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10-1 ダブルチェックの理想型
10-2 組織の「Aging」の危険
10-3 それでも「ダブルチェック」をしなければならない、なら(HFC)
引用紹介と註解[2005.9.1追加] 今回は以下の文献・資料を参考にさせていただきましたが、引用の誤り、解釈の誤り、「思い込み」があるかもしれません。 是非、原典にあたることをおすすめします。 1)(図)畑村洋太郎 「失敗学のすすめ」講談社 2)山内桂子ら「医療事故」朝日新聞社 またお気づきの点はメールでご連絡いただけましたら幸いです。 以下は「ダブルチェック」に関して04.4.ご意見(掲示板)をいただきましたがそのときの管理人S-1の返事です。一緒にご覧ください。 また医療安全推進者ネットでは05.6.に「切り口を変えたダブルチェック」でなければダブルチェックの精度が落ちる事を証明した実験結果が掲載されています。
「ダブルチェック」に関しましては「院内のセミナー」で何かしたわけでなく院内のLANでの連載だけでした。 ですから山内先生の「医療事故」以外には「ダブルチェック」の特別な文献を参考に書いたわけではなく「雑多な情報で思いつき的」なものです。 ただ、「ダブル」も「組織」とか「集団」と考えられないこともないですから、そんな視点からも考えてみました。 (「組織」とか「集団」の思考とエラーに関しては芳賀繁先生の「ミスをしない人間はいない」「失敗のメカニズム」を参考にしました) 個人的にはこんな風に考えています。(レジメ的に) 「1/100×1/100=1/10000」にならない理由を考える 1)はじめの項はおいておいて 2)本当に「×」の関係なのかどうか? 二人は並列の関係か直列の関係か? 組織全体の雰囲気:口を出しやすいか(心の中に浮かんだ疑いを自分自身で打ち消していないか?)、何気なく注意することができるか? 業務の区分けとオーバーラップの兼ね合い、仕事の全体像の理解 3)本当に「1/100」なのかどうか? 「集団的手抜き」 「集団思考」 追認 :「一度決まった事だから」「もうここまで終わったのだからいまさら・・」 遠慮 :「あのひとがやった事だから」「先輩がやった事だから」 手抜き 「一度チェックしているのだから大丈夫だろう」「先輩がチェックしたのだから」 仕事の全体像の理解がされているか? *それでも「チェック」しなければならないなら、HPの記事に加えて。 「(すこしでも)違う眼」:環境・状況を同じくする人のダブルチェックの精度は下がる「時間差をおく」:時間差があれば「いっしょにダブルチェック」するよりいいかもしれない。 *何か人間工学的チェックは出来ないか? エラープルーフのしくみを組み込めないか?(正しくなければ進まない仕組み?) 最後の段階をチェックする管理的仕組みをくみこめないか? 忘れていても気が付く仕組みを組み込めないか? 私達の病院でも「ダブルチェック」は看護部では「一応」行う事になってます、 が横から見ていると「ダブルチェックが目的」になってしまっているようです。 山内先生の言う「内容的ダブルチェック」には「程遠い?」ですね。 薬剤部の「ダブルチェック」は「事故問題」以前から実施されていて何とか 「部内」でのエラーの発見・修正がうまく機能しているようです(ゼロではありません)。 これは上に述べた「時間差」と「別の眼」が機能していることと(看護婦と違って)「仕事に比較的集中できる」ことが原因かもしれません。 一番うまくいってないのが「病院の管理部門」かもしれません。 その典型が廻ってくる「稟議書」の(○○部長ー××副院長ー△△副院長ー院長ー理事長などという)ハンコの押す箇所の並んだ書類ですね。 ダブル、トリプルどころか・・・(それより多い数はなんていうんだったっけ)。 まあ、まわってきたら仕方なく判は押すけど本当は、誰が責任もって見てるんだろう?と思ってしまいますね。 あっ、まずい。こんな事書いてしまって。これはあくまでも「例え」ですよ。 (4月ですから新人には「ダブルチェック」よりも)「知らない事は知らない、出来ない事は出来ない、という躾」 (ヒューマンエラー小松原明哲)が大事ですね。
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