2012映画マイ・ベスト10
順位 | 映画名 | 監督 |
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1 | 最強のふたり | エリック・トレダノ オリヴィエ・ナカシュ |
2 | ミッドナイト・イン・パリ | ウディ・アレン |
3 | アーティスト | ミシェル・アザナヴィシウス |
4 | わが母の記 | 原田眞人 |
5 | 007スカイフォール | サム・メンデス |
6 | ダークナイト・ライジング | クリストファー・ノーラン |
7 | 鍵泥棒のメソッド | 内田けんじ |
8 | ものすごくうるさくてありえないほど近い | スティーブン・ダルドリー |
9 | ヒューゴの不思議な発明 | マーティン・スコセッシ |
10 | マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙 | フィリダ・ロイド |
10 | テルマエロマエ | 武内英樹 |
番外 | アメイジング・スパイダーマン | マーク・ウェブ |
番外 | ドラゴン・タトゥーの女 | デヴィッド・フィンチャー |
番外 | ALWAYS 三丁目の夕日’64 | 山崎貴 |
番外 | サニー 永遠の仲間たち | カン・ヒョンチョル |
番外 | キツツキと雨 | 沖田修一 |
番外 | アルゴ | ベン・アフレック |
今年は何といっても「最強のふたり」でしょう。事故により首から下がまったく動かないフィリップと介護経験もない黒人男性ドリスとのコンビが、深刻になりそうな題材の中にユーモアを生み出していきます。ドリスのダンスシーンも二人の性に関するブラック・ユーモアも最高です。 久しぷりに観たウディ・アレン監督の「ミッドナイト・イン・パリ」もよかったです。現代のパリからタイムスリップしてフィッツジェラルドやヘミングウェイなどの作家やピカソやダリなどの画家たちと交流をするというウディ・アレンらしい洒落た設定に脱帽です。 「アーティスト」はアカデミー作品賞、主演男優賞など5部門を受賞した作品です。CG華やかなりし今、モノクロ・サイレントとは奇を街ったと言えなくはありませんが、作品そのものはモノクロ・サイレントの良さを十分知らしめてくれました。女性が背広に腕を通して一人二役をするシーンは素晴らしい。ジャック・ラッセル・テリアのアギーも名演でした。 邦画では「わが母の記」です。しだいに認知症がひどくなっていく母親を樹木希林が熱演。主役の役所広司さんを喰ってしまう見事な演技でした。 シリーズものからはバットマン・ダークナイト3部作の最終作「ダークナイト・ライジング」と007シリーズ最新作「007 スカイフォール」の2作です。「ダークナイト・ライジング」の悪役のベインは「ダークナイト」でヒース・レジャーが演じたジョーカーには到底及びませんが、1作目、2作目で積み残されていた謎がすべて明らかにされて大団円という感じでした。一方「スカイフォール」は、ダニエル・クレイグ版007の最高傑作といっていいおもしろさでした。 「運命じゃない人」「アフタースクール」の内田けんじ監督が、またまた観客を騙す作品を作ってくれました。「鍵泥棒のメソッド」です。前作ほどのどんでん返しはありませんが、でも、やっぱり観ていて楽しい。堺雅人、香川照之、広末涼子の3人が名演です(特に広末さんは新たな一面を見せてくれます。)。 日本でも子役の活躍が華々しいですが、あちらの子役の見事な演技から2本。ひとつは9.11事件で父親を亡くし、その痛手から立ち直れないでいる少年が父親の部屋で見つけた鍵に会う鍵穴を探して歩くうちに成長する姿を描く「ものすごくうるさくてありえないほど近い」。もうひとつは、アカデミー賞にノミネートされながら受賞を逃した「ヒューゴと不思議な発明」。マーティン・スコセッシ監督の作品とは思えないファンタジックな作品に仕上がっており、僕は好きでしたねえ。 演技ではやっぱりこの人というくらいアカデミー賞ノミネートの多いメリル・ストリープですが、「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」で通算3度目の主演女優賞を獲得しました。ものの見事にマーガレット・サッチャーそのものでした。 単純におもしろかったのが、漫画が原作の「テルマエ・ロマエ」。古代ローマ人がタイムスリップして日本の銭湯に現れるという冒頭から大笑い。いろいろ考えずにストレス解消に最適。難しいことを考えさせない娯楽に徹したこういう映画もいいです。 番外編をいくつか。新たにシリーズが始まった「アメイジング・スパイダーマン」、スウェーデン版をリメイクした「ドラゴン・タトゥーの女」、第1作ほどの感動はありませんが、ALWAYS3部作の最終作「ALWAYS 三丁目の夕日’64」、ベタだけど青春時代を思い起こさせる韓国映画「サニー 永遠の仲間たち」もおもしろかったです。「わが母の記」で樹木希林さんに主役を奪われた役所広司がゾンビに扮した「キツツキと雨」も捨てがたいです。イランからのアメリカ大使館員の脱出劇を描いた「アルゴ」も落とせません。 今年は71本と過去最高に劇場に足を運びましたが、来年はとりあえず週1本を目標に頑張りたいと思います。 |