思い出のシネマ

なごり雪
監督  大林宣彦
出演  三浦友和  ベンガル  須藤温子  宝生舞
     細山田隆人  反田孝幸  長澤まさみ
 妻子に去られた主人公梶村勇作は、古い友人水田からの電話を受け、28年ぶりに故郷九州の臼杵に帰郷する。そこで、梶村は、今は水田の妻となった、かつて思いを寄せられていた雪子が交通事故で意識不明の重態であることを知る。
 物語は50歳になって28年ぶりに故郷に帰った主人公の現在と回想シーンを交互に描きながら進んでいきます。回想シーンの舞台となるのは昭和40年代の中頃の臼杵。主人公に幼い恋心を抱く雪子、雪子を想う水田、そしてやがて故郷から出て行き、刺激的な東京での学生生活を楽しみ故郷から離れていく勇作、三人それぞれの揺れ動く想いが切なく描かれていきます。
 伊勢正三作詞・作曲の名曲「なごり雪」をモチーフに大林宣彦彦監督が作った悲しいラブ・ストーリーです。この曲は、僕の青春時代の歌です。大学生の時、すでに解散してしまった「かぐや姫」のLP(当時はまだCDなどなかったのです)を買って、よく聞きました。多くの人はイルカが歌う「なごり雪」ということで、知っているのでしょうが、僕にとっては、「なごり雪」はかぐや姫、伊勢正三が歌う「なごり雪」でなくては駄目なのです。
 「なごり雪」の歌詞を大事に思う人にとっては、この映画は違うと批判する人も多いようです。確かに、僕が抱くイメージもこの映画と異なります。しかし、この映画は、あの歌から思い描くイメージの1つと考えればいいのではないでしょうか。
ちなみに、この物語の中で勇作と水田から雪子の誕生日に贈られる花が「なごり雪」という花でした。
ニュー・シネマ・パラダイス
監督 ジュゼッペ・トルナトーレ
出演 フィリップ・ノワレ
 戦後間もないシチリアの小さな村の映画館を舞台に、主人公の少年トトと映写技師アルフレード
との間に芽生えていく友情を中心に、トトの初恋と失恋等少年時代の思い出がノスタルジックかつユーモラスに描かれていく。アルフレードに勧められ故郷のシチリアを離れて30年、アルフレードの葬儀にシチリアへ戻った主人公は形見のフィルム缶を手にローマに戻る。ラスト、試写室で映写されるフィルムは・・・・・。このラストには思わず涙してしまう。僕のマイ・ベスト・シネマにもランクインするほどの感動作である。トトを演じる子供がまたうますぎるよ。エンリオ・モリコーネの音楽もまた、この映画の感動を盛り上げてくれる。映画への思い、映画館への思いが溢れる作品である。