2022映画マイ・ベスト10

順位 映画名 監督
トップガン マーヴェリック ジョセフ・コシンスキー
THE BATMAN ザ・バットマン マット・リーヴス
スパイダーマン ノー・ウェイ・ホー ジョン・ワッツ
キングダム2 遥かなる大地へ 佐藤信介
ベルファスト ケナス・ブラナー
アイ・アム・まきもと 水田伸生
マイ・ブロークン・マリコ タナダユキ
沈黙のパレード 西谷弘
アムステルダム デビッド・O・ラッセル
10 MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない 竹林亮
 今年観た映画は45本、昨年と同じ本数です。心残りは「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」がまだ観ることができていないことでしょうか。一昨年のコロナが始まった年には18本でしたから、ようやく増えてきたという感じです。とはいえ、まだまだコロナ前のようには行きません。来年は50本以上を目標です。
 第1位は、今年はこれを忘れてならない一作、トム・クルーズ主演の「トップガン」の続編、「トップガン マーヴェリック」です。今回トム・クルーズ演じるマーヴェリックは伝説の教官として若いパイロットを厳しく指導する立場に回ります。冒頭、戦闘機が発進する際に流れる音楽と、マーヴェリックがオートバイで疾走するシーンは変わりません。ライヴァルだったアイスマンを演じたヴァル・キルマーが映画同様病気と闘いながら出演しているシーンに感動です。
 第2位は「」です。バットマンシリーズとしては、マイケル・キートンやクリスチャン・ベール、ベン・アフレックらがバットマンを演じていますが、今回バットマン役をロバート・パティントンが演じます。バットマン映画と言えば、総じて暗い雰囲気の映画となっていますが、この作品はこれまでの作品以上に雰囲気は暗いです。正義の使者というより復讐者というイメージが先行しているせいでしょうか。今回、ゾーイ・クラヴィッツが演じるキャットウーマンが登場しますが、個人的にはキャット・ウーマン女優の中では彼女が一番。ラスト、オートバイで走るバットマンとキャットウーマンが右と左に分かれていくシーンが印象的です。
 第3位は「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」です。これは非常に贅沢な作品です。これまでのスパイダーマンの敵が続々登場、更には驚くことにこれまでスパイダーマンを演じてきたトビー・マグワイアとアンドリュー・ガーフィールドも登場するのですから、ファンとしてはゾクゾクします。ただ、ラストはあまりに悲しいです。今後のスパイダーマンはどうなるのか、気になります。
 第4位は「キングダム2 遥かなる大地へ」です。シリーズ第2弾ですが、今回は秦王になったえい政のもと信が戦地で戦う姿を描きます。エンターテイメントに徹しているので観ていて爽快です。今回、初登場となった清野菜名さん演じる羌かいがカッコいいのなんのって。観ていてほれぼれします。相変わらず王騎を演じる大沢たかおさんのキャラは強烈です。
 第5位は「ベルファスト」です。この作品は俳優でもあるケネス・ブラナー監督の自伝的作品です。北アイルランド紛争が始まり、それに翻弄される少年とその家族の姿を少年の目を通してモノクロで描いていきます。自分たちとは異なる考えを受け入れる柔軟性のない宗教の恐ろしさを感じてしまいます。
 第6位は「アイ・アム・まきもと」です。阿部サダヲさん主演の映画「死刑にいたる病」と「アイ・アム・まきもと」の2作が公開されましたが、どちらも演じるキャラが一方は猟奇殺人犯、一方は生真面目で空気の読めない男と、一筋縄ではいかないキャラでしたが、芸達者な阿部さんですから両方とも見事に演じています。ただ、猟奇殺人犯はこれまでの阿部さんらしいと思うので2作品の中では「アイ・アム・まきもと」を選択です。
 第7位は「マイ・ブロークン・マリコ」です。「マイ・ブロークン・マリコ」は幼い頃から父親のDVを受け、自殺をした幼馴染の骨壺を奪って逃げる若い女性を描くロード・ムービーですが、主役の永野芽郁さんの演じるシイノトモヨははすっぱな言葉づかいで一人で居酒屋で酒を飲むという、これまでの彼女の「かわいい」「まじめ」といった印象をすっかり変えた作品です。この作品を観て個人的にこれまでの永野芽郁さんに対する評価が変わりました。
 第8位は「沈黙のパレード」です。東野圭吾さんのガリレオシリーズの映画化です。前作「真夏の方程式」から9年ぶりですが、ファンとしては内海薫刑事を演じる柴咲コウさんの再登場に拍手です。原作でもそれまでの湯川と異なって一人で居酒屋に飲みに行く湯川の新たな一面が見られるだけでなく、原作の描く事件の真相の悲しさを損なわれることなく描かれています。
 第9位は「アムステルダム」です。財界の大物たちがナチスに傾倒し、大衆に人気のあった将軍、映画ではロバート・デ・ニーロが演じたギル・ディレンベック将軍を押し立ててクーデターを起こそうとしたという実話に基づいた映画ですが、「マシニスト」で極限までの減量に挑んだクリスチャン・ベールが、今回は戦争中の砲弾により右目を失い、背中は砲弾の破片が刺さった傷跡でいっぱい、更にその傷のため猫背でコルセットをしなくては歩けないという役を演じます。相変わらず一筋縄ではいかない俳優さんですね。
 第10位は「MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」です。これはお金をかけなくてもアイデア勝負で面白い作品が作れることを証明した作品です。有名俳優はマキタスポーツさんのみ。あとは失礼ながら無名の俳優さんを使ってタイムループをどうにか止めようと奮闘する広告会社の社員たちを描きます。タイムループをしていることを会社組織の下から上に順番にわからせていくことが、日本社会らしい。