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たくさんの情報やタイムプレッシャーのなかで強いられる「省エネ判断」「偏った判断」をさらに歪めてしまう要因に「個人的な感情」があります。 嫌いな奴から忠告されたって聞きたくないですよね。僕の場合、まず否定したくなります(以外と自分もそう思われているかも知れません。まずいですね)。 ところが「あいつは嫌いだ!」といった個人的感情がとっさの判断や行動に影響しているとしたら・・・。
「感情」が全てを支配している? 個人的感情に限らず「感情」は人間の認知プロセスの中で主に「注意資源」に影響するようです。 「注意資源」は人間の認知プロセスで「入力」(知覚)、」「判断」、「出力」の全てのプロセスにかかわっており、 「短期記憶」「長期記憶」とのやりとりにも関与しているようです。[2] 「現在(いま)の自分」を観る 「個人的な感情や好き嫌いなど超越して公平無私にものを考えるべきである」などといっているのではありません。 個人的感情があなたの判断にいつも影響を与えていることを知りなさい、 いまのあなたの判断(何もしないことも)や発言(黙っていることも)は個人的な感情や好き嫌いに影響されていないかを意識しなさい、 ということでしょうか。「セルフモニター」のひとつなのでしょうがむずかしいですね。 この連載の「コンフリクト」「危険な態度」や「I'm safe?」「グループダイナミックス」にも通じることかもしれません。 CRMを学んだときの「意見の対立を感情的対立へ結び付けない」という原則を覚えていますか? ヒューマンファクターズの本質は「誰が正しいのか、ではなく、何が正しいのか?」 「誰がわるいのか?ではなく、誰が事故を防ぐことができるのか?」と考えることでした。 この原則に常に戻ること、そして「自分がどう振る舞うことが"CRMを発揮する"ことになるのか?」といつも考えることで 「普通であれば起こさないはずの事故」を回避することが出来るかも知れません。 またまた結論の見えない話になってしまいましたが、いかがでしたでしょうか?この連載にご意見、ご批判、ご教示をお願いいたします。 また、「こんな事なら、俺(私)のほうが」と思われたかたはリレー連載をお願いいたします。 [1]9月の講演に対するアンケートのご意見にありましたが 「コミュニケーションを業務として考える」と言うスタンスが 「感情」によるコミュニケーションのゆがみ・エラーを修正する突破口になりそうなのですが・・・ [2]感情と人間の認知プロセスについてはまた別の機会とします。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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