2019映画マイ・ベスト10

順位 映画名 監督
 洋画  
ジョーカー トッド・フィリップス
ロケットマン デクスター・フレッチャー
グリーン・ブック ピーター・ファレリー
アベンジャーズ エンドゲーム  アンソニー・ルッソ  ジョー・ルッソ
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド クエンティン・タランティーノ
女王陛下のお気に入り ヨルゴス・ランティモス
ギルティ グスタフ・モーラー
ゴジラ キング・オブ・モンスターズ マイケル・ドハティ
運び屋 クリント・イーストウッド
10 ドクター・スリープ  マイク・フラナガン
番外 スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け J・J・エイブラムス
邦画
新聞記者 藤井道人
記憶にございません 三谷幸喜
閉鎖病棟 平山秀幸
さよならくちびる 塩田明彦
七つの会議 福澤克雄
 番外 男はつらいよ お帰り 寅さん  山田洋次 
 今年観た映画は73本。昨年より14本の揩ナす。
洋画
 洋画部門では、今年は、やはり何と言っても第1位は「ジョーカー」でしょう。かつて「ダークナイト」でジョーカー役を演じたヒース・レジャーの演技が絶賛されましたが、今作でジョーカーを演じたホアキン・フェニックスもヒース・レジャーに負けていません。「マシニスト」のクリスチャン・ベイルのように体重をかなり減少させての演技は“怪演”という言葉がぴったりです。アカデミー賞主演男優賞最有力です。
 第2位は、「ロケットマン」です。昨年はクイーンのフレディ・マーキュリーを描いた「ボヘミアン・ラプソディ」が大ヒットをしましたが、今年はエルトン・ジョンを描いたこの作品です。二人に共通なのはゲイで薬におぼれたことですね。エルトン・ジョンを演じたタロン・エガートンですが、見た目はあまり似ていませんが、歌声は素晴らしいです。個人的にはクイーン以上にエルトン・ジョンの曲は知りませんでしたが、そんなことに関係なく映画は堪能しました。
 第3位は、今年2月のアカデミー賞作品賞を受賞した「グリーン・ブック」です。人種差別が激しい時代に南部を回って演奏活動を行った黒人ピアニストのドン“ドクター”シャーリーとその運転手のトニー・ヴァレロンガが衝突しながらもやがて理解し合っていく様子を描いていきます。ラストシーンがグッときます。
 第4位は、「アベンジャーズ エンドゲーム」です。シリーズ最終章。前作「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」のラストでサノスの指パッチンで地球の人口の半分(もちろんアベンジャーズの仲間たちも)が消滅してしまう中、残った者たちがサノスに立ち向かいます。感動のフィナーレです。
 第5位は、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」です。クエンティン・タランティーノ監督がレオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットという大物俳優を使って、実際に起こったシャロン・テート事件をモデルに描くという話題性抜群の映画でしたが、話題性だけでなく、二人の演技も素晴らしかったし、ストーリーも捻りがあって面白かったです。ラストはタランティーノ監督にうまくやられました。
 第6位は、「女王陛下のお気に入り」です。この作品の見どころは、イングランドのアン女王の幼い頃からの友人サラを演じたレイチェル・ワイズとサラを蹴落とそうとするアビゲイルを演じたエマ・ストーンの演技ですね。アカデミー主演女優賞をアン女王役のオリヴィア・コールマンが受賞しましたが、この二人でもよかったくらいです。
 第7位は、ミニシアター系から「ギルティ」を。普通は観ることのないデンマーク映画ですが、ネットでの高評価に観に行ってきました。舞台はほとんどが警察署の緊急通報指令室の中だけ。物語はそこに勤務する警察官と電話の相手との会話で進んでいきます。緊迫感溢れた中で最後のどんでん返しが見事です。
 第8位は、「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」です。子どもの頃に怪獣映画に夢中になった者としては、アメリカ版の怪獣の造型が元々の日本のものとは違うにしても、ランクインさせないわけにはいきません。それにしても、モスラ、怖すぎです。
 第9位は、クリント・イーストウッドの「運び屋」です。御年87歳ですが、演じたのは高齢の麻薬の運び屋です。ダーティー・ハリーのような格好良さはありません。いくらか背も丸まった気がします。でも、演技は渋いですねえ。そろそろ、これが最後の作品でしょうか。
 第10位は、「ドクター・スリープ」です。あのスティーブン・キング原作、スタンリー・キューブリック監督、ジャック・ニコルソン主演の「シャイニング」の続編です。ホラー感の強かった「シャイニング」に対して、超能力者同士の戦いなど今回はちょっと雰囲気が異なります。キューブリック作品よりわかりやすく、素直に楽しめる作品です。敵役を演じるレベッカ・ファーガソンが綺麗です。
 そして、番外として何といってもスターウォーズシリーズ最終章「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」です。ランクとは関係なく、この作品を挙げないわけにはいきません。1977年に最初の「スター・ウォーズ」(今では、「エピソード4 新たなる希望」という副題がついていますが)が公開されてから42年。様々な評価はありますが、シリーズ全9作の完結編です。

邦画
 邦画部門では、第1位は、ダントツで「新聞記者」です。政権に対してマスコミはどうあるべきかを問う作品です。硬派な内容ながら、口コミで観客を集めましたねえ。映画館ではパンフレットが売り切れになってしまうなど予想外のヒットです。その後、この映画の原案者としても話題を集めた東京新聞社会部記者・望月衣塑子さんを追ったドキュメンタリーも製作されました。
 第2位は、「新聞記者」とは真反対のとにかく笑ってくださいという三谷幸喜さんの「記憶にございません」です。題名の「記憶にございません」は、政治家が不正を追及された時によく使う言葉ですが、この映画は史上最低の支持率の内閣総理大臣が石をぶつけられて記憶を失ってしまうドタバタを描きます。とにかく、総理を演じた中井貴一さんの演技が見事です。2時間笑ってストレス発散にもってこいの映画です。
 第3位は、笑福亭鶴瓶さん主演の「閉鎖病棟」です。妻とその浮気相手を殺害して死刑となったものの、死刑執行が不首尾で生き残り精神病院をたらい回しにされている男を鶴瓶さんが演じます。いつもの笑いを封印した演技に拍手です。
 第4位は、「さよならくちびる」です。仲違いして解散することとなったハルとレオのデュオの解散前の最後のツアーを描きます。ハルを演じた門脇麦さんは「ナミヤ雑貨店の奇蹟」でも歌声を披露していましたが、ハル役を演じた小松菜奈さんの歌声は初めてです。この小松菜奈さんの魅力が出ている作品です。
 第5位は、池井戸潤さん原作の「七つの会議」です。会議の時には居眠りをしてばかりで周りから“居眠り八角”と呼ばれる営業一課の万年係長、八角を演じた野村萬斎さんのあの低音が強烈な印象を残します。
 そして、こちらの番外は、年末に公開された寅さん映画公開50周年記念作品「男はつらいよ お帰り 寅さん」です。渥美清さんは既に亡くなられているので、この映画の主人公は甥っ子の満男ですが、みんなの回想の中に出てくる寅さんに映画館内は笑いに包まれます。正月はやっぱり、寅さんですねえ。