| 処刑館殺人事件 ☆ | 早川書房 |
| かつてミステリー作家を目指し、養成講座で一緒だった6人が当時の講師・宇宿部彬に呼び出され、群馬の山奥にある講師の別荘へとやってくる。ところが、突然、館の中に処刑人を名乗る者の「罪人たちに告げる。処刑執行の時間が近づいた」という声が響き、彼らのうちの一人が殺害されてしまう。更に、別荘と外界を繋ぐ跳ね橋が上げられ、彼らは別荘に閉じ込められる。そのとき、車のクラクションで窓から外を見た彼らは、跳ね橋の向こう側に宇宿部がいるのに気づく。彼らは、黒衣の処刑人が入ってこられぬようバリケードを築き部屋に閉じこもるが、やがて、一人また一人と、自分の作品中に書いた方法に見立てて殺害されていく。 舞台はクローズドサークルの館。館には古今東西の処刑道具が収集されている。そこに集められたのはミステリー作家たち。行われるのはミステリー作家たちの著作の殺害方法での見立て殺人。という本格ミステリーファンには嬉しいコテコテの本格ミステリーの設定です。ただし、クローズドサークルものだと、この中の誰が殺人者かという謎解きがあるのですが、この作品では、黒衣の処刑人という人物がおり、登場人物たちにしてみれば彼に殺害されないように身を守るというミステリーというよりサスペンスという形になっています。 果たして黒衣の処刑人とは誰なのか。誰が館から脱出することができるのか。時々挿入される元トラック運転手の独白はこの物語にどう関わってくるのか。ミステリーにはよく使われるあるトリックがメインのトリックとしてこの作品でも使われます。あのトリックが使われていそうだなと思ったのですが、作者のミスリードもあり、見事にうっちゃられました。 謎解きはある人物によって行われますが(ネタバレになるので伏せます。)、これがまた予想外の人物です。 |
|
| リストへ | |