思い出のシネマ

バック・トゥー・ザ・フーチャー
監督 ロバート・ゼメキス
出演 マイケル・J・フォックス  クリストファー・ロイド
 タイムトラベルもの。ひょんなことから両親の高校時代へとタイムトラベルしてしまった主人公が父と母を結び付けようと奮闘する。せっかく女の子と見に行ったが、後ろにいたカップルがうるさく、すでに1度見ているという男が女の子に「このあとこうなるんだ」とか話していて、全く映画に集中できなかった。映画を見ながら先の場面を話すおとこもバカだが、それをうれしそうに「そうなんだ」と言っている女はもっとバカだ。映画を見に行ってこんなに腹立たしく思ったことはないということで印象に残った映画である。結局その後再度ゆっくり見に行ったが、タイムパラドックスのことも考えられていて、なかなか楽しめた。
パルプ・フィクション
監督 クエンティン・タランティーノ
出演 ジョン・トラボルタ  ブルース・ウィリス  サミュエル・L・ジャクソン
    ユマ・サーマン  ハーヴェイ・カイテル  クリストファー・ウォーケン  ティム・ロス
 1994年カンヌ国際映画祭でパルムドール賞に輝いた作品です。
 強盗の計画を立てているカップルを導入部に、盗られたトランクを取り戻そうとする二人組の殺し屋のビンセントとジュールス。ボスの情婦と一晩のデートをするハメになるビンセント。ボクシングの八百長試合の約束を破り命を狙われるボクサーのブッチ。血塗れになった車の処理に右往左往するビンセントとジュールス。いくつものエピソードが時間の空間の中で交錯し、最後に収斂していくのは見事です。暴力描写は僕としてはあまりいただけませんが、セリフの数々はなかなか面白いです(DVDの吹き替えで見ました)。ブルース・ウィルスを始めとするキャストはこんな映画に出るのかというような人も出ていて、とても魅力があります(クリストファー・ウォーケンなんて、こんなギャング映画に出演するような俳優ではないと思いますが)。また、ジョン・トラボルタはちょっと太って出演していますが、ツイストを踊るシーンは、さすが様になっていますね。
ヒドゥン
監督 ジャック・ショルダー
出演 カイル・マクラクラン  マイケル・ヌーリー
 1988年アボリアッツファンタスティック国際映画祭グランプリ受賞作品
 場所はロサンゼルス、ごく普通の人々が突然狂気に満ちた人間と化し、壮絶な事件を引き起こす。事件を追うロス市警刑事の前にFBI捜査官が現れ、二人は犯人を追う。犯人、実は人間に乗り移ったエイリアンは次々と人間の体を乗り移りながら逃げていく。この作品も映画館で見ずに、友人からおもしろいという評判を聞いてビデオで見た作品である。FBI捜査官を演じるカイル・マクラクランが、非常に役にはまっている。ある理由で酒も知らず、生真面目というところがぴったりである。最後はちょっと泣かされる。 
ビッグ・ウェンズデー
監督 ジョン・ミリアス
出演 ジャン・マイケル・ビンセント ウィリアム・カット ゲーリー・ビジー
 ベトナム戦争時代のアメリカの若者の青春を描いた作品。サーファーに興じている3人の若者にも時代の荒波は襲いかかり、ベトナム戦争への徴兵検査のときがやってくる。なんとかして徴兵を免れようとする主人公マットたち。しかし、優等生のジャックは堂々と徴兵検査を受けベトナムへと旅立っていく。友人の死、恋人との別れなど青春映画の定番が描かれていく。最後に戦争から戻ったジャックを加え、3人がビッグウェンズデーに立ち向かっていくところが、青春時代に別れを告げているようでたまらなくいいシーンである。ビッグウェンズデーとは、水曜日にやってくるという伝説の大波のこと。
ビバリーヒルズ・コップ
監督 マーチン・ブレスト
出演 エディー・マーフィー  リサ・アイルバッカー  ジャッジ・ラインホールド
 幼馴染を殺されたデトロイト市警のアクセル刑事は、上司の反対を押し切り、事件を解決すべくビバリーヒルズへとやってくる。ビバリーヒルズ警察にやっかいもの扱いされながらも、捜査を進めるうちにビバリーヒルズ警察の刑事とも友情が芽生えてくるようになる。
 大逆転と並ぶエディー・マーフィーの代表作といっていいだろう。まさしく口から生まれたという形容詞がぴったりの口八丁のマシンガントークが見事である。彼とビバリーヒルズ警察の二人の刑事との絡み合いもおもしろい。また、「愛と青春の旅だち」で紅一点の士官候補生を演じたリサ・アイルバッカーがアクセルの幼なじみを演じているが、とても美しかった。
 この映画は当時同じ職場にいた映画好きの女の子からおもしろかったよと言われて、見に行ったのだが、すっかりエディー・マーフィーにはまってしまい、映画を2度見たほか、レーザーディスクまで購入してしまった。音楽も乗りがよく、サントラ盤のLP(LPですよ!)を買ってしまったくらいである。アクセル・フォーリーのテーマなどつい最近まで携帯の着メロにしていた。シリーズ化されたが、残念なことに第1作目に比べるとその後はいまひとつ。 
HERO
監督  チャン・イーモウ
出演  ジェット・リー  トニー・レオン  マギー・チャン  チャン・ツィイー
     ドニー・イエン
 舞台は中国、時は春秋戦国時代。後に秦の始皇帝となる秦王の前に一人の男が連れられてくる。その名を無名という。刺客を恐れて自分の前百歩以内に人を近づけない秦王に対し、無名は秦王を狙う刺客の一人長空を倒した話をし、褒賞として秦王の前20歩まで進むことを許される。さらに、無名は残剣と飛雪の二人の刺客をも倒したことを話し、秦王の前10歩まで進むことを許される。しかし、その話から秦王は無名が嘘をついていることを見破る。それから無名が話し始めたことは・・・
 とにかく、ワイヤーアクションが素晴らしいことは言うまでもないですが、それより映像美の印象の方が僕としては強いです。雨の中、無名と長空が戦うシーン、飛雪と如月が落ち葉舞う中で戦うシーン、湖の上で無名と残剣が戦うシーン等々。また、ワダエミの衣装も素晴らしいです。赤、青、白、緑、黒と無名の話によって登場人物の纏う衣装の色が変わっていくのはおもしろいですね。
 通常暴君として描かれる秦王が、実は深い悩みを持つ王として描かれており、それゆえ未見の人には言えないが、最後の場面の決断が深い意味を持ってきています。
 女優では若い頃ジャッキー・チェンの映画でおきゃんな女の子を演じていたマギー・チェンがすっかり大人の女の雰囲気を醸し出しています。僕の趣味で言えば、ひたすら残剣への思いを心に秘めた侍女を演じる如月がかわいくていいですね。
 とにかく、1時間30分程度の短い上映時間の映画だが、アクションあり、衣装あり、そしてもちろんストーリーも見所たっぷりある、おもしろい映画でした。
フィールド・オブ・ドリームス
監督 フィル・アルデン・ロビンソン
出演 ケビン・コスナー  バート・ランカスター  エイミー・マディガン  レイ・リオッタ
    ジェームズ・アール・ジョーンズ
 (ネタばれ注意) 
 W・P・キンセラの『シューレス・ジョー』を原作とした映画。
 ある日「それを作れば彼が来る」という"声"を聞いた主人公が、とうもろこし畑を潰して野球場を造り始める。信念に従って行動する主人公と彼を暖かく見守る家族。信じる事の尊さ、愛する人を思う事の素晴らしさをファンタジーの姿を借りて語りかける作品。
 いったい、やってくるのは誰と思っていたら、なんと八百長で野球界から追放されたシューレス・ジョーたちがトウモロコシ畑から現れた。そして、最後に現れてきたのは・・・。
 若き姿の父とキャッチボールをするところなど見ると、思わず涙腺が弛んできたが、でも、これは結局何なのだろう。そして、なぜラストでトウモロコシ畑の球場に続く道に車が連なるのだろう?単に生き返ったシューレス・ジョーを見たいだけの野次馬?なんてことは考えずに素直に見て感動する映画である。とにかく、こういうファンタジー映画は大好きである。
 「ストリート・オブ・ファイアー」で女戦士マッコイを演じたエイミー・マディガンが今回は夫を信じる優しい妻を演じている。
フェノミナン
監督  ジョン・タートループ
出演  ジョン・トラボルタ  キーラ・セジウィック  フォレスト・ウィテカー
     ロバート・デュバル  デヴィッド・ギャラガー
 37歳の誕生日に不思議な光を浴びたことにより天才になってしまった主人公ジョージ。彼は獲得した能力を周りの人のために使おうとするが、逆に白い目で見られてしまう。
 主人公を演じるジョン・トラボルタが、こういうファンタジーの主人公として似合わない顔だと思ったのですが、意外といい味出しています。最初はみんなが重宝して持ち上げるのですが、ひょんなことから気味悪がって避けるようになるなんて、よくある話ですよね。ティム・バートン監督の「シザー・ハンズ」も同じでしたね。人間て、自分とは違うものを持っている人を妬む、そして異質のものを自分たちの集団からはじきだそうとしますよね。終わりの方では不覚にも涙がこぼれてしまいましたが、最後のシーンには希望を見いだすことができてホッとしました。 
 エリック・クラプトンの主題歌が心に染み入ります。
ボディガード
監督 ミック・ジャクソン
出演 ケビン・コスナー  ホイットニー・ヒューストン
 主人公は大統領も護衛するほどの実力を持ったボディガードのフランク・ファーマー。ある時彼はスーパースターのレイチェルの護衛を依頼される。守る男と守られる女がしだいに愛し合いながらも、立場の違いと互いのプロ意識の中で素直に結ばれようとしない。そうした中、やがて彼女に迫る危機・・・
 主人公のボディガードを演ずるケヴィン・コスナーがかっこいい。笑顔も見せず、感情を押し殺した表情でボディガード役を演ずる。まあ、最後にはレイチェルを愛してしまったゆえに嫉妬をするという人間臭さも出してしまうのだが。とにかく、ケヴィン・コスナーの魅力が十分に出た映画である。妻はこの映画ですっかりケヴィン・コスナーのファンになってしまった。
 この映画の魅力はもう一つ。レイチェルを演じたホイットニー・ヒューストンの歌う主題歌にもある。最後のシーンに流れる歌は素晴らしい。
 蛇足を一つ。映画の中で二人が映画を見に行くが、その映画は黒澤明監督のなんと「用心棒」である。 
ポセイドン・アドベンチャー
監督 ロナルド・ニーム 
出演 ジーン・ハックマン  アーネスト・ボーグナイン
 その後のパニック映画ブームの火付け役となった記念碑的作品である。
 豪華客船ポセイドン号が地震による大津波により転覆し、生き残った人による決死の脱出行が展開される。転覆により上下が逆になり、特にトイレの便器が逆になっているシーンは印象的。生き残った人々を率いるジーン・ハックマン演じる神父(牧師か?)がいい。ただ神に祈るだけでなく、自分でつかんでいかなければいけないと説くところが、若き頃の僕自身の考えと同じで共感した。
炎のランナー
監督 ヒュー・ハドソン
出演 ベン・クロス  イアン・チャールストン
 1981年アカデミー作品賞受賞作
 1924年オリンピック・パリ大会で金メダルを獲得した二人のイギリス青年を描いた感動のドラマである。一人はユダヤ人の血を引いているため、いわれなき差別を受け、それと戦うために金メダルを目指したハロルド・エイブラハム。一人は宣教師の家に生まれたエリック・リデル。彼は信仰のために走った。映画は周囲の思惑や雑音をはねのけて金メダルを獲得していくまでのふたりの純粋な若者の姿は美しい。ヴァンゲリス作曲の炎のランナーもすばらしい。