オーシャンズ 13


 スティーブン・ソダーバーグ監督が、前作11・12に続く第3作として製作した、犯罪ドリームチームの
掟破りへの痛快活劇復讐物語。
 豪華キャストで、出演した俳優の数が多いので、役割をおぼえるのが大変。



【キャスト】                              〔文中に挿入している花はすべて私が撮影した写真です〕          河野 善福
ダニエル(ダニー)・オーシャン (ジョージ・クルーニー)オーシャンチームのリーダーで沈着・冷静、頼りになる男。
ラスティー・ライアン (ブラッド・ピット)  オーシャン犯罪チームの副リーダー。チームのまとめ役。
ライナス・コールドウェル(マット・デイモン) レニー・ペパレッジという偽名を使って、ウエンの通訳として活躍する男。
テリー・ベネディクト (アンディ・ガルシア)ベガスのホテル王。彼の持つホテルの隣にバンクが、新装ホテルをオープンする。
バシャー・ター (ドン・チードル)     爆破の達人。今回は地下で大型削岩機を使ってトンネルを掘り大暴れ。
フランク・カットン (バーニー・マック)  アフロヘアでバンクのホテルに乗り込み大活躍。 
ウイリー・バンク (アル・パチーノ)  ルーベンと共同でホテル経営を約束したのに、ホテルを一人占めにしようとする男。
ルーベン・ティシュコフ(エリオット・グールド) 元、ホテル”ミダス”のオーナー。 バンクに騙され心臓発作で倒れた男。
アビゲイル・スポンダー(エレン・バーキン) バンクと共にホテルの乗っ取りを図るバンクの女。
バージル・マロイ (ケイシー・アフレック) メキシコの工場で環境改善を図った後、タークと共に地下で削岩機を使ってトンネルを
掘る男。
ターク・マロイ (スコット・カーン)    バージルと共にメキシコの工場で環境改善を図り、地下の削岩機でトンネルを掘る男。
リビングストン・デル(エディー・ジェイミソン) シャッフル・ロイヤル社(バンク・ホテル)の就職テストに合格し、内部に潜入する男。
ウエン  (シャオボー・クイン)      中国の不動産王との触れ込みでホテルに潜入する中国人の男。
ソール・ブルーム(カール・ライナー)  ケンジントン・チャップと言う偽名で、5つ星ホテル調査員に変装してホテルに潜入する
男。
ローマン・ネーゲル         コンピューターソフト”グレコ”開発者の友人。オーシャンズの計画遂行の協力者。        
デビー                オーシャンズが買収したバンク・ホテルののコンシェルジュ。


            
【ストーリー】
 深夜、誰も居ないビルの一室に男が侵入する。 男は黒のTシャツに黒ズボン。さらに黒覆面をし手袋をはめている。 彼の携
帯電話が受信をし、男は覆面を外し電話に出る。 男はラスティー・ライアンだった。 ラスティーが尋ねる 「彼はどこだ?」 

 空港に飛行機が待機している。 大きなバッグを提げてラスティーがやって来る。 飛行機に乗り込み座席に座る。 向かい合う
席にダニエル・オーシャンが先に座っている。 飛行機はまもなく飛び立った。 ラスティーが「今、彼の容態は?・・・」と聞く。 ダ
ニーが「この24時間では何もない・・・」と答える。 ラスティーがさらに聞く「彼女は知っているのか?」。 「関係ないよ・・」 「分
かってるのか?」念を押すラスティーにダニーは「関係ない」と繰り返す。 やがて飛行機はラスベガスに着陸した。

 迎えに来ている仲間にラスティーが「テスやイザベルはどこだ?・・」と聞くが、ダニーは後ろから「関係ないだろう」と大きな声で
答える。 ラスティーが更に「他のヤツ等はどうした?・・」と聞くが返事がない。 誰かが「ルーベンは予断は許さないが辛うじて
生きているよ」と答えた。 迎えの車に乗り込みながらラスティーが聞く「医師のスタンは?」 「一時間前から来て居るよ」 「スタ
ンに説明してもらおう」

 彼らは病院にやってきた。 病室で医師のスタンがルーベンの病状を説明をする「心臓病の発作だ。・・・組織内で強いショック
を受けたようだ」 「治るのか?・」 「ああ、治るさ。・・・家族とか友人の精神の支えが救いになるがね。」 ベットにはホテル経営
に乗り出そうとした友人のルーベン・ティシュコフが昏睡状態で眠っている。 「ウィリー・バンクが裏切れば、契約は当然無効に
なる」とダニーがラスティーに言う。

 [その4週間前]
 ダニーがルーベン・ティシュコフと会って話をしている。 ダニーが聞く「弁護士は契約破棄はしないというのか?・・・少しは評価
してもいいだろ・・・・ラスティーも俺と同じ意見だと言ってるぜ」 ルーベンが答える「もうやったんだ。・・・終わりだ。・・・ラスティー
に言え・・ホテルが起動に乗るまでは手を引けんのだとな・・・」 さらにルーベンが言う「仲間たちは・・若いから判からんだろ・・・
イヌイットは狩が出来ない。・・老人を氷の箱に入れて殺す」 「それは言い伝えだ」 「そうなりたくない・・・俺はまだ狩が出来
る。・・絶好のチャンスなんだ。・・・この町はな、レストランが満席でも俺が指を鳴らせば席が空く町なんだ」 ダニーが言う「経歴を
心配しているようだが、あんたの名は通りに残すさ。・・大通りにな・・」 ルーベンは「俺が死んでからにしろ。・・・ダニー、遥々来
てくれて嬉しいが俺には仕事がある」と言って立ち去った。

 ルーベンの事務所にウイリー・バンクがやって来る。 「ルーベン!」 「相棒!」 二人は抱き合って再会を喜ぶ。 バンクが「シ
ェフの入国ビザはどうなってるかね?」と聞く。 ルーベンは「ワシントンの奴に拠れば、開業したら捺印してくれるそうだ」と答え
る。 「シャンデリアは?」 ルーベンが答える「前妻の従兄弟から買った・・・・、詳しくは言えんが整ったぞ。・・半値で仕入れて倉
庫にある。・・それと重要なことだが、市議に提言して後部玄関から離れている道を直に引いて貰うことにした。・・”全ての道はミ
ダスへ”だ」 「それは素晴らしい」
 ルーベンがバンクに聞く「相棒のデスクはどこにする?」 バンクが答える「いや、相棒のデスクはいら無い」 「二つだろ?」 
「デスクは一つだ・・・会長のデスクは一つだ。・・・あの決め事は変わった。・・・変わったんだ。・・・合理的な変更なんだ。・・・」 
ルーベンが言う「皆、お前が俺を騙すと言ってる。・・お前は相棒を騙してきた。・・それでも俺は違うといって擁護した・・・ 俺とウ
イリー・バンクはシナトラと握手した時から、ずーっと一緒だっただろ。・・男同士の約束だろ」 「シナトラの手は騙しだ。・・・お前
はお払い箱だ。・・・ルーベン、お前はクビなんだ!」 ルーベンが問う「まさか・・俺の土地なんだぜ」 バンクが言う「かっては
な・・・今は違う。・・・会社の書類に署名しただろ」 「半分の利権だろ」 「じゃあ、お聞きしよう。・・・小銭と引き換えに署名してく
れるか?」と言ってバンクはルーベンの前に書類を広げた。  ルーベンは「署名するわけないだろ。・・・どけろ、俺は書かん」と
強気に出るが、バンクとその手下が詰め寄ってくる。 窓際までさがったルーベンが「何だ?・・突き落とすのか?」と喚く。 「そう
させるな」とバンクが言う。 ルーベンは「異常だ・・何もかもな」と言って書類にサインをした。 「根こそぎ奪うのか?」 「お前は
正しい・・それに愚かしい」 バンクはポケットからカードを取り出して「掛け金だ」と言ってルーベンに投げて渡す。 「出来立てだ
よ」 よく観るとカードには”ザ・バンク・カジノ $10,000”と書いてある。 「店名を替えたのか?」 「そのほうが良い・・・だろ」
と言ってバンクと手下が帰っ手行った。 そのすぐ後で、ルーベンはその場に倒れたのだった。

 ラスベガスにオーシャン仲間が集まって、ウイリー・バンクへの制裁について話し合っている。 みんながおもい思いに喋る「ル
ーベン・・・奴は人を信じすぎる」 「バンクがルーベンを害し、俺に感情が芽生えた」 「バンクに近づいてやっちまおう」 「お前が
乗せて床屋で降ろす」 「そして俺が注射を一発」 「そして遺体を埋めると」 「どれも妥当な案で見込みはある・・・だがバンクが
一線を越えたとは言えルーベンに最善の方法を・・・」 「つまり、チャンスをバンクに与える」 「それだけで終わりか?」 「それ
が、俺たちの掟だ」 「バンクが断れば俺たちが潰す。・・・奴にチャンスは無い」 皆で協議した結果「ルーベンのために・・・奴に
チャンスをやろう」と言うことになった。

 バンク・ホテルの新築建設現場にウイリー・バンクとダニエルが居る。 バンクがダニエルに問う「聞くところに拠れば、深刻な話
のようだな」と。 ダニエルが「そうなんだ、つまりルーベンがホテルを担うことが肝要なんだとみんなは言ってるんだ・・・あんたに
チャンスを与えるよ」 「チャンスを呉れるだって?・・・そうかい。・・チャンスか?・・俺は適合者なんだ。 今までずっと確信してき
たんだ。・・俺の名前はきっと世に残る。 この国の最高の資産所有者としてな」 「大損害が出るぞ」 バンクが言う「俺は失わ
ん。・・客が賭けで失うのはかまわんがな。・・客の損害はデカくなる。・・・俺に反抗するなら、迅速に対処して潰すだけだ」 「ル
ーベンには何もやらないのか?」 バンクが言う「ルーベンは柔軟で愚かだ、危機を察知することも出来ん奴だ。・・奴は居場所が
無いからサイコロを振って正しい道を選んだのだ。・・・奴のことは放っておけよ」 バンクの言い分を聞いて、ダニエルは早々と建
設現場から立ち去った。

[それから6ヵ月後] 
 ダニーに呼ばれてローマンが飛行機に乗ってやって来た。 ローマンはダニーとラスティのいるホテルの一室を訪ねた。 ロー
マンが言う「10万ドルに感謝する。・・・1日以上も待ったがな・・・」 「交渉しようか?」 「いいとも」 「お茶を貰おう・・・煎茶か玄
米茶、沸かしすぎるなよ・・・居るのは三人だけか?」 ダニーが「今はね・・」と答える。 ラスティも「あんたがまず一番乗りだ」と
答える。 ローマンが「そうか・・どんな支障なんだ?」と聞く。 ダニーが状況を説明する。 ローマンは「言うとおりに動け、外部に
漏洩するな。詳細は教えろ」と言う。 ラスティが「手始めは?」と聞く。 ダニーが「ホテルからだ」と答える。

 バンク・ホテルのオープニング式典が近くなった頃、オーシャンズが集まり始めた。 ダニー、ラスティー、バシャー、ライナス、リ
ビングストンなど7〜8人が部屋に集まって話している。 ダニーが「バンクはこのホテルを週末客や貧乏人は相手にせず、大物
を相手にする施設にしようとしている。 ホテルが5つ星を得るために大理石はイタリア製で、高級レストランからシェフを抜き取っ
た。 賭ける客は大口客だから銀器類はすべて純金製にしている。・・・バンクの強権は弱点でもある。・・利己的だから毎日備品
を点検しては、開業式典に向け準備している。・・・バンクの右腕は奴の愛人のアビゲイル・スポンダー」だと説明する。

 スポンダーがウエイトレスの腕に触りながら「辞めてもらうから、服を脱ぎなさい」と言う。 彼女が「2ポンドも減量は無理です」と
答えるが「この体脂肪では無理よ。・・・あなたの尻が問題なのよ」と言ってその場で解雇した。
 「ウエイトレスの容姿まで強制するなんて違法だろ」 ダニーが答える「ただのウエイトレスじゃないのだ、モデルに給仕をさせた
いのさ。・・・つまりあのホテルはバンクとスポンダーでもっている施設って訳だ」 「開業式典は何時だ?」 「7月3日だ」 「花火
が夜通し続くだろうな」 二人が席を立つ「もう行くのか?」 「もうすぐ開業するだろう?・・開業前に下見をしておくんだ」と言って
出かけた。
 ソールが思い出したように「ホテル・フラミンゴが開業したときは金曜日に突然休業して別の日に開業した。・・その時に俺はい
んだよ」と自慢げに話す。
 ダニーが言う「一流のカジノは賭博だけで一日300万ドル稼ぐ、バンクに手馴れの賭師が際限なく賭ければ500万は見込め
る、だがローンと引き換えに株主会の9席の内6席を断念した。奴は会社を手中に出来ず株主の2人は奴を嫌っている。・・・だか
ら第一四半期で500万達成しないと奴は解雇される」 ローマンが「当然バンクは別の5つ星をほしがるぜ」と言う。


 バンクが”バンク・ホテル”の従業員に話をしている「俺が統括したホテルは皆、ロイヤル・レビュー誌で5つ星を勝ち取った。 シ
ガルーインも5つ星、モンテカルロのペレフォニジアンも5つ星。 シンガポールのグランド・サファイアもシンコ・ディアメンテス(5つ
星・ダイヤモンド)だ。 タヒチのアトマノクレストもだ。・・・失敗したホテルなど無いんだ」と。

 ローマンが「ダイヤモンドはどうする?」と聞くが、ラスティは「ダイヤは取らん。・・・考慮はしたのだが不可能だ。 奴はもうこれ
以上は買わないだろ」と答える。 ダニーが「デビーのことを話せ」と言うとラスティが、仲間に引き入れたバンク・ホテルの女のこ
とを説明した。「デビーはバンクのコンシェルジュだ。・・・彼女には野心がある。そこがこちらには好都合だ。・・・マカオの支配人
の話題を振ったらすぐに乗ってきた、もちろん賄賂もつけてだがね。・・・お陰でホテルを評価しに来る奴の素性もバンクより先に
知ったよ」 ライナスがソールに聞く「あんたは1000万のために来たのか?」 ソールは「いや、1100万にはなると思ってるん
だよ」と答えた。

 ラスティーがダニーに「バンクはFBIの指紋情報にアクセスできるんだ」と話す。 ダニーは「違法もいいところだな」と答える。 ラ
スティが「ファイアウォールを抜けて進入する方法を見つけた。・・いいことに使える」と言うと、ローマンが「で、ほかには?」と聞
く。 「大物に来て貰う」 「どうやって?」とローマンが聞いた。 ラスティーが「ダニー・シールズと話す」と答えると、ローマンが「ダ
ニー・シールズは自慢話だけが取り得の男だろう」と答えた。

 レストランで食事をしながらダニー・シールズがダニーに説明している。「18人の大口を確保した。 トレーダーに話し、マネージ
ャーやアシスタントにも話しをつけた。 開業式の日に皆が会場から出て行くさ。 2段階でやる。・・・私が先に退室し他が続いて
出る。・・だけど、ヤツ等には勝たせろ。 普段は負けている連中だからな。・・・負けたら怒り出すぞ」 ダニーが「勝たせるさ」と
答えた。

 ローマンが「どのくらい?」と聞く。 ラスティーが「500だ」と答える。 ローマンが「500万か?・・その連中が一晩で?」と聞く。
 「いや、仕込んだ機械でだ」 「とにかく俺たちが勝てば・・」 「カジノは終わりだ」とラスティーが言った。 ダニーが「準備が必要
なのはクラップスにブラックジャック、ルーレットにスロットだ」と答える。

 男がガラスコップの中の氷を指差しながらローマンに言う「この重合体は超音波に反応して動く、金属じゃないからテーブルで
磁力検知をされない。・・サイコロを廻したい時はこれを・・」と言って、ライターを取り出す。 ライターを回転させるとコップの中の
氷が音を立てて回転した。

 ローマンが「だが、サイコロは製造業者が、カジノへの納品を管理している。」と言う。 ダニーは「だから製造業者にも差し金を
まわした・・・」と答える。

 メキシコの工場。 男が防塵用のマスクを外して作業員に聞く「ここは冷房無いのか?」 周りの作業員がみんなどっと笑う。
「そりゃいいな。・・・冷房か」とおどける。 窓の外から室内を監視している男を見つけて、作業員が「やばい!、見てるぞマスクを
つけろ」と言って自分がマスクをつける。 「ヤバイ?。だと・・・それはおれのあだ名だ」

 ローマンが「それじゃサイコロは問題ないな」と言い「じゃあ、ブラックジャックは?・・・」と聞いた。 ラスティーが「シャッフル会社
にリビングストンを潜入させた。」と答えた。

 ラスティーがリビングストンに説明する「つま先を踏めば心電図が”嘘”と表示する」と言って画鋲のようなものを見せる。 ラステ
ィーは「外したい質問の時に踏めば良い。・・・氏名や生年などな。・・その刺激は嘘をついたときと同じストレスになる」と言って靴
の中に取り付ける。 リビングストンが「どのくらい痛い?」と聞く。 ラスティは「まともに踏めばかなり痛いぞ」と答える。

 リビングストンが就職のためのテストを”バンク・ホテル”で受けている「生年月日は1965年2月11日ですか?」 「はい」 「白
いシャツを着てますね?」 「はい」 「犯罪で起訴されたことは?」 「い、いいえ」 「ゲーム会社に対して詐欺を試みたり、犯した
ことは?」 「いえ」 「アレックス・・・・いいでしょ。・・・機械に頼りがちでね。・・・あなたは外見では虚偽的でしたが、機械によれ
ば潔白です」 リビングストンは「ちょと緊張しました。・・・仕事がほしくて・・・」と言って苦笑いした。 面接担当者は「シャッフル・
ロイヤル社にお迎えします」と言ってリビングストンと握手をした。

 ローマンが言う「難しいと思っていたが・・・これでブラックジャックはいいが、次はスロットだ。コンピューターチップは進化してい
る。・・・仕掛けをプログラムしないと。・・・おれに心当たりが有る。」 ダニーが言う「助かるよローマン。・・・ユージーンって言う秀
才も内部に潜ってる。・・・下町でうろついてた男だ、オンラインゲームに侵入しているガキだ。・・・ばれるのも時間の問題だがな」
 ダニーがユージーンに会った時のことを説明する「そのう・・・懐が・・・変になるよ」とユージーンが言った。 「まずいのか?」 
「ああ、まずいね3万ドルも借金している。・・・借金は全部で10万もある」 ダニーは「そうか、10万ぐらいあるぞ」と言って札の詰
まった紙袋を投げてやる。 「有難う、ダニー」 「気持ちだよ、ユージーン・・・どうやってプログラムを仕込むか教えてくれ」 
 ラスティーが聞く「そっちは解決したとして・・・ルーレットはどうだ?・・・」 ローマンが言う「ゲームに勝つには靴にスキャナーを
仕込んで、仲間にマイコンを仕込み盤が止まる確率を3デジットの範囲で計算する。」 「やろうとしたが、バレちまって・・・仲間に
仕込むのは却下した」 「で、ルーレットが支障か?」 「いいや、内応を仕掛けて偽玉を掴ませる」 「どうやって?・・」 ローマン
が言う「2段階でやる。・・第一に仲間を潜らせる。開業式のゲーム博にはバンクが出席する。・・奴も所詮は人間だ。・・・フランク
が準備するんだ」

 仲間の一人フランクが”バンク・ホテル”の従業員に成りすまして、ウエイトレスの教育に当たっている。フランクが彼女たちに言
う「上に立つ男の心を動かすのは難しい・・・そこで君たちにお願いする。・・・魅力的で、魅惑的な女性に、俺たちが求めるものは
上品さであり、優雅さだ」 「私たちにどうしろと?・・・」 「スカートの丈を3インチ短くするんだ」
 
 ダニーが言う「第二に従業員の一人とフランクを組ませる。 盗癖のあるピットボスだ」
 男が貴金属を扱う店にやって来て、カウンターに金のナイフやフォークを並べ「幾らになる?」と聞く。 これらを売却して店を出
てきたばかりの男にダニーが声をかける。 「バンクに金器の盗難が知れたらどうする?。 ニール!・・」 声をかけられた男は
立ち止まり、「どうして俺の名を?」 「どんな名前も知っている。・・・妻の名はメリーで、子供はリアンとドリーで、カジノのピットボ
スだろう」 うろたえるニールにダニーは「脅しじゃない。・・協力だ・・一晩で二倍払う」と言う。 「俺に何をせよと?・・・」 「今は良
い、かえって仕事をせよ。・・時期が来たら使いをやる」

 ダニーとラスティーが話をしている「ゲーム博でバンクを挑発する奴は?・」 「模索中だ」 「奴が天敵なら効果的だ」 「客を追
い出す退避策は?」 「計画を知らない客が幸運の夜を体験する。・・だが賭けに勝てば味を占めて帰らない」 「それがベガスな
んだから問題だ」 「退避策は問題だが難問ではない。・・・問題はセキュリティだ。 ・・こっちに策が無い」

 ライナスが携帯電話で連絡してくる「グレーやブラックのマーケットを調べたがそんなシステムは聞いたことが無いと言って
る。・・・設計元は分かったが、ビルには侵入できない。・・・賄賂も4つのIDも全部自費で払って調べたんだぞ。・・・それだけじゃ
ない俺の素性もばれそうだ」 「何か判ったか?」 「名前は分かったが合っているかどうか分からん・・・・名前はグレコだ。・・グレ
コ追跡システムを稼動した男だ。・・・ベガスにそれを導入したんだ」


 ローマンがダニーとラスティーに会って居る。 「10万ドルは返すよ。・・・降りたいんだ」 「何で?」 「ダニーもラスティーも好き
だ、二人は流儀も優秀で忠義もある。・・・・二人とも優秀な仕事師だがこの道じゃアマだ。・・デジタルの分野じゃ勝てん。・・・終
わりだ・・・・そりゃあグレコを制したい。・・叩きのめしたいさ・・・だが、敵わんよ。・・ハック出来っこないんだ」 ダニーが「あんた
でもか?」と聞く。 「そりゃ18ヶ月かけてな、仕事も遊びも女も忘れて没頭すりゃあひょっとするよ」 ラスティーが聞く「全容を知
っているんだろう」 「そうだが、実働しているのは知らん。・・・開発者は俺の同窓だ。・・奴はグレコ・モントゴメリー。・・あの野郎
は自分の名を取ったんだ」 ダニーが聞く「グレコ(ギリシャ)?。・・ローマン(ローマ)か?・・」 ローマンが言う「イギリスの寄宿校
で彼と過ごした」 ダニーが聞く「で、どんな代物だ」 「A.I.セキュリティ・システムだ。・・・感情を読み取る」 「つまり、脳があると
いうのか?」 「完全な頭脳だ、考えるだけでなく動機も追求するんだ」

 グレコがバンクに頭脳コンピューターの性能について説明している「この装置はカジノ中の全ての座席の配列、重量を捉えま
す。 隅から隅まで、会場の防犯カメラは瞳孔の拡張を監視し、勝利の妥当性や蓋然性を判断します。・・同時に客の心拍や体
温といった生体情報を得て、それらを秒読みで計測し、アルゴリズムの変動が普通であるか、作為されているかを識別し、エクサ
バイトの容量域でリアルタイムで情報解析をします」

 ダニーがローマンに聞く「エクサバイトか?」 「テラバイトは知っているよな?・・エクサはテラの100万倍だ。・・・グレコは堅牢
な部屋に設置され振動検知や温度検知で警報を発信する。・・・ロックされれば部屋からは出られん」 ダニーが問う「配線を切っ
て止めれば?・・」 「外部に配線が出てればな。・・・内部でマグネトロン(超短波磁電管)を使えば別だ」 「グレコを打破する何か
か?」 「それしかないが、そこで行き詰まる。・・・自然災害があれば何とかなるが、天災が必要だ」 「出来るだろう」 「出来な
い」 「やってみたら?」 「やれん」 ラスティーが「お前なら・・」と言うが、ローマンは「過大評価はよせよ」と言う。 ラスティーは
「出来るとして、再起動までの時間は?」と聞く。 ローマンが「精密機器だからなあ・・3分半かな」と答える。 そのそばでダニー
が「充分だな・・・天災でも起すか」と独り言を言う。

 ローマンがダニーとラスティーに言う。「ノートPCを取ってくれ。(街路図を表示して)・・・ドリルの移動経路はパリ通りの中央下水
道だ。・・ゆっくり沿って行くとホテル北西の角に着く。・・・住民を起さないように毎分6回転で進む、共鳴振動が伝わるとビルは音
叉のようになる。 中のヤツ等は地震だと感じて逃げる。」 「これでグレコも打破できる」 「それが退避策になる」

 トレーラーで大型削岩機を持ち込み、地下のトンネル堀りが始まった。 ライナスが買い物をして地下の作業場に帰ってきた。 
バシャーが「頼んだ雑誌はどうした?、俺は外には出られないんだよ」と言う。 ライナスは「買えなかった。・・リビングストンにで
も頼めよ」と答える。 「調査が済んだ。・・・朗報でルーベンも快方に向かってるよ」 バシャーは手紙を取り出して「ルーベンに読
んでやれ」と言ってライナスに渡す。 「言えないよ」 「違う、俺の言葉だから・・お前は伝令だ」 ライナスは「バシャーお前が読
んでやれよ・・・休んだらどうだ、俺が機械は見ててやるよ」と言う。 バシャーは「俺はトンネルなんか掘ったことないだろう。 普
通はチームで監視するもんだ」とぼやいている。

 「震度5.6です」 「震度5.6でも倒壊しないか?」 パソコンの耐震テストの画像を見せながら、地震科学者に変装したラステ
ィーがウイリー・バンクとスポンダーに”避難計画書”を見せて地震の影響を説明している「ブリッツ・マンシーニの報告書を知らな
いようだな、特にここら辺はモハベ砂漠になる。 そうなってほしくないだろう」

 ダニーとライナスがルーベンの部屋でベットのそばに居る。 室内のテレビモニターを見ながら、ダニーがルーベンに説明をして
いる。 「ラスティーが見えるか?」 「ああ、見えてる」 「アーウイン・アレンみたいに天災をでっち上げているんだ」 画像の中で
はラスティーがバンクに説明している。 バンクが「俺にどうしろと言うんだ・・・」と聞く。 ラスティーが「ホテルを今後一切閉めろ」
と言う。 バンクが「何と?・・・まだ開業もしていないぞ」と答える。 ラスティーが「階下の人は何なんですか?」と聞く。 「仮オー
プンさ」 そばにいるスポンダーが「プレビューみたいなもんよ」と答える。 「ホテルを閉めろだと?」 ラスティーが「うちのチーム
と数日協議をしたほうが・・・」と言うのを「いいえ、・・重要な顧客を逃がすなんて出来ないわ。 こんな科学者のせいで・・・」と、ス
ポンダーが答えた。 ラスティーが「どうしても開業をするなら・・・裏目に出ないことを願っているよ」と言い、机の上に持ち込んだ
機械を置く。 ラスティーは「これを持ってろ。・・・標準的な地震計だ。・・・振動を感知したら計測する。・・・それが退避の時期だ
な」と言う。 「そんなもの机に置くな」 「嫌なことを言ってやろう。・・・このホテルがタイム誌の表紙を飾ることだ。・・・ねじれた鉄
骨が炎に包まれ、あんたと客はうなだれて見出しを飾る。・・・非難されるのは誰なのかな?」 バンクが「わかった・・避難計画の
書類を置いて行け」と言う。 スポンダーも「考慮して結論を出しますわ」と答える。 「時間を割いたな」 「よければカジノに行き
たまえ」 「おれはギャンブルはやらん。・・・あんたも程ほどにな・・」と言ってダニーは帰って行った。 スポンダーが「次から面会
は慎重に設定します」とバンクに詫びながら、ダニーの置いて行った地震計を背後の台の上に移動する。 地震計にはカメラが
埋め込まれていたのでラスティーとバンクの会話の様子が見えていたのであるが、背後に置いてくれたのでルーベンには手に取
るように分かるようになった。
 ダニーが先に帰った後でライナスが手紙を取り出す。 「バシャからの手紙だ」と言って読み始める。 「親愛なる ルーベン。 
ベンが言うように2つの心臓は1つとして打ち、共に戦った者たちは花と土と太陽の和のように固く結ばれる。 月が日光を受け
るように・・・ルーベン・・後は読んでくれ」 ここまで読んでライナスも「またな」といって帰っていった。

 バンク・ホテルの廊下の隅に作業着姿のダニーとラスティーが隠れている。 ラスティーが賄賂を渡している女、デビーから電話
が架かってきた。 ラスティーは「準備してろ」といって立ち上がり、清掃道具を乗せた手押し車を押して廊下を進み、1706号室
に入ると”清掃中”の札をドアに架けた。 二人は室内でマスクをして”バイオハザード”と書かれた容器を取り出し中の液を、室
内にくまなく塗り付けていった。

 バンク・ホテルの中、大勢の客がフロントに並びチェックインの順番を待っている。 スポンダーが「ここじゃ沈んだ顔をしないで、
晴れやかにして・・・」と従業員を指導して居る。 スポンダーの目の前で、客の一人が大きなくしゃみをしたとき、持っていたノート
が床に落ちる。 ノートには”5つ星”が付いている。 ”5つ星ホテル評価書”だ、それをスポンダーが目ざとく見つけた。 

 バンクが馴染み客のダニー・シールズの後を追い「シールズさん どこへ行くんですか?・・開業式はもうすぐなのに」と呼び止
めようとする。 シールズは荷物をさげて小走りで玄関に出る。「良識ある友人が、すぐホテルから出たほうが良いと良識的に言
うんだ。・・彼の忠告を聞くことにするよ」と言う。 「彼も来れば分かってくれる。 あなたに最良の部屋を用意しているのに・・・」と
バンクが言う。 「ウイリー、私は行くよ、ありがとう、・・またな」と言ってダニー・シールズは車に乗り込む。

 スポンダーが電話でバンクを呼ぶ。 「確かか?・・どこだ」 「帽子の男性です」 スポンダーが「ドクター・ドリトルの帽子の人で
す」と、指を差す。  「判った」 スポンダーがカウンターの前に並んでいる紳士に近づき声をかけた。 「ケンジントン・チャッブで
す」と言って彼は帽子を取って挨拶をした。 スポンダーは「お越しいただけますか?・・ことが迅速に運びますので」と言う。 ポ
ーターが彼の荷物のバスケットを持とうとしたら中の犬が鳴いた。 「うちの子は敏感な生き物で、私がやらんと機嫌が悪くて」と
チャッブが言った。 「どうぞこちらへ」スポンダーが列を離れて彼を案内した。 後ろの客が「おい、何で彼だけ・・・VIPだからか?」
とポーターに聞いた。 「私には・・・?」

 「予約している者だが・・・」といって男がフロントにやって来た。 奥の席に居たデビーが事前に入手していた写真と見比べる。
(本物の5つ星調査員) デビーが「休んでて、私がやるから・・」といって、受付の男性と替わった。 「お待たせしました。 ようこ
そバンクへ」 男は1706号室に案内された。 
 ケンジントン・チャップの部屋の電話が鳴る。  チャップが電話に出ると、ラスティーからで「ソール、・・俺だ。・・・奴が部屋に入
った。やってくれ」と指令が行く。 「グローブにマスクをしないと大変だぞ」 「判ってる」 5つ星調査員に変装しているソールは持
ち込んだバスケットの中から、薬品の入った容器を取り出し、コップに注いだ水の中に移した。 ガスが発生し、吸気口から隣室
に流れ込む。 1706号室の男はたまらずフロントに電話をする。「1706号室だが、何か酷い匂いがする。 部屋を替えてくれ」
 デビーは「申し訳ございません。開業式に向けて満室となっております」と答える。 
                                           
 メキシコの工場で従業員が話す「お前が不満を口にすると俺たちが解雇される」 口髭を伸ばしたメキシコ人に変装して、工場
にもぐりこんでいるバージルが言う。「労働環境が劣悪だといってるだけだ。・・誰も提言しないのか?。・・賃金は安いのに労働
時間は長い」 「メキシコだもん」 「忘れたか、エミリアーノ・ザバタ将軍を・・・貧しい国の人々が摂取されてた時代にザパタは人
民に訴えた。 ”屈服より死を選ぶ”とな。 人民は戦った。・・・”テキーラ・ザパタ”・・。メキシコ革命だ」

 1706号室の男(ほんものの調査員)」がレストランにやって来る。 受付の男に「一人なんだが・・・リゾットが美味しいと聞いて
ね」と席を頼む。 受付の男は「予約時のお名前を・・」と聞く。 「予約はしていない」 「残念ですが、席がございません」 見渡す
と殆ど空席であるが「そこはすでに予約済みです。・・・他のレストランでよろしければ・・・”リン・スー”・・広東風の創作料理です」
と言う。 「そうか・・」と言って男は立ち去った。 ラスティーが受付の男に近づいて、折りたたんだ札を胸ポケットに差し込んだ。
 1706号室の男は中華料理店 ”リン・スー” にやってきた。

 ダニーとラスティーのいるそばで、ライナスが父親と電話をしている。「あれはただの道具じゃない。・・鼻は役に立つ。・・ほかに
何に変装しろというんだ?・・心配しなくていいって、そりゃよかった。・・・大丈夫チャンとやる。・・ダニーは出ないよ。・・ラスティー
もな。・・じゃあな父さん」  リビングストンが奥から出てきて「プログラムを書き換えて、シャッフルを制御した。 ブラックジャック
では21が最高の数字だ。それがブラックジャックだ。・・・持ち数が20か21ならデーラーは負ける。?」 リビングストンは三人の
前にカードを2枚づつ配った。 ひっくり返すと小さい数で、自分のカードはキングとエースである。 「終わりだダメだね」 次も同
じような数で、自分のカードはエースとジョーカーだった。 リビングストンは「練習が必要だな」と言った。 

 1706号室の男が”リン・スー”の席に座って、「椎茸の入った、シュウマイの天ぷらを・・それに炭酸水を・・」と注文する。 厨房
では出来上がったシュウマイセットの真ん中を外し、準備していた揚げ物を取り替えて載せた。 男がシュウマイを一度に口に放
り込む。 レストランを出た男は自分の部屋に戻ってトイレに駆け込み嘔吐した。 机の上においていた ”5つ星:評価基準書” 
を広げて「スタッフ・・カジノ・・・食事」と言いながらそれぞれに横線を引いていった。 「部屋の衛生状態・・」と言いながら拡大メガ
ネをつけてベットの下を見ると、ダニが隙間無くうごめいていた。

 ルーベンの家でダニーとラスティーが医師のスタンと話しをしている。「現段階で出来ることは無い」 「じきに歩けるんだな」 
「元気づけてやれ」 「やってるよ」 「恩に着るぜスタン」 ラスティーが札束を渡す。 スタンが「多すぎるだろう。・・・弾の摘出でも
ないのに・・」と言う。 そこにライナスがやって来る。 「何の話だ」 ライナスが言う「メキシコの工場と連絡が付かん」 「どういう
ことだ」 「詳細は分からないがつながらん」 「ばれたか?」 ラスティーがいう「奴は大丈夫だ」 

 オーシャンの仲間が集まっている。 料理人の男が情報を持ってくる。 「メキシコの工場で労働争議が発展し、警察官が鎮圧
に出動している。」と報告する。
 メキシコの工場では「悪徳野郎・・・正義を下せ・・・」塀の中で労働者が棒を持って口々に叫んでいる。 男は「パンとバラ(労働
改善)の労働争議をやっているんだ」とも言う。 ダニーが「ストライキを鎮めて来い」というが「聞く耳なんかないよ」とか「工場が
再開されないと船は沈没する」と彼は言う。 ニールは「職場に戻るよ」と言って前に手を出す。 みんなが「何だ?」と聞くと、「チ
ップだよ。・・心積もりを持っていかないと疑われる。・・・俺が自分で出すわけないだろう」と言う。 その時、ラスティーの携帯電話
が鳴る。 「落ち着け・・どうした」 地下で作業中のバシーからで「レシーバー内の解析装置が、潤滑機能を制御しているそれが
内壁に圧迫されている。・・・材質の密度差で変形してしまう」地下削岩機の故障を伝える電話だった。 「磁気位置センサーを切
れ」 「今の位置は?」 「いい知らせはB600がまだ使える」 「それで掘れるんだろ」 「そうだ」

 ルーベン氏邸の夜の庭にオーシャングループが集まって削岩機事故の対策を協議している。 「フランス方向から掘ったんだ」
 「悪い知らせは破損すると言ってる。」 「だから購入する」 「それがかなり高い。・・全部かき集めても1000万だ」 「それで足
りんのか?」 「そうだ」 「幾ら足りない?」 「3000万プラス600万だ」 「ドリル無しでは出来んのか?」 「ドリルは退避策だ」
 「予算を釣り上げるか?」 ソールが「有り金は全部叩いたぞ」と言う。 「俺もそうだ」 「みんなそうだ」 ダニーが「事を成さねば
病床のルーベンに顔向けできん。 彼に計画は失敗したというのか?」と発言する。 「中止しよう」 「それは言えんよ」 「じゃ
あ、何を?」 そこに「失礼します」と言ってルーベンの使用人がやってきた。 「ルーベン氏が話をと・・ダニー氏をお呼びです」 

 ダニーがラスティーをつれてルーベンのベットのそばに行った。 ルーベンは「車の音を聞いた。・・小声の会話を耳にした。 ラ
イナスが叫んでいた。 なぜ、俺に話してくれない。」と言う。 「それは・・・」 そこに、ライナスが走りこんできた「ルーベン・・また
笑顔を見れた。・・話をさせてくれ」

 ダニーとラスティーがライナスから話を聞く。 「それが案か?・・」 「無い知恵しぼって奔走して、あらゆる手段を探し、見込み
のある奴とも話をしたんだ。・・妙案じゃないがこれしかない、・・・案の良し悪しで計画は断念しないよな」 ラスティーが「今回だ
けは逃げたい気分だ」と言った。

 ダニーとラスティーとライナスがテリー・べネディクトの事務所に借金の申し込みに行く。 テリーが言う「一つに、俺をはめようと
したら殺す。 念のため計画は教えてもらう。・・・二つに、相棒として金は貸すが貸した金は返せ。・・・投資は2倍にして返せ」 
ダニーが「2倍か?」と言う。 「イエスか?」 ラスティーが「2倍ね」と言う。 「バンクの奇怪なホテルが俺のプールを影で覆って
いる。・・潰せ。・・・半分にせよ。・・やつはセンスも無いのにロイヤル・レビュー誌なんぞがホテルを開けば5つ星を授ける。・・5つ
星を取った暁には必ずアレ(ダイヤモンドのネックレス)で祝う」 「知ってるよ」 ・・・ 「三つに、ダイヤモンドを盗んで来い」 「出来
ないよ」 「時間がない」 「奪ってたら命がないぜ」 ラスティーが「お前のダイヤのためにリスクを負うのか?」と聞く。 「おれの
ためじゃない・・奴にアワを吹かす為だ・・ダイヤはお前たちに呉れてやる。・・ダイヤを盗むならドリルの資金を調達してやろう」

 ”ドリル B600”  オーシャンの仲間がホテルの図面を広げて議論している。 「ダイヤモンドの詳細は?・・」 「ティファニー製
で1つが30カラット・・賞が値を吊り上げ今の相場に換算して250万ドルだ」  「バンクは次の賞のために早々とネックレスを買っ
た。・・ネックレスは警戒厳重なガラスケースに収められ、タワーの頂上にある」 「べネディクトがそれを取れというのか?」 「そ
のように仰せだ」 「ダイヤのことは計画に入ってなかっただろ?」 ラスティーが「難攻だからだ」と答える。 ソールが「無謀な復
讐では成功せんよ。後戻りしたくても出来ないぞ。・・・死人や逮捕者が出るぞ」とダニーに言った。 「後ろに戻る奴はいるの
か?」とダニーが聞いた。 みんなが首を横に振った。 「ソールは?」 「戻るとは言っとらん。・・・俺も腹を決めたよ・・」 ラスティ
ーが言う「バンクは自分でホテルを設計するためギリーほか4人の設計者を解雇している。 なぜか設計の決定稿が無い」 ダニ
ーが「ルートは?・・」と聞いた。 ラスティーが答える「3月5日の設計に拠れば、ダイヤの部屋に通じる可能性のシャフトがここ
と、ここに、ここだ。・・・だが5月5日の設計ではここと、ここだけだ。・・9月5日にはなくなり、12月6日のにも無い」 「設計書は
いくつあるんだ?」 「10枚だ」 「この図じゃアクセス出来ん」 ラスティーが「俺の実地検証では、これらのシャフトを上がっても
ダイヤの部屋の床の厚さがわからん」と言った。 ダニーが「5インチ以下なら問題ない」と言った。 「このエレベーターシャフトで
長者の部屋に到達するかもな」 「わかった」

 スポンダーが空港に客を迎えに来ている。 飛行機から男が先に下りた。 ウエンである。 後から降りて来た男はレ二ーにな
りきったライナスである。 彼のところにスポンダーが挨拶に来る。 「遅くなってすみません」 「レニー・ペパレッジです。・・・私は
ウエン氏の通訳です。・・・7分も待たせた理由を聞きたいとウエン氏が言っているが?」 「1000万の前金を戴きそのことで連
絡を・・・」 「ウエン氏は電話を使わない。 彼は非常に節度がある。・・・1000万は気持ちです」 「ウエン氏には不動産がある
と?・・・」 「そのとおり」 「ただウチのデータに名前が無いのですが?・・」 「ウエン氏と私は精進して成功を収めてますよ」 
「ウエン氏の不動産とは厳密に何でしょうか?」 「北京南部の航空会社を所有しています」 「航空会社を?」 「天津で三階以
上の建築を計画している者と検索すれば名前が出てきます」 飛行機から先に降りた小男が車の中からレニーを呼んでいる「早
く来い・・待たせるな」 レニーがスポンダーに聞いた「べラージオ・ホテルに瞬時に送金できるか?」 「ウエン氏のために豪華な
部屋を用意しています」  レニーが「部屋が取れました」とウエン氏に伝えた。

 ネバダ州・カーソンシティのFBIの事務所。 男のところに電話が架かってくる。 「内線765です」 「ロバートですか?、・・アビ
ゲイルよ。・・以前ゲーム詐欺の講座であなたの上司から紹介を戴いた・・」 「思い出しました・・御用は何でしょうか?」 「ホテ
ルが開業するんだけど、来客二人の素性を知りたいの」 「名前で調べてみましょう」

 オーシャンたちの集会場。 飛行機で到着したばかりのウエンが会議に加わる。 ライナスがウエンに「頑張れよ」と言うと、ウ
エンは「あんたがいけよ」と言う。 ダニーも「行ってくれよ」 と言うが、イエンは「早すぎるからダメだ」と答える。 ライナスが言う
「弾避けのスタントもやったじゃないか、エレベーターなんか遅い位だ。」 「そんなに早くは動けん」 「あれはCGIだったの
か?・・お前の足だけ編集をしたのか?」 「だからできん」 「分かったよ」 ラスティーが「中止するか?」と仲間に聞く。 ダニー
が「ルーベンには何時話す?・・」と聞く。 ライナスが「生きてるうちに話すさ」と言うと、ラスティーが「誰かに説明させるさ」と答え
る。 「誕生日にでも話すか?」 「1月まで?・・生きてるかね?」とダニーが言う。 

 換気口を伝わってウエンがエレベーターホールにやって来る。 激しく上下するエレベーターボックスの上に乗り機器をセットす
る。 ”7インチ” とデジタル数字が見える。

 ダニーとラスティーが夜の街を歩いている。 雑談の後でラスティーが「指がインクに染まるほど、何回も設計図を見た。」とダニ
ーに言う。 「そうか」 「残るアクセス経路は中央冷房ダクトだ」 「警備員を避けねば・・・」 「ほかに道は無い」 「方法を探そう」
と話す。  二人はホテルの噴水池の前に来る。 ラスティーが昔を思い出し「ここも砂漠だったんだな・・・俺がガキの頃、ルーベ
ンからクラップスを学んだ。・・・ダブル・シックスを仕込まれたんだ」と話す。 ダニーが言う「そして一人前に・・・」 「あれは、22
歳」 「ルーベンとの初対面は?」 「年配を騙してる俺を諌めて朝食を奢ってくれた。・・・砂漠だらけで・・昔は小さいホテルばか
りだった。・・・それでも砂漠のホテルをデカク思った。」

 夜ベットの中でルーベンが、ライナスが運んできた、バシャーの書いた手紙を取り出し、次々と読む。


 オーシャン仲間が集まっている部屋には、バンクの部屋を盗撮しているモニターが置いてある。
 バンクがスポンダーに「こんな記事が雑誌に出ているのを観たぞ。 ベガスの伝説 ”テリー・べネデイクト” だってさ。 俺は俺
の記事の出ている雑誌しか買わん。・・電話の件はどうだ?」と聞いている。 「ゴールドモデルは1000ドルです」 「そうか・・サ
ムスンにしろ」 「はい、おそらく可能だと・・・」 「販促のサンダーソンを呼べ」 「契約では早くても来るのが9月になるので・・」 
「7月にせよ」  モニターを見ていたウエンが「サムスンの社長なら俺は知ってるぞ」と言う。 それを聞いたフランクが「ダニーに
電話をかけろ・・ゲーム博の挑発で使える奴がいるってな」 

 ケンジントン・チャップと言う名で、5つ星調査員に変装しているソールのところにバンクがやって来る。 「御機嫌よう・・・バンク・
ホテルはどうですか?。」 「至極異例なことだが、ホテルのオーナーと直接話しをしていなくてね・・」 「そうですか」 「あなたは
普通の客ですか?・・」 「私は普通の従事者です」 ソールが言う「今のところ、このノートによれば、この施設は評価Aだ」 「Aで
すか・・・そりゃ結構。・・A評価はダイヤですな」 「そうだとも・・・ダイヤか、いかにもだ」

 ダニーのところにラスティーがやって来て「エレベーターはヒットラーの警護のように厳重だ。・・・すぐに見つかっちまう」と言う。
 二人はオプラのテレビ番組を見ている。 商品に家が当たった親子が喜んでいる。 ダニーが「メキシコはどうなった?」と聞く。
 「タークが行ったよ」とラスティーが答える。 

 デパートでダニーとラスティーがライナスと逢っているのをFBI捜査官のロバートが見ている。 ライナスは父親に心配させたくな
いのでラスティーに「親父と話したか?・・・」と聞く。 ラスティーが「仕事のことを知りたいとさ」と答える。 「話したら放っとかない
ぞ。・・なんて言った?」 「鼻の話だけさ」 「良かった」  その時ダニーの携帯に電話が入る「タークか?・・・工場は再開したの
か?」 メキシコに行ったタークからで「もうすぐだ・・経営者をぶっ叩く」と言っている。
 メキシコでは、経営者側と従業員が工場の入り口でもみ合っている。 「こんな環境じゃできるわけがねえ」と騒いでいる労働者
の声が聞こえる。 タークが火炎瓶に火をつけて塀の向こうに投げる。 バージルもそばに居る。

 ホテルの警備員室で勤務中の男が「オルテガ」だといって電話に出る。  「副校長のメックラーです。・・マニーに事故があって
足を怪我したので誰かを迎えにこさせてほしい」 「妻は?・・」 「連絡が取れないのであなたに電話をしました」 警備員室の前
を通りすぎようとする同僚が居る。 オルテガは電話を置いて「おい、ちょっと・・頼むから30分替わってくれ。・・子供が怪我をした
んだ。・・恩にきるよ」と頼み勤務を交替する。

 警備員室の前を堂々と通って、バッグを持った3人の男達がホテルの中に入っていった。 三人は屋上に出て機械室に潜入す
る。 ダニーが図面を広げて「これによるとダイヤの部屋は大体この上だ」と天井を指差す。 「250万ドルのダイヤが18インチの
コンクリートの奥とはな。・・開けられんよ」

 オーシャンズが集まって協議している。 新たに加わったホテル王のテリーにラスティーが言う「あの部屋は厳重だと言っただ
ろ。・・テリー・・・ダイヤを囲っているのは普通のガラスじゃないんだ。・・2インチもの防弾ガラスだぜ。 圧力センサーと7桁の暗
証がいる警報が付いているんだ。」 「以前のようにホテルの電源を切れよ」 「独立した電力供給が二つある。・・・同時に二つは
やれん」 テリーにダニーが「ダイヤを盗れなきゃダメなのか?」と聞く。 テリーは「仕事を投げ出す気か?」と聞く。 ダニーが答
える「分かった・・・俺たちの仕事はガラスケースに侵入しダイヤを取ることだ」  ソールが「そこに入れるのはバンクだけだ
ろ。・・どうやって侵入する?」と聞く。 ダニーが「スポンダーもだ」と言う。 「スポンダーもか・・?」 ライナスが言う。「スポンダー
には雌獅子みたいな理性と信念がある・・・・出来っこない。・・・マックス(男性誌)に書いてた。・・」 ダニーが「ライナスにやって
もらおう」と言う。 ライナスは「俺は一役やっている。 無意識に全てを捧げてるペパレッジ役で一杯だ。・・完璧になりきってる。」
と言いながらも、最後には「分かった。・・・やってみるよ」と言い、 ダニーが「よし・・仕事にかかれ。・・・興奮剤をやる」とライナス
に言う。 「ギルロイをやるよ」 フランクが「俺にも呉れ」と言う。 「お前はいい」 「ギルロイを使え。 これきりだ」 そこに携帯電
話が架かってくる。 ラスティーが電話に出て「メキシコから知らせだ」と言う。 さらに続けて「旧友のジャーナリストから、彼女が
労働者側についているって・・・彼女の話では、賃金を50%上げて、労働環境を改善しないとストライキは続くと言ってるぜ・・・」
 ダニーが「宜しいかなテリー・・・世の中は金だ」と言う。 「幾らだって?」 「36000ドルだ」 「労働者は?・・」 「200人程度
だ」 リビングストンが「そうか・・・じゃあ700万を越えるぞ」と言う。 ラスティーが「違う・・一人に36000ドルじゃない、全員で36
000ドルだ」と答える。 ソールが「タークとバージルは週給3,5ドルのためにストを?・・」と聞く。 ラスティーが「それでも1・5倍
に増える」と言う。 テリーが言う「じゃあ、小切手を・・郵送してやれ」

 メキシコの工場では門の鍵が外され、労働者が歓声を上げて職場になだれ込んだ。  工場が再開されたのだ。 工場で攪拌
されている原料の中にタークとバージルが隠し持った粉末の薬品を投入した。 完成した製品は包装紙に包まれ、No,付きのシ
ールが貼られ、ダンボールに詰められた。 完成品が大量にトラックに積まれた。
 工場主がタークとバージルに「兄弟・・あんたの言葉は心に響いたよ」と言って握手をして送り出してくれた。

 「ローマン・ネーゲルだ。・・君の気持ちをありがたく思う。・・・伝言をどうぞ」とリビングストンに留守電が入った。 リビングストン
が返電をする「ローマンか・・リビングストンだが、会議で外出中だと聞いたが、助けてほしいことがある。・・シャッフル装置の技
術的問題の事だ。・・・・・ダニーとか他の連中にはくれぐれも内密に頼む。・・・応援に来てくれるか?。・・戻ったら電話をしてく
れ」 

 ダニーが電話をしている。 「スポンダーは一緒か?」 「全部新品だ」 「どの車だ?」 「今すぐ導入を・・」 「どのロールス
だ?」 「占有権をやろう」 「到着予定時間は?・」 「ミシシッピーのチュニカだ」 「よし」 「出番だぞ」 ダニーがテリーのそばに
行く「奴はひっかかるかね?」と、テリーが聞く。 ダニーが言う「あんたなら・・・・用意は?」 「いつでもいいさ」

 ”近未来ゲーム博覧会” 会場でカードゲームが行われている。 バンクがスポンダーを伴って急いでやってきた。 バンクが聞
く「誰が進行を?・・・」 スポンダーが「出てくれと言いました。・・・分かってくれなくて」と答える。 途中で出会う客が「前人未踏の
成功だな。・・敬愛してるよ」と祝福してくれる。
  フランクが台の上に立ち「ご紹介しよう。・・進化した最新ゲームだ。・・・時代遅れのカードや退屈なサイコロじゃない。 満喫を
楽しんでくれ・・申し分なし。・・おや、どうもバンクさん。・・光栄です。・・カジノ・ドミノを披露して宜しいですかね?・・・収益の40%
を提供します。」と言う。  バンクが「書類は?」と問う。  フランクが続ける「客が求める気分とはチャンスを得る瞬間です。お分
かりでしょう。・・皆さんご覧下さい。・・バンク氏が最新のゲームにチャンスを呉れると言ってくれました。・・・拍手を下さい」 来客
がバンクに拍手を送る。
 バンクはフランクに「早くゲームをやってくれ」と言う。 「承知しました。・・バンクさん。最初の賭けではドミノを、・・2度目の賭け
では最新のドミノを・・・バンク氏が最初の回に5の倍数で勝つと誰かが勝っても配当は5:1に、つまり他が11:1で賭けていると
彼らが勝てば我々も勝つ。」 「いいな・・・・書類を送ってくれよ。・・それから検討しよう」 「書類、書類ってバンクさん書類なんて
いいんです。体感こそが大事です」 バンクは「体感してるさ。・・・ただ、儲かるかね」と聞きなおす。
 そこにテリーが現れて「俺のカジノに設置してもいいか?」と聞く。 フランクは「話の判る人だね。感謝しますよ」とテリーに答え
る。 テリーは「これは私のホテルの一角に申し分ない」と言う。 「やったね」 テリーは「今すぐ導入したい。占有権をやる。・・ド
ミノに相応しい場所なんだ。」と言う。 テリーが言う「手を引けよ。・・・あんたは過去の人だ」 バンクも負けずに言う「そうかい、こ
っちにも場所はある。・・最高の場所がな・・ベガス中央の部屋だ。・・・」と。 フランクにテリーはウインクをして引き上げた。


 今夜がバンク・ホテルの開業式。 客が続々と詰め掛ける。 バンクとスポンダーがやって来る。 「ジャンプは何時だ?」 「バ
イクのですか?」 「ロード氏がバイクで花火を潜るんです」 「花火とスタントショーだな」 バンクは「同時に進行させろ・・・ベガス
中が注目しているんだ。・・完璧を期すぞ。・・言った時間に始めろ」と言う。 「12時に・・・」 バンクが言う「過ぎたらダメだ・・・・1
2時きっかりだ・・・鐘が鳴ったらすぐだ。・・・頼むからヘマするな。・・・」 バンクの前を大勢の男たちが出口に向かう「彼らはどこ
に?・・・」 スポンダーが答える「わかりません。・・・12人の大口客が理由もなしに退出をしました」 「理由を聞け」 

 バンクの部下のデビーが「スポンダー様宛に届きました」と言って荷物を持ってくる。 「速達で、手渡しと・・・」 箱には”サムス
ン”と印刷されている。 「有難う、・・助かったわ」スポンダーは喜んで荷物を受け取った。 

  ”ウイリアム・バンク宛 受注製品” [サムスン] 
 バンクが自室で荷物の包装紙を取って手紙を取り出す。 「親愛なるB氏へ 贈り物に感謝します。・・機会にも・・優しさに、温
かさにも、それに・・・」 バンクは後を読まないで手紙を破り捨てた。 バンクは「これは君にはやらん、・・君にはやらんぞ」と独り
言を言う。 蓋を取ると中には金色に輝く箱が入っていた。

 ルーベンがベットから起き上がり、隣室の衣装箱を開けてワイシャツを眺めニヤリとする。 

 バンク・ホテルの”グランド・オープニング 開業式”  花火が夜空に打ち上げられ盛大な開業式を迎えた。 客が続々と集まっ
てくる。 ダニーの姿も見える。 オープニングショーとして、土俵が造られ、和太鼓の打ち響く中でバンクがにこやかにマイクを持
って土俵に上がった。 メキシコを出たトラックが着いて積荷がたくさん降ろされていく。 力士が相撲を取って見せる。 フランク
が売り込んだばかりのカジノ・ドミノの前で、メキシコから届いたばかりの箱を開ける。 
 「オーシャンに企みがあったらどうする?」とバンクが聞いている。 スポンダーが「追い出しますか?」と聞く。 「いや、捨て置
け」
 ルーベンがオーシャンに電話をかけて、「勝負はどうだ?」と、聞く。 ダニーが「自分の目で見たら・・」と答えるが、ルーベンは
オーシャンの着ているシャツのボタンをカメラにしているので行動はすべて自室のモニターで見えている。 

 バンク・ホテルに荷物が着々と持ち込まれている。 メキシコから着いた荷物が開けられ中から新しいサイコロが出てくる。  
バンクがショー会場のオーシャンたちの居るところに来る。 ダニーに「ここから出ないわけを教えてくれよ」と聞く。 ダニーが答え
る「あんたが一番知ってるだろう」 「みな予約で一杯だ・・見ろ」 「賄賂でも使ったか?」 「買収を?・・騙すか?」 「そうだ」 オ
ーシャンに言う「皆の面前で奪うかね?・・・いいか、オーシャン・・・君はまだ未熟だ。・・もっと賢くなれよ・・ここで楽しめ。・・・客
の負け金の10%をやろう。・・・ルーベンにやれば少しは気分が良くなる・・・」バンクが話すが、オーシャンは「良くなる訳が無
い、・・・死にかけたんだぞ」 「20%でどうだ。・・・どんな賭けでもいい」 「20%か・・・」 「成立か?・・・毎晩現金で払おう。新札
でな・・・でなきゃあ話は無しだ」 「部屋がほしい」 「部屋か?・・そうかい」二人は別れていった。 オーシャンは「行くぞ」と仲間
に声をかけてショー会場を後にした。 

 1706号室の調査員の部屋のドアを叩く音がして、「チェックアウトの時間です」と従業員に扮したバージルとタークが声をかけ
た。 調査員は「何だ、チェックアウトの準備などしていない」と答える。 「予定より時間超過です。・・・退出願います」 「ネバダ
州じゃあ客室に入るのは違法・・・」 「安全上の理由を除きます」 「何度も言いますが、個人衛生の観点から・・・」 「私の衛生
が疎かだと・・・」 「説明しているように、あなたの鼻は利いていない」 「何と?」 「他のお客様へ迷惑です」 「何が迷惑なのか
さっぱり・・・・」 「15分で・・荷物の準備に15分待ちます。・・状況に了承を、・・・でないと戻ってきます」 「分かった」

 ライナスは興奮剤 ”ギルロイ” を首に付けて、それを燃やした後、手を丁寧に洗った。 彼はウエン氏の部屋に行く。 ドアを
開けると部屋にはスポンダーが待っている。 ライナスは「これはどうも」と挨拶した。 スポンダーは「明日は無いわよ。・・・ペパ
レッジさん」と言って偽名を使っているライナスを迎えた。 スポンダーはすぐに臭気を感じ、とたんにめまいを感じた。 ライナス
が「今夜はレニーでいいです」と言う。 スポンダーは「アジアの方に部屋がほしい」と言う。 「ウエン氏に話したほうがいい、ご自
身で・・」 「実を言うと、つまり最後に話したとき、彼が傲慢だと・・」 「あなたの主もね大金を使い、大きなリスクの狭間に居場所
を探す。 彼が食べ始めるのは、雰囲気が唐突に高まる時」 「高まる?・・こんな風に?」と言ってスポンダーが擦り寄ってくる。
 ライナスは「私は元気付けるだけです」と言う。 「どうしてそんな風に?・・」 「権力のある者に仕えると、・・・時に息が・・・苦しく
なる・・」 スポンダーは唇を近づけていたが、ライナスはそれを無視した。

 ビルの電気室。 点検をするように見せかけてタークとバージルが、配電盤に爆薬を取り付ける。 作業を終えて部屋を出る。 
監視員が「終わりか?」と聞く。 「ありがとう」と監視員に礼を言って出て行く。

 オープニング会場でバンクを見つけた1706号室の調査員が「バンクさん。ホテルからの追放を感謝するよ」と皮肉を言う。 バ
ンクは「誰かね?・・君は・・」と聞く。 「誰でもいい」

 地下トンネルで削岩機を操作していたバシャーは、「頼むぞ」とタークとバージルに言って出て行った。

 リビングストンが会場内で装置の監視をしている。 FBIのロバートが会場にやってきて「警護に備えて準備してろ。」と部下に言
う。 ダニーがピンマイクで仲間に伝える「まずいぞ、・・・FBIが来た。・・・ブラックジャックに近づいたらリビングストンに知らせろ」
 
 バンクが来客に挨拶する。 「”バンク・ホテル”へようこそ。・・最高の酒で乾杯しよう。・・」 ダニーを見つけて「戻ってくれて嬉し
いぞダニー。・・いい知らせを聞かせよう。・・ごゆっくり・・」と言う。 「乾杯!」

 満員の客がゲームを楽しんでいる。 男たちがリビングストンを取り囲んで「リビングストン・デル。・・・連邦捜査局だ。・・出口は
封鎖した。逃げ道は無いぞ。・・・バカは止めろ」と言う。 バンクがやって来て「何やってる?」と聞く。 「不審者だ。・・・機械に仕
掛けをした。・・こちらの監視下に置く」 「仕掛け?・・」 「雇用会社と話したが、彼の履歴は偽装されている」 バンクは「何台の
機械に仕込んだのだ?」と捜査官に聞く。 「分かりません」 バンクが「全部取り替えろ」と言うが、部下が「替えがありません」と
答える。 捜査官は「会社が新しい機械を発送する」と伝える。 バンクが「こいつは他の仲間と片付けてるだろう」と聞くが、捜査
官は「仲間の存在までは察知したが、詳細までは、・・・何か異常を見かけたら我々に連絡を・・・」と言う。 「もちろんだ」 バンク
はリビングストンに「これで済むと思うか?・・済む分けない。・・・縛り上げてやる。・・州と連邦国両方の罪でな。・・こいつをつま
み出せ」と言う。 リビングストンはFBI捜査官に連れて行かれた。

 ロバート捜査官は「あいつの指紋を照合しろ。・・身元と仲間の情報を洗い出せ」と部下に命じた。

 バシャーがIP電話で伝える「バンクがシャッフル装置の指紋を照合するぞ」 「デルは心配ないが、奴はリビングストンと俺たち
の身元を割る」 「こっちはどうする?・・何もできんぜ。」 「俺たちは捕まって、バンクは最高の夜を味わう。・・・バンクに手が届か
ん」  

 ”堂々と話す:話し上手への道” 「ひらめいた。・・カートホィール(お色気娼婦)は?どうだ。・・15分で用意をする・・」 「誰がハ
ックする?」 「車の後部座席で手錠をされてる奴だ」 「了解」 「ほかに出来る奴は?・・」 「バージルだ・・・」 「バージルで決ま
りだ」


 リビングストンが手錠をはめられ、車に乗せられて連行されて行く。 

 「これを取り替えたらメインフロアをやれ」 「わかった」 ダニーが「そろそろ始まるぞ。 ラスティーは今どこだ?・・・誰かラスティ
ーの様子は?」とピンマイクで伝える。 フランクが「一人は抜けた」と伝える。 ダニーが「お客を連れて戻ってきたぞ」と言う。 
見るとルーベンが入って来る。 「やあ、みんな・・」 「よく来たな・・」 「ルーベンお帰り・・」 「ルーベン元気か?・・」 顔見知りの
友人がルーベンに挨拶をする。 ルーベンは札束を取り出し、「少しだけ儲けよう・・・全種類楽しみたいね」と言ってチップを受け
取る。

 FBIでは部下がリビングストンの指紋の照合を続けている。 
 
 スポンダーがライナスを口説いている。 ライナスが「ここじゃあダメだ。・・職を失う」と逃げている。 「その緊張感がいいんじゃ
ない」 すがり付こうとするスポンダーを押し退けて「節度は守らないと・・。ここはウエン氏の部屋です・・・他に部屋が?・・」と言
う。  「いえ・・どこも満室なの」 ライナスは「二人きりになれる部屋は?・・頼むよアビー・・案内して・・・」と言う。 「分かった
わ・・・来て」

 地下のバージルとタークのところに「スロットを壊せ」と指令が飛ぶ。 遠隔操作のボタンを押すと、電源室の機器が吹き飛ぶ。
 会場のゲーム機が止まり、室内の照明が薄暗くなる。 客が騒ぎ出す。 バンクが「こんな事態を防ぐためのプレビューだったの
に・・すぐ直せ」と部下に告げる。

 スポンダーとライナスが、屋上にやって来る。屋上にはダイヤが保管されている防弾ガラス製のショールームがある。 ライナス
がとぼけて「すごいなあ・・ダイヤ?・・」と聞く。 スポンダーは「あなたはこの街で最高に誠実な人だわ。・・ここの監視カメラは切
るわ」と言う。 ライナスはスポンダーの目を盗み、三角錐の形をしたダイヤ展示ショールームの周りに爆薬を置いて廻る。 「携
帯の電源も切ったら?・・」 「でもバンクしか架けて来ないし・・・後で返すなら預けるわ」 受け取った携帯電話をライナスは自分
のポケットに入れる。 「あっちでワインでも・・・欲しい物なら何でもあるわ」 

 FBIで続けていた指紋照合作業で ”リビングストン・デル” の写真と名前がデェスプレーに現れる。 ”仲間のデータを検索” 
と入力すると、オーシャンズ11名の顔写真が写った。 係官は「バンク氏の部屋に送信」と告げてキーを打つ。 ”ウイリー・バン
クに送信” 

 バンクの部屋。 パソコンの画面に、 ”FBIからダウンロード中” と表示が出ている。 その時、派手な衣装でバイクに乗ってい
た男がバンクの部屋の中に勝手に入り込む。。 秘書の女性が「お止めしたのに・・・」と後に付いてくる。 男は「グレイハウンド・
バス36台を飛び越えた俺を止められんよ」と遂げる。 ヘルメットを取ると男はバシャーだった。 バンクは「いいさ、まあ座りたま
え。・・用件は?」と聞く。 「バンクさん・・毎晩チャック・ベリーがカウントに何と言ったって?」 「と、言うと?」 「金払えってね」 
「私の使いが払った・・現金でだ・・金は送金しただろ」 バンクの後ろのパソコンモニターにはオーシャンズの顔写真が次々と表
示されている。 「バンクさん・・これはな、フェンダー・ロードの一大ショーだ」と言って動き回り、大きな身振りで自分に注意を引
かせる。 

 地下のバージルとタークは「大丈夫か?」 「苦手だよ」と、言いながら、パソコンのキーを叩いている。 デェスプレーに映ってい
るオーシャンズの一人ひとりの顔を修正して、別人の顔にしているのだ。 

 バシャーは「バンクさん尊敬しているよ。・・・あんたは明日もホテルの仕事がある。・・毎日が安定している。」 「そうだ・・・俺が
一発掛けりゃア、ショーン・ホワイトがショーをする。・・トラビス・パストラーナも5人の仲間を連れてすぐに現れる。・・レイジーボー
イなんか朝飯前にやる」 バンクが喋っている間も後ろのパソコンにはオーシャンズの顔写真が次々と表示されている。 「でも、
お客は長髪のライダーが軽いオフ車でブッ飛ぶのを見たいと?・・俺が言ってるのは大型なんだよ。・・フェンダー・ロードはなアメ
リカの象徴だ」

 地下では、パソコンを叩いてオーシャンズの面々の顔写真の修整が続く。 「もっと替えろ、原型を崩せ」 「身長は?・・・34の
州で指名手配と」 「34州じゃ広いな・・22州にしよう」

 バシャーとバンクの話はまだ続いている。 「今夜と言う日はラスベガスで語り継がれる。・・その時、お前のことが語られるか否
かだ。」 パソコンモニターに映っている仲間の顔が修正されていくのが、バンクと話しているバシャーには見える。 「もう一つい
いかな・・」と言ってバシャーが階段の方に歩いていく。 「ジャンプするのか?・・」 「やってやるさベイビー」と言って彼は走り去
る。 部屋に電話が架かる。 バンクが「ああ、見てる」と答えてパソコンを見るが、知らない顔がずらりとならんで居る。

 ラスティーがピンマイクでたずねる。 「ユージーンが仕掛けた機械はどこだ?」 「左手で最初の龍の下よ」 「よし、手順をどう
ぞ・・」 「コインを入れて3つ数え、次に6つ数え、3枚入れて5つ、2枚入れて半分数えて・・・・」 「もっと簡単にしろよ」 「まだ始
めの手順だけ・・あと2手順あるわ」 ラスティー言われる通りにコインを投入する。 カードの台ではルーベンがゲームをしてい
る。 フランクのところも客が集まっている。 ラスティーはバンクが会場に現れたのを見届けて、最後の1枚のコインを投入口の
そばに置いて席を立った。 客の夫人が空席を見つけて座り、コインを見つけて投入した。 ボタンを押すとスロットの画像が流れ
て5個の金貨の絵がが一つになった。 「やったかも?・・どうしましょう・・大変」 機械の上の扉が開きコインが滝のように流れ出
た。 客が総立ちになって拍手した。

 「開業当日に最新のスロットで当たり?・・」バンクの部下が質問する。 グレコは「通常の感情変動に、異常の無い挙動、瞳孔
も心拍数も理に適っている」と伝える。

 係りの男がデーラーのフランクに箱を渡す。 金色の包装紙に包まれたサイコロが出てくる。 「入ります・・新品です。」 新品
のサイコロと取り替える。 ルーレットの台でも「ボールはいります」と言って、古いボールが新しいボールと取り替えられる。 ウ
エンがやって来て席に着く。 

 地下の二人が時間を確認して、機械のスイッチバーを次々と倒していく。 削岩機が回転を始める。 ホテルでは台の上のチッ
プが揺れだし、みんなが地震だと感じる。 屋上のスポンダーとライナスも「何かしら?」 「君も感じたかい」と話している。 バン
クが遊技場に走る。 

 フランクの台では客が大勝ちして、「すごいね」と言っている。 「グレコはまだ動いているな」 フランクが「おーい、みんな賭け
てくれ」と呼びかける。

 コントロールルームにバンクがやって来る 「異常は無いか?・・・地震でシステムに影響が?・・」 「いいえ、この程度ではビク
とも」 そこに部下が来て「ピットボスが準備金の確認をと・・でも、スポンダーと連絡が取れません」と伝える。 「幾らだ?」 「ル
ーレットの1000万です」 「分かった」

 デーラーが「では数字3つの組みで賭けを・・11,12,13です」と呼びかける。
 バンクの電話が鳴る。「ここは受信できないのに?・・この電話じゃないだろう・・・バンクだ」 「サーバ1に侵入を受けています」
 「何から?・・」 「分かりません」 「サーバ1がダウンしました」 「まさか?」 「サーバ2が妨害を受けています」 バンクが言う
「説明させてくれ、何かのマグネトロンだ」 「サーバ3が落ちそうです」 「マグネトロンだ」 「どいつがマグネトロンを?・・」 「サ
ーバ4も・・5も」 
会場に居るバンクの部下が「全員に告ぐ!・・ポケットの中を出せ!」と叫ぶ。


 二人の居る屋上でも電気が消えた。 スポンダーが、ライナスに「何が起こったの?」と聞く。 

 来客にバンクは「安全対策です」と言い、グレコも「システムが危機を感知するとシャットダウンして再起動します。」と答える。 
ルーレット盤が回転し、ボールが13に入る。 「障害はどのくらいだ?」 「3分20秒です」 バカラの台にダニーが座り、後からラ
スティーが来る。 ラスティーは「スネークアイズに全部」と言って台の上にチップを乗せる。 バンクが見ていて「あのアマ・・」と口
にし、「賭けを受けられん。・・復旧しろ」と伝える。 グレコが「システムが落ちると、安全のために通信や接触を遮断するシステ
ムです」と答える。 「再起動中」 ゲームが再開される。 サイコロが投げられた。 脇でライターをひねると止まりかけたサイコロ
がコトンと音を立てて回転する。 ラスティーが「おう・・スネークアイズ・・」と言って喜ぶ。 

 地下では腕時計を見ながら「あと2分」と告げる。 バカラ台では、依然として振られたサイコロが止まりかけては動いている。 
そのたびにライターをひねっている男が居る。
  「あと1分」 チップを抱えきれないほどキャッシャーに持ち込み札束を持ち帰る客が居る。 バンクが頭を抱える。

 システムが復旧する。 地下のバージルとタークが削岩機のスイッチバーを押し上げる。 再び地震が発生する。 客が動揺す
る中で「さあ賭けて」とデーラーが呼びかける。 ラスティーがダニーを見ると小さく合図がある。 テリーが「やれ」と言う。 地下
の削岩機がフル稼働する。 チップの山が崩れ、天井から物が落下する。 ラスティーが「ツキもこれで尽きる。・・金を持って行
け」と叫ぶ。 会場は大混乱となっている。 バンクの部下のジョーンズが「みなさん・・通りのほうへ気をつけて・・・」と案内してい
る。 「こちらを通って・・通りへ」、ダニーもラスティーも金を持って外に出る。 「ジョーンズ!・・何してる?・・地震は済んだ戻
れ!」とバンクが叫ぶ。 「でも、避難計画を・・」とジョーンズは言った。

 屋上に居る二人は「止まったようだ」と言っている。 スポンダーが「下に戻ろう」と言い、「私の鼓動を感じて・・」と言ってライナ
スの手を自分の胸に押し付ける。 手を振り払った時、手に持っていたワインがこぼれる。 「シミになるわ、脱いだ方がいい」と
スポンダーが言ってズボンを引っ張る。  「ちょっと待て」と逃げていたが、ライナスはズボンを脱がされる。  「静かに・・動く
な!FBIだ」銃を構えた捜査員が立っている。 捜査員が「こいつはレニー・ペパレッジ・・別名ラリー・ザ・ペップ。・・別名シェルダ
ン・ウエルズ。別名ルー・テイミー・ハードウエル・・こいつは詐欺師だ」と言って後ろ手に手錠をかけた。  さらに「・・まともな実
業家のフリでこの施設に忍び込んだ。・・あなたに薬物を仕込みここのダイヤを奪おうとしていた」他はナス。  スポンダーは立
ち上がる力も無く捜査官に支えられた。 捜査官がライナスの背広の前を広げると、ダイヤモンドのネックレスが掛かっていた。 
「なんてこと・・酷いわ」 「それだけじゃない。」 捜査官が鼻を持って引っ張ると、付け鼻が取れて別人のような顔になった。 ス
ポンダーは驚いて声も出ない。 「すまない。・・悪かった。・・本当に好きなんだ」 「終わりだわ」 「プロの詐欺師だ・・自分を責
めないで・・調度あなたの年の女性を騙す」 「バンクに事が知られたら・・・」 「報告は慎重にします」 「有難う・・コールドウエル
捜査官」スポンダーが言った。 

 コールドウエル捜査官に連れられてエレベーターに乗るとすぐ、ライナスは手錠を外した。 捜査官が付け鼻を返しながら「母さ
んが知らずに死んでて良かった。」と言う。 ライナス・コールドウエルとコールドウエル捜査官は兄弟なのだ。 ライナスが「鼻の
効果を認めたくないのか?」と聞く。 「安心するのはまだ早い」と捜査官が言う。

 テリー・ベネデイクトが「ライナス、仕掛けたのか?」と聞く。 「ああ、計画通りにな」 「屋上に向かうぞ・・・聞いたか?」と無線
機で伝える。 上空でテリーの部下がヘリコプターで待っている。 「用意はいい」と返事が来る。
 ライナスは兄に言う「祝わなくていいから認めてくれよ。・・あれはタダの道具じゃない。 鼻はちゃんと役に立った。・・アレが役
を形にする」 捜査官は「仕事を済ませよう・・ほら来たぞ」と上空を指差し、二人は屋上に上がる。 ヘリコプターが近づく。 そこ
に男がピストルを突きつけてやって来る。 「おいなんだよ・・まったく」 男が「ダイヤを寄こせ」と言う。 捜査官が「ダイヤをや
れ・・」と言う。 ライナスが男に近づいて、身体に巻いていたネックレスを外して手渡す。 男はそのまま屋上から飛び降りスカイ
ダイビングの落下傘を広げて地上に逃げていった。 

 ヘリコプターが屋上に下りた。 「早くしろ!・・」 降りてきた男たちがダイヤの保管ショールームの周りの数箇所にワイヤーを
かけていく。 

 バンクはダニーから「酷い夜だな・・・5億ドルを失ったぞ。・・・サイコロを転がすか?」と言われる。 「負かした積もりか?・・・俺
の野望を教えてやる。・・・まだ2打差だけだ。・・・俺は巨大なホテルを大通りに建てる。・・当然5つ星を取る。・・・またしてもな」と
バンクは言う。 「そうかい?」 「そうとも・・・でかいのをな。・・この街は変わるが俺は違う。・・・お前をつぶす。・・人心は得てい
る。・・・俺を成功させるまで、多大な投資を受けた。投資家はお前を攻撃する。・・・お前は知る由もない」と言う。 ダニーも「第一
にあなたが雇っている連中はこちら側に付く。・・第二に警察には行けないぞ。・・・行けるはずが無い」と言う。 ダニーが続ける
「第3に、あんたはシナトラと握手をした。そのことを噛み締めろ」

 ヘリにはテリーも乗り込み上昇する。 タイマーをセットし爆破させて、ダイヤの保管室をそのまま全部吊り下げて持ち去った。 
外に出た人々が驚いて見上げる。 バンクが上空を見上げて「俺のダイヤか?」と言う。

 「まさか・・まさかな。・・クズ石つかませやがって」と言って、ジョーンズが偽のダイヤネックレスをゴミ箱に放り込む。 


 花火が打ち上げられて、オーシャンズが広場に集まって眺めている。 「何だ?」ルーベンが聞く。 ダニーが「北部最高のこの
土地4,6エーカーの権利書だ。」と言って差し出す。  ルーベンは「それを貰うと戸惑うな。・・・家や服、食事も変わったのに何
の意味が?・・」と聞く。 「あるさ。・・・手紙に礼を」 「どういたしまして・・」 メンバーが揃って夜空に花咲く打ち上げ花火を見て
いる。

 テリーのホテルの事務所にダニーが現れる。 「テリーに、ダニエルが来たと伝えてくれ」 応接室にテリーが来る。 ダニーが
言う「昨夜は大騒ぎだったな」 「奇襲されたからな」 「奇襲?」 テリーが言う「トルアーが屋上にいたな・・・俺たちがダイヤを奪
うちょうどその時に」 「どうしてバレたかね」 「お前は手駒を使い、俺もそうした。・・・こっちもトルアーを監視してた。・・お前が監
視するように・・」 ダニーは「取り分だが・・慈善に寄付した。・・・捨て子のキャンプだ。子供たちは喜んで来月来るそうだ」」と言
う。 「話が違うだろ・・」 「それが嫌なら子供をキャンプに連れ戻して、里親の元にやれ。・・・全員で200人だ」 「愉快か?」 
「まあ、悲しくは無い」
 ダニーが帰った後、テリーは秘書の女性に聞かれる。 「どうして子供を・・・・」 「この手の事業者に感銘を受けてね・・何か始
めたらと思って・・幸運にもカジノは順調で」

 ”テリー・べネディクト 捨て子の里に720万ドルを寄付”  テリーがテレビに出演している「他にも提供できるようさらに稼げた
らと。・・・ただ、あの場所では感動した。 子供の目を見たら・・・それが寄付の動機になった。」 「神聖な好意に感謝を・・」 「助
言に従ったまでだ」 「テリー・べネディクトでした」

 空港の待合室。 ライナス、ダニー、ラスティーが並んでイスに腰掛けている。 ライナスが「もう行くよ・・親父の仕事が忙しいか
ら、手伝えと言って来た」 「そりゃよかった」 「また会う日まで・・」と手を軽く上げてライナスは去って行った。 二人は顔を見合
わせた。 ダニーが「スーザン・B・アンソニー(1$硬貨)でまた客にあぶく銭をやるか?」と言った。 「いつでもいいぞ」 「じゃ
あ、また会う日まで」ダニーが行こうとするのを、ラスティーが止めて「次回は・・太ってるかもナ」と言って腹を叩く。 「二人も産め
ば、元に戻るさ」と言ってダニーも立ち去った。 

 ホテルを追い出された”5つ星評価会社”の調査員が窓口に居る。 「すぐにお呼びします」 「頼む。・・すぐに出たいんだ」 
「スロットで時間をつぶしては?」 

 ラスティーが空港の隅のスロットの前に座ってコインを入れている。 調査員が時間つぶしに隣の空席にやって来て座る。 ラス
ティーが立ち上がってコインを落とす。 「ちょっと・・落としましたよ」と言って調査員が拾い上げてくれる。 「使ってくれ・・出発の
時間だ。・・試してみなよ。・・当たるかもよ」 男がラスティーの居た席に替わってコインを入れる。 立ち去るラスティーの後ろで。
「勝った!・・見てくれ 1100万ドル勝った」と男が騒いでいる。 周りが人だかりになり、大騒ぎとなる。 「何てこった。・・1100
万ドルも当たった」 

   =  終わり  =    
  平成19年8月10日 ロードショー公開
                   平成19年8月16日    鑑賞 記載


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