2015映画マイ・ベスト10

順位 映画名 監督
スター・ウォーズ フォースの覚醒 J・Jエイブラムス
セッション デイミアン・チャゼル
アメリカン・スナイパー クリント・イーストウッド
マッド・マックス 怒りのデス・ロード ジョージ・ミラー
ミッション・インポッシブル ローグ・ネイション クリストファー・マッカリー
ジュラシック・ワールド コリン・トレボロウ
スペクター サム・メンデス
キングスメン マシュー・ヴォーン
アニー ウィル・グラッグ
パレードへようこそ マシュー・ウォーチャス
 − グローリー エヴァ・デュバネイ 
 − ヴィンセントが教えてくれたこと   セオドア・メルフィ 
 − マイ・インターン ナンシーマイヤーズ 
 − ピエロがお前を嘲笑う  バラン・ポー・オダー  
 − ジャージー・ボーイズ  クリント・イーストウッド 
 − アリスのままで  リチャード・グラッツァー&ウォッシュ・ウェストモアランド  
 今年はまだ感想を書いていない「スター・ウォーズ フォースの覚醒」を含め68作品を鑑賞しました。
 その中で今年のナンバー1は、12月18日公開、待ちに待ったスター・ウォーズシリーズの新作「スター・ウォーズ フォースの覚醒」です。ジョージ・ルーカスに新作を製作する意欲がみえず、もう続編はないだろうと思っていたので、J・J・エイブラムス監督の手で製作されるなんて夢のようです。ハリソン・フォードなどの旧作の出演者も登場して、シリーズファンとしては嬉しい限りです。文句なく第1位です。
 第2位は「セッション」です。フレッチャーに騙されたニーマンが意地を見せる緊迫の9分19秒のセッションシーンには圧倒されました。主役のニーマンを演じたマイルズ・テラーのドラム捌きは鬼気迫るものがあります。鬼教師フレッチャーを演じたJ・K・シモンズの演技はアカデミー賞も当然と思えるほどの熱演です。
 第3位はクリント・イーストウッド監督の「アメリカン・スナイパー」です。イラク戦争の際に160名の敵を倒したアメリカ海軍シールズのスナイパー、クリス・カイルを描いた事実に基づく作品ですが、味方に近づいてくる少年が武器を持っているかどうか、持っていたなら撃ち殺さなくてはならないというシーンは緊迫感がありましたねえ。観ているこちらも思わず手を握ってしまいました。
 第4位はジョージ・ミラー監督の「マッドマックス 怒りのデス・ロード」です。前作から30年。第1作を大学時代に観た際には、そのアクションシーンに度肝を抜かされましたが、監督が同じだけあってそこのところは前作を踏襲されていました。しかし、この映画、「マッドマックス」という題名ですが、マックス以上にシャーリーズ・セロン演じるフュリオサの方が目立ちます。おばあちゃん戦士も派手に活躍しており、強い女性映画と言っていいかもしれません。そこのところは、今だからでしょうね。
 あとは順位が同じということで。
 まずは、シリーズものということで安心して観ていられたのは、「ミッション・インポッシブル ローグ・ネイション」です。このシリーズの見所は、イーサン・ハントを演じるトム・クルーズの体当たりのアクションですが、今回も冒頭から離陸する輸送機のドアにつかまったまま空の上という度肝を抜くシーンで始まります。これがCGではないそうですから、トム・クルーズも50歳を過ぎているのに頑張りますね。
 シリーズものですが、お久しぶりだったのは「ジュラシック・ワールド」です。14年ぶりの新作ですが、第1作のジュラシック・パークの廃墟があるというファンを喜ばせるシーンもあり、まさしく娯楽大作。2時間たっぷり楽しめます。
 シリーズものながら、このあとどうなるだろうという余韻を残したラストだったのは007シリーズの新作「スペクター」です。ダニエル・クレイグ演じるボンドの生い立ちがストーリーの展開に大きく関わってくるという、それまでのボンドとは違う雰囲気の作品になっています。
 同じスパイ映画ですが、昔懐かしい雰囲気のスパイ映画という作品だったのはコリン・ファース主演の「キングスメン」です。どことなくショーン・コネリー若き頃のジャームズ・ボンドシリーズの匂いがする映画です。コリン・ファースがあんな形になってしまったのに、続編が製作されることになったそうですが、さてコリン・ファースはどうなるのでしょう?
 ミュージカルからは「アニー」を。何といっても注目は、「ハッシュパピー 〜バスタブ島の少女〜」で史上最年少でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたクワベンジャネ・ウォレスがアニーを演じたこと。歌唱力やダンスもなかなかのものでした。
 感動作として「パレードへようこそ」、「グローリー」、「ヴィンセントが教えてくれたこと」の3作。
 「パレードへようこそ」は、サッチャー政権下のイギリスにおいて全国的に起こった炭鉱労働者のストライキに対し、ゲイとレズビアンたちが支援に立ち上がったという実話に基づく作品です。感動とユーモアでいっぱいです。
 「グローリー」は、公民権法が成立し、黒人にも選挙権が与えられたにもかかわらず、有権者登録に行くと嫌がらせを受けて、実際には登録できないという状況を打破するため、アラバマ州のセルマから州都モンゴメリーまで抗議の行進をしようとするキングらを描いていきます。今年のアカデミー賞主題歌賞を受賞したコモンとジョン・レジェンドの歌うエンドロールで流れる主題歌は心に響きます。
 「ヴィンセントが教えてくれたこと」、酒と女と賭け事が好きなちょい悪オヤジのヴィンセントと隣家に引っ越してきた少年オリバーとの交流を描いていきますが、ゴールデン・グローブ賞にもノミネートされたビル・マーレイの演技はもちろん、オリバー役のジェイデン・リーベラーの映画初出演という演技が見ものです。
 ちょっと洒落た大人の映画では「マイ・インターン」を。いつもは眉間に縦皺を寄せた影の社会の大物が似合うロバート・デ・ニーロが、この作品では怒った顔を見せません。ジュールズを見守る目の優しいことといったらありません。こんな老人になりたいなあと憧れるダンディな素敵な老人、ベン役を見事に演じます。知的で気の強いジュールズを演じるアン・ハサウェイも好きです。
 ミステリからは「ピエロがお前を嘲笑う」を。ドイツ映画で上映館が少ない作品でしたが、ラストのどんでん返しが見所の「シックスセンス」や「ファイトクラブ」、更には「ユージュアル・サスペクツ」に連なる作品でした。ミステリ好きにはたまらない作品に仕上がっています。
 そのほか、クリント・イーストウッド監督によるブロードウェーの舞台の映画化の「ジャージー・ボーイズ」、アカデミー賞で主人公・アリスを演じたジュリアン・ムーアが主演女優賞を受賞した「アリスのままで」もオススメです。