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当然のことですが、一人よりも2人のほうが仕事の効率はあがります。一人ではできないこともできます。
ところが、2人で行ったためにうまくいかなかった、ということもたくさんあります。
「二人は危ない」のかもしれません。
以下、災害防止協会「安全衛生のひろば」(海保博之筑波大学教授)より一部引用・改(1)
一人なら仕事全体を自分でコントロールできます。自分のペースですから何に気をつければよいかもわかっています。
それが、2人でする、となると、分業に伴う新たな段取りや手順が発生してきます。
この段取りや手順の内容は仕事によって異なりますが、その手順を適切にこなすためには、2人の間での頻繁なコミュニケーションが必須となります。
・自分がしようとすること
・相手にしてほしいこと
・作業が今どうなっているか
を、お互いが頻繁に声に出しあい、声をかけ合いながら作業をする必要があります。
相手の姿が見えると、相手も自分のほうをよく見ているはず、あえて声を出すまでもないとの思い込みや、自分の仕事にのみ集中してしまい、
つい声かけを怠ってしまうことがあります。
「助手席に乗って前方を見ていたら、自転車が走っていた。運転手も当然知っているものと思い黙っていたら、気づくのがおくれて急ブレーキをかけた」
みたいなことはないでしょうか?
逆に、助手席の奥さんが運転席のご主人に指図するようにあまり口を出したら、
うるさくて運転する方はイライラします。かえって危なくなります(二人の関係もですね?)。
ところがこういうことは二人のコミュニケーションに特徴的なことらしいのです。
2人で仕事をするときに声かけをしない
2人で協力して仕事をするケースには、2つのタイプがあります。
一つには、事例のように、2人が空間的に接近して一緒に同じ仕事をするような場合
(接近共同作業)です。
もう一つは、一人はクレーン操作、もう一人は遠くの運搬物の設置場所にいるような場合
(遠隔共同作業)です。
遠隔共同作業の場合は声かけはできませんから、無線か手振り身振りでのコミュニケーションになります。
音声やジェスチャーの伝達精度が問題になりますが、ここでは、確実にコミュニケーションが発生します。
接近共同作業では、相手の顔、仕事が見えるにもかかわらず、
意外にコミュニケーション不全が発生してしまう
その理由の1つは、人間関係です。例えば、相手が先輩であれば、声かけの遠慮が起こります。
2つは、自分に割り当てられた仕事にのみ集中してしまうからです。とりわけ、それが処理負荷の高いものであれば、相手の仕事に配慮する余裕はありません。
3つは、油断や横着心です。相手が目の前にいる安心感からか、言うまでもないだろうと思い込んで油断してしまいがちです。
こっちを向いているのだから「見えている(見ている)だろう」と。
一人で十分な仕事を
また一人でも充分な仕事を(親切で)二人で行うと効率が悪いばかりでなくエラー発生の原因を作ることになります。
三人の場合はどうでしょうか、二人と違ってまず段取りの打ち合わせが必須になります。これはこれでエラーのもとになり、
効率が悪くなる可能性があるのですが段取りが「必須」になるぶんだけエラーの修正・早期発見ができそうです。
「手を出さない」という奥の手?
同じ二人でも多少仕事は遅くなる可能性がありますが「一方が完全に手をださない」という関わり方もあります。
手を出さない側は完全に「指示を出す」(やチェックリストを読み上げる係に徹する)だけ、「監督」だけ、「全体をみる」だけ、というわけです。
これって、「緊急時のリーダーのあり方」に似てますね。
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引用紹介と註解[2005.7.1追加]
今回は以下の文献・資料を参考にさせていただきましたが、引用の誤り、解釈の誤
り、「思い込み」があるかもしれません。是非、原典にあたることをおすすめしま
す。
<引用元>
1) 海保博之教授(筑波大学)のサイト
http://www.human.tsukuba.ac.jp/~hkaiho/index.html
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