1504019 <宇宙線> 金正日打倒に取りかかろう 米国の軍事行動によつて、フセイン政権が崩壊した。これを歓喜する イラク国民の姿を見た平和主義者はどう思つただらうか。必ずしも戦争 が平和に反するとは限らない、といふことを知つた筈だ。 米英のイラク攻撃は国連を無視した、との批判があつたが、これは全 く当たらない。抑も、国連決議を踏み躙つたのは査察に協力しないイラク だ。安保理常任理事国としての責務を果たしたのは米英で、果たさなかつ たのは中露仏3国だつた。 「イラクの次」は金正日政権の打倒が急がれる。 北朝鮮の核拡散防止条約脱退は4月10日、事実上、発効した。その 期限を前にして、国連安保理は北を非難する決議乃至議長声明を発表する 予定だつた。しかし、ここでも中露2国が反対したために見送られた。 北は、国連決議が次々と採決されると、イラクの二の舞となり、最後は 大量破壊兵器の放棄か米軍の進攻を招くと読んでゐるのか、中露に北の 問題について、国連の場に持ち出さないやう懇請したと考へられる。 中露両国も“暴れん坊”の「北」といふカードを握り、米国や国連に対 して発言力を増すといふ思惑もある。更に「北」を自分らの仔分として 温存したいと狙つてゐるに違ひない。 先制攻撃を持論とする米ネオコンサバティブの代表格であるチェイニー 副大統領は、10日、韓国国会議長に、韓国提示の北の核問題解決策を、 “甘い”とみて一蹴した。その際、副大統領は 「北は核を凍結でなく放棄すべき。放棄してもそれについて反対給付は しない」 と言明した。 チェイニー氏は前日、全米新聞編集長協会の会合でも 「無法国家やテロリストへの攻撃は、米国の安全保障政策の基本であり、 今後も実施する」 と述べ、北朝鮮攻撃を視野に入れた。 アーミテージ国務副長官も2月26日、 「日本に対する攻撃は、米国に対する攻撃と見做す」 と語り、日米安保条約の励行を約した。 一方、北朝鮮はイラク敗戦の教訓から 「強大な軍事的抑止力が不可欠」 と表明してゐることからみると、間もなく核爆弾の原料、プルトニウム 抽出のための使用済み核燃料再処理の実行や、弾道ミサイルの発射実験を 進めよう。 さうなると、国連は制裁決議を提起することにならうが、中露は拒否権 を行使するのは確実だ。その時になつて、我が国民は国連の無力に改めて 気がつくのだ。 国連といふ“土俵”は核保有5大国が、それぞれ国益を主張する場であ つて、我国はその発言権を実質持つてゐない。国連設立からこれ迄、大国
は253回も拒否権を行使したといふ事実を知るべきだ。最早、国連に頼 るよりも、米国の日米安保履行に俟つほかない。 山田惠久 (平成15年4月25日号)
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