2010年読了本マイ・ベスト10
順位 | 題名 | 著者 | 出版社 |
※ | 小暮写真館 | 宮部みゆき | 講談社 |
※ | 死ねばいいのに | 京極夏彦 | |
※ | 小さいおうち | 中島京子 | 文藝春秋 |
※ | アルバトロスは羽ばたかない | 七河迦南 | 東京創元社 |
※ | マリアビートル | 伊坂幸太郎 | 角川書店 |
※ | 灰色の虹 | 貫井徳郎 | 新潮社 |
※ | 明日の雨は。 | 伊岡瞬 | 角川書店 |
※ | at Home | 本多孝好 | 角川書店 |
※ | ツナグ | 辻村深月 | 新潮社 |
※ | オール・マイ・リビング | 小路幸也 | 集英社 |
※ | 和菓子のアン | 坂木司 | 光文社 |
※ | 光媒の花 | 道尾秀介 | 集英社 |
番外 | あんじゅう | 宮部みゆき | 中央公論新社 |
番外 | 西巷説百物語 | 京極夏彦 | 角川書店 |
番外 | オー!ファーザー | 伊坂幸太郎 | 新潮社 |
番外 | バイバイ・ブラックバード | 伊坂幸太郎 | 双葉社 |
今年感想を書いた本は全部で110冊。昨年とほぼ同じでした。仕事が忙しくなり、自由時間が減ったことを考えれば、まあ頑張ったということでしょう。 今年刊行された本の中からベスト10を選ぶとすると、順位なしで次の10冊と番外4冊 まずは、宮部みゆきさんの「小暮写真館」です。ミステリとしても高校生が主人公の青春ものとしても読むことができます。相変わらず、宮部さんうまいですよねえ。弁当箱並みの厚さですがいっき読みです。三島屋変調百物語シリーズ第2弾の「あんじゅう」も甲乙つけがたいのですが、番外ということでご勘弁を。 京極夏彦さんの作品からは「死ねばいいのに」です。殺された派遣社員に関係ある人のところをある男が訪ね歩きます。会話がリズミカルであっという間に話の中に引き込まれました。「西巷説百物語」もおすすめですが、1作者1作品ということで番外で。 中島京子さんは直木賞を受賞した「小さいおうち」です。昭和の初め、東北の田舎から東京山の手の裕福な家に“女中奉公"に出てきた女性・タキが歳を取ってから自分の人生を振り返って語る自分史というべき話です。ミステリのようなラストに脱帽です。 鮎川哲也賞を受賞してデビューした七河迦南の第二作目の「アルバトロスは羽ばたかない」。単なる連作短編集かと思ったらラストにびっくりです。 大好きな伊坂幸太郎さんの作品からは「マリアビートル」です。「グラスホッパー」に続く殺し屋たちを主人公にした作品です。前作に登場する殺し屋も再登場してファンとしては嬉しい限り。伊坂さんは今年「オー!ファーザー」と「バイバイ、ブラックバード」もありますが、この2作品は番外で選出です。伊坂ファンとしては落とすわけにはいきません。 貫井徳郎さんの作品からは「灰色の虹」を。冤罪で投獄された人の復讐譚です。今年は冤罪がクローズアップされましたからねえ。時宜を得ただけでなく人間ドラマとしても読ませます。 これまた大ファンの本多孝好さんは「at Home」です。家族の再生をテーマに書かれた4編からなる短編集です。表題作の思わぬ家族関係にジーンときます。 地元出身で応援している辻村深月さんは「ツナグ」です。このところの作品には、いまひとつのめり込めなかったのですが、この作品は最初から惹き込まれました。 今年も多くの作品が刊行された小路幸也さんですが、中でもやっぱり安心して読むことができるのは東京バンドワゴンシリーズ第4弾の「オール・マイ・リビング」です。 坂木司さんの作品は「和菓子のアン」です。日常の謎系のミステリの代表です。作品全体に漂う温かさが、読者をほんわかさせてくれます。 最後は、現在直木賞に一番近いとされている道尾秀介さんの直木賞候補作だった「光媒の花」です。この作品で直木賞を受賞すると予想していたのですが、残念でしたね。道尾作品はだんだんミステリから離れていくようです。 |