2017映画マイ・ベスト10

順位 映画名 監督
 邦画    
湯を沸かすほどの熱い愛  中野量太 
君の膵臓を食べたい  月川翔 
探偵はBARにいる3  吉田照幸 
ちょっと今から仕事やめてくる  成島出 
家族はつらいよ2  山田洋次 
     
洋画     
ローガン ジェームズ・マンゴールド
ワンダーウーマン パティ・ジェンキンス
スター・ウォーズ 最後のジェダイ ライアン・ジョンソン
ラ・ラ・ランド デイミアン・チャゼル
美女と野獣 ビル・コンドン
新感染 ヨン・サンホ
ザ・コンサルタント ギャビン・オコナー
IT アンディ・ムスキエティ
ダンケルク クリストファー・ノーラン
10 ハクソー・リッジ メル・ギブソン
 10 ブレードランナー 2049  ドゥニ・ヴィルヌーヴ 
邦画
 今年観た映画は「アズミ・ハルコは行方不明」から「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」まで55本。本と同様12本の減となりました。
 まずは邦画から。全部で17本を観ましたが、その中からは、宮沢りえさん主演の「湯を沸かすほどの熱い愛」、原作がその題名のユニークさとその内容のギャップで話題となった「君の膵臓を食べたい」、大泉洋さん、松田龍平さん主演の「探偵はBARにいる3」、山田洋次監督の「家族はつらいよ2」、そして「ちょっと今から仕事やめてくる」の5作です。
 「湯を沸かすほど〜」は、何といっても宮沢りえさんの熱演です。余命幾ばくもない母の残された日々を家族のために使おうとする愛の強さに泣かされます。娘役を演じる杉咲花さんもうまい!
 「君の膵臓を〜」は、これまた病気で余命幾ばくもない女子高校生の話です。死を目前にして本当は辛いのに“僕”に向ける桜良の笑顔に何とも言えず心を揺さぶられます。桜良を演じる浜辺美波さんが、かわいいですね。
 「探偵はBAR〜」は、おなじみススキノ探偵シリーズ第3弾です。相変わらずとぼけた味の大泉さん演じる“俺”と無口だけど腕っ節は強い松田龍平さん演じる高田のコンビが最高です。
 「家族はつらいよ2」は橋爪功さん演じる平田周三を家長とする平田家のドタバタを描くシリーズ第2弾です。テーマは“無縁社会”ですが、テーマの深刻さとは別に今回も大いに笑わせてくれます。
 「ちょっと今から〜」は、北川恵海さん原作の同名小説の映画化です。電通のようなブラック企業が話題となっている中、会社人間にとってはちょっと切実なストーリーです。吉田鋼太郎さん演じる部長のパワハラは凄かったですねえ。あれでは、本当に精神的に弱い人なら駅で・・・と考えかねません。

洋画
 洋画は38本。今年は「エイリアン」、「ブレードランナー」の続編、特に35年ぶりの続編となった「ブレードランナー 2049」には大いに期待したのですが、期待ほどではなかったというのが正直な感想です。それにしても、ハリソン・フォードは「スター・ウォーズ」、「ブレードランナー」と、歳を取っても頑張ります。
 さて、ベスト10ですが、第1位はヒュー・ジャックマン演じる「ローガン」です。ウルヴァリンシリーズ第3弾にして最終作です。前作では日本を舞台にして、何だか安っぽいヒーローになった感があったのですが、今回はひと味違いました。ウルヴァリンがすっかり老け込んで遠視のメガネをかけ新聞を読む様子に、老いたヒーローの悲しさを感じてしまいました。
 第2位は、このところのヒーロー映画の中では出色のできだったのではないかと思われる「ワンダーウーマン」です。DCコミックスのヒーローものの1作です。「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」でスクリーンに登場したワンダーウーマンの活躍を描く作品ですが、単なるヒーローものにとどまらず、泣かせるシーンもあって楽しみことができました。ワンダーウーマンを演じたガル・ガドットがカッコいいし、美しい。
 第3位は、「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」です。シリーズ9作のうちの第8作目です。姿を消していたルークをレイが探し出してからのことが描かれます。ストーリーとしては、昨年のスピンオフ作品である「ローグ・ワン」には及びませんが、シリーズファンとしては落とすわけにはいきません。ちょっとおまけの第3位です。
 第4位は、アカデミー賞作品賞を受賞した「ラ・ラ・ランド」。ストーリーとしては平凡ですが、ミュージカル好きとしては挙げないわけにはいきません。ミュージカルといえばエマ・ワトソンが「ラ・ラ・ランド」のオファーを蹴って出演したという「美女と野獣」の実写版も無視できません。第5位です。意外にエマ・ワトソンの歌が上手でした。
 第6位は、B級映画から1作品。韓国映画の「新感染」です。題名はウィルスの“感染”と、舞台となる日本の新幹線に当たる韓国の高速鉄道とを掛け合わせるというなかなかふざけた邦題ですが、これが予想以上の面白さでした。列車内という閉鎖空間の中でゾンビが襲いかかってくるという怖さいっぱいの映画ですが、それだけでなく、親子愛や夫婦愛なども描かれた人間ドラマとなっています。
 第7位は地味ですが、ベン・アフレックが高機能自閉症スペクトラムの凄腕スナイパーを演じた「ザ・コンサルタント」です。至る所に張られた伏線が時間の経過とともに回収されて、「そうだったんだぁ!」と驚きの連続です。続編を期待の1作です。 
 第8位は、スティーヴン・キング原作の同名小説の映画化の「IT」です。ある田舎町で子どもたちの失踪事件が続発するのですが、その犯人がピエロの姿をした“それ”。笑いの象徴であるピエロが恐怖の存在になるという点が原作者であるキングのうまいところ。著名な俳優は出演していませんが(ピエロのベニー・ワイズを演じたビル・スカルスガルドくらいです。)、これはストーリーの勝利です。
 第9位は、第二次世界大戦中、フランスのダンケルクにドイツ軍によって追い詰められたイギリス軍の脱出劇を描いた「ダンケルク」です。「プライベート・ライアン」のように爆撃で手足が吹き飛ぶ、内臓が飛び出すというような派手な戦闘シーンはなかったので、拍子抜けでしたが、他の人を押しのけてでも脱出しようとする若い兵士の姿が現実の戦争を感じさせます。
 第10位は、日米の沖縄戦を舞台に良心的兵役拒否者を描いた「ハクソー・リッジ」です。「ダンケルク」とは対照的に派手な戦闘シーンの連続の映画です。相手が日本軍なのでちょっと複雑です。
 同じ第10位で「ブレードランナー2049」を。前作を観たときに圧倒されたリドリー・スコットが描いた世界を凌ぐほどのヴィジュアルはありませんでしたが、やはり、待ち望んだ「ブレードランナー」の続編です。これもちょっとおまけのランクインです。