辺ではクサリサンゴなどの化石が採取できる。(許可が必要です、山を壊さないように!)数億年前はここが海の底だったとは信じがたいことである。
 閑話休題、峠の右手(馬見原側から登った場合)西南の役の塹壕跡の案内標識の横に登山口の道標があるので、その横の道に取り付く。出発は13:00。いきなり、やや開けた感じのササが茂る急坂である。これを一歩一歩あえぎながら登る。

揺岳側から望む祇園山
 

 しかし、父も元気なものである。とても70を過ぎたとは思えないしっかりした足取りで登っていく。それに実によく物を知っている。途中路傍のササに花芽が付いていることに気がついたのも父である。ササは数十年に一度開花して種をつけて枯れるというが、今年はその年に当たるようである。そう言えば、熊本県北に出かけると孟宗竹も今年は何か様子が違う。元気がなく、魚の骨のような不気味な感じがするのだがこれも花が咲く前兆なのだろうか?ちなみに孟宗竹は67年に1回だそうである。
 

笹の花

 
 またまた閑話休題!しばらくすると道はやや緩やかなのぼりとなり露岩が目に付くようになる、やはり古い地層の岩山である。登ること40分で最初のピ−クに到着、全く展望はない。ここから10分ほどで2つめのピ−クにたどり着く。巻き道があるがここはまっすぐピ−クを目指す。というのはヒカゲツツジの群落があるからである。 この日は実に満開の状況で、あたり一帯が全てヒカゲツツジの状況であった。アケボノの赤と空の青に映えて実に清楚なたたずまいである。石楠花科ではあるが、どちらかというとこの花が個人的には好きである。

ヒカゲツツジ

 二つ目のピ−クのヒカゲツツジの中を泳ぐように抜けて、しばらくすると大きな岩が目の前に立ちはだかる、天狗岩である。上まで登れるが結構高いので気をつけて!

 ここまで来れば頂上はすぐである。14:10頂上到着。頂上は鈍頂で結構広く、見晴らしもいい。特に阿蘇方面が一望である。頂上を行き過ぎて少し下ったところのアケボノとヒカゲが真っ盛りで あった。珍しい両花一緒の写真を撮影する。

祇園山山頂 父とヒカゲツツジとアケボノツツジ
 

アケボノのアップ祇園山より阿蘇方面を望む

 

 頂上周辺でアケボノツツジとヒカゲツツジのデュエットを堪能し、下りはきた道を引き返す。大石越まで、ほぼ50分であった。

 

山行デ−タ:大石越 1023m 30分  第一ピ−ク 40分 揺岳 1335m  60分 大石越
 

      大石越 1023m 40分  第一ピ−ク 10分 天狗岩  10分 祇園山 1307m  50分 大石越 


      ※途中数箇所ロ−プがかけてあるが難しくない。むしろ下りで有効。

 

地図   :国土地理院 鞍岡 参照
 

温泉   :みふね観音温泉  華ほたる 利用 大人:500円  アルカリ性でお肌すべすべ!

       
      ※結構遠いです。御船まで戻って利用しました(1.5時間くらいかかります)


同行者  :父

 

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