3、 烏帽子岳(1,692m)& 五勇山(1,662m)2004/05/05(掲載6/23)
 

にがこうべ谷方面より霧立ち越しを望む(パノラマ)

 空から九州を見るとよくわかるのだが、その真ん中には【阿蘇】がおへそのように存在しそこを中心に放射状に地形が形成されている。特に熊本平野から阿蘇、波野高原を経て大分市に至る地形は阿蘇から噴出した溶岩によって形成されている。もともと九州は大きな二つの島であったものが太古の阿蘇の噴火によって接続され現在の形になったのである。

 その南側の九州島の中心には九州脊梁山地が走っている。その昔平家の落人が隠れ住んだことでも有名な五家荘もこのエリアに存在する。その人々が昔交易のために利用した道のひとつが今回紹介する【 向霧立越え】である。深い山々の頂や尾根を結んだこの道は、多くの人馬がさまざまな生活物資を運ぶために往来した山の上の古道である。一時期この道はずいぶんと荒れていたが、地元の方々の努力により素晴らしい道として復活している。

筑紫石楠花 烏帽子岳と五勇山間で撮影

 

 さて今回はその中でも最も難所であった【椎葉越え】から、国見山(大国見山:おぐるみ)へ至る経路の中にある、【烏帽子岳】【五勇山】をたずねてみよう。この時期、筑紫石楠花が開花しているはずで、それも非常に楽しみである。

 

@烏帽子岳(1,692m)

 

 家を出たのが8:00、相変わらずゆっくりしたペースである。これから砥用町を経て

二本杉峠を越え国道(445)、樅木の部落から八八重(はちはえ)を経て椎葉、久連子方面に抜ける道をひた走る。途中道は狭いがきちんと舗装された快適な道である。白鳥山への上り口を右手に見ながら、椎葉峠を過ぎる少し前に左に朽ち果てた【烏帽子岳登山口】 (泉村側)の道標があるのを見逃さないようにする。

 

烏帽子岳登山口、行き過ぎないように注意

 

  ここまで家から2.5時間、10:30である。早速、身なりを整えて登山を開始する。最初は生い茂った丈の高いスズ竹の中をジグザグに進む。 (夏はやぶこぎに近いかも??)ほぼ20分で昔の椎葉越しにでる。 写真は椎葉越しに立てられた道標で、十字路になっているのが分る。昔は人の往来がさぞ多かったことだろう。
(※もうひとつの峰越峠の登山口はもう少し先の、車道の峠にあります。どちらから登っても、椎葉越えまで20分の行程です。)

 

椎葉越しにて

 

ここで、道を左にとり広く開けた尾根道を歩く。これが【向霧立越え】である。ひょいと駄馬に荷をしょわせた馬子がいきなり出てきそうな雰囲気のある古道である。(写真、私の右手に奥に向かっている道です)

 

よく整備された登山道烏帽子岳手前の分岐(父)

  軽いアップダウンを繰り返す道をひたすら歩く。周囲はブナやカヤオオカメノ木の茂る典型的な九州の森である。何度か次こそは頂上だといった想いを裏切られ続けながらいくつかのピークを超えると、左手前方に岩峰が見えてくる、これが目指す【烏帽子岳】である。最後の苦しい一登りで、石楠花が群生する分岐点に出る。これを道標にしたがって左折すると頂上はすぐである。

 

烏帽子岳山頂にて、父と


 山頂はいくつかのピークに別れ、その南端に三角点のある本峰がある。
(三角点があるのは一番先のピ-ク)でも隣のピークのほうが高そうに見える??
 12:30、少し遅い昼食を岩峰の端に腰掛けて摂る。爽快で、ビールがこの世のものとは思えないくらいうまい!!

お食事風景in烏帽子岳

 

 

 

A五勇山(1,662m)

  

 食事を終えて、1:30過ぎ、少し遅いが思い切って五勇山まで足を伸ばすこととし、先を急ぐ。少し下って先ほどの分岐を過ぎ、左に五勇山、国見岳方面へ進む。このあたり から一面の石楠花である!花は少ないが、圧巻である。(その後人づてに聞くと、一斉に咲くことはなく毎年交代に咲くそうである。)

 

そんな石楠花林(畑?)の中を少しずつ下って進む。五勇山が烏帽子岳より低いために山くだりになってしまう?? 相変わらず良く整備された素敵な道である。少ないとはいえ、あちこちに可憐な花を咲かせている石楠花に話しかけながらの、楽しい山行である。


 

 烏帽子岳からほぼ 50分で道が小国見岳に向かって左に大きく屈曲するところに上の写真の道標がある。この少し先に五勇山である。ともすれば見失いそうなピークであり眺望は全く利かない。 少し先に行った地点で眺望が得られるが、椎葉、久連子方面に限られている。 しかし、十重二十重の連なる山々は圧巻である。昔の落人は花の都からこの山深い土地に着いたときに何を思ったのだろうか?(東京から戻ってきた私には、ひたすら天国に見えるのだが・・・。)

五勇山山頂、なんか寂しい・・・。

時刻は既に2:20。 頂上で記念撮影をし、眺望の利く地点で簡単にお茶したあと、ただひたすらに来た道を戻る。結構距離があり、登山口に戻ったのは、5:30、家に帰宅したのは8:00であった。 (一日遊んで回ってました(^^)>)

帰りの烏帽子岳手前の石楠花林、光が斜光線で綺麗

 五勇山から国見まで1時間10分ぐらいであるので、そのまま縦走が可能。ただし、国見から下山する広河原や杉の木谷には公共の交通機関がないので、タクシ-を呼ぶか何名かで組んでお互いに車を置いての交差縦走になる。(PS 2004/06/23現在、内大臣林道が一部通行止めとの情報があります。お出かけ前に確認願います)

登山道で見上げたオオカメノキ
 

 五勇山と烏帽子岳の間の登山道より椎葉方面(パノラマ)

 

山行デ−タ:登山口 1360m → 20分 椎葉越し 1470m  110分  烏帽子岳 1692m

      → 50分  五勇山 1662m  3時間10分  泉村登山口口

      
地図   :国土地理院 国見岳(烏帽子岳、五勇山) 不土野(椎葉越)参照


温泉   :今回は、遅かったのであきらめました。
      

同行者  :父

 

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