2009年映画マイベスト10
順位 | 映画名 | 監督 |
---|---|---|
1 | スラムドッグ$ミリオネア | ダニー・ボイル |
2 | セントアンナの奇跡 | スパイク・リー |
3 | ベンジャミン・バトン | デビッド・フィンチャー |
4 | アバター | ジェームズ・キャメロン |
5 | グラン・トリノ | クリント・イーストウッド |
6 | 母なる証明 | ボン・ジュノ |
7 | ディア・ドクター | 西川美和 |
8 | 愛を読む人 | スティーヴン・ダルドリー |
9 | 3時10分、決断のとき | ジェームズ・マンゴールド |
10 | ターミネーター4 | マックG |
番外 | イングロリアス・バスターズ | クエンティン・タランティーノ |
番外 | レッド・クリフPartU | ジョン・ウー |
番外 | 風が強く吹いている | 大森寿美男 |
今年、劇場で観た映画は53本。だいたい週1回の鑑賞になりました。その中からマイベスト10を挙げてみると、 第1位は、「スラムドック$ミリオネア」です。ハリウッドの有名な俳優は出演せず、地元インド人俳優やそれこそ本当にスラム街に住んでいる少年たちを配して、素晴らしい映画を作り上げました。作品で描かれるクイズ番組が、日本でもみのもんた司会で知られていることも、とっつきやすかったのでしょう。主人公の少年の回答が今までの苛酷な人生の中から導き出されてきたものだというところが見事な演出でした。 第2位は、「セントアンナの奇跡」です。真面目な郵便局員が突然窓口にきた男を撃ち殺すというショッキングなシーンから始まるこの映画、もちろん、ちぎれる手足や飛び出す内蔵などを描いて戦争の悲惨さを訴えていますが、スパイク・リー監督らしく黒人差別問題も大きなテーマとして扱われています。声高に言うのではなく、イタリアで彼ら黒人が何ら差別されていないということを対比させることによって差別問題を描いているところが今までとひと味違う印象があります。登場人物の一人が「ここではニガーではなく、俺は俺だ」と言う言葉が心に残ります。 第3位は、「ベンジャミン・バトン」です。生まれたときの姿が老人、それが成長するに従ってしだいに若返っていくという、普通の人とは逆の成長を見せる男を描くおとぎばなしのような作品です。愛する人が年老いるに従って、自分は若返っていくという悲しさをブラピが見事に演じています。老人顔から実年齢より若い青年の顔まで、ブラピファンは大いに楽しめます。 第4位は、「アバター」です。今年の最後を飾るにふさわしい映画でした。その映像美には圧倒されました。久しぶりにSFとして面白い映画でした。 第5位は、クリント・イーストウッド監督の「グラン・トリノ」です。 老年となり、家族からも煙たがれている男をイーストウッドが演じます。もう何も言うことのない円熟味溢れる演技です。「ダーティー・ハリー」を演じるイーストウッドの雰囲気とは異なるラストがいいですね。お見事。 第6位は、「母なる証明」です。兵役や怪我でスクリーンを遠ざかっていた韓流四天王の一人ウォンビンの復帰作でしたが、今回は単なるイケメンというより、その演技力も高く評価されます。ただ、彼よりもインパクトが強かったのは、母親役を演じたキム・ヘジャです。母親の子を思う気持ちの強さは観客を圧倒します。ミステリとしても十分楽しめる作品になっています。さすが、ボン・ジョノ監督です。 第7位は、「ディア・ドクター」です。山間の過疎の村の診療所で働く一人の医者と、大学病院から診療所に研修にやってきた研修医の姿を描きながら、現在の医療問題をさりげなく描いていきます。診療所の医者を演じる笑福亭鶴瓶さんがいい味出しています。この映画のヒットの理由は、主人公の医者役に鶴瓶さんを配したことが大きいでしょう。 第8位は、「愛を読む人」です。何年か前にベストセラーとなったベルハルト・シュリンクの「朗読者」の映画化です。簡単に言ってしまえば、年上の女性に恋をした少年の物語ですが、年上の女性を演じたケイト・ウィンスレットの演技がアカデミー賞を受賞するだけあって、秀逸です。単に「タイタニック」の主演女優というわけではなくなりましたね。 第9位は、「3時10分、決断のとき」です。最近では珍しい西部劇です。正統派の西部劇らしく、テーマは家族愛と男の友情です。出演はクリスチャン・ベイルとラッセル・クロウです。クリスチャン・ベイルは、今年は「ターミネーター4」がありましたが、それより、こちらの方が印象的だったのではないでしょうか。でも、やっぱりラッセル・クロウの演技に喰われてしまった感はありますが。 第10位は「ターミネーター4」です。前作は、いまひとつという感がありましたが、今回は雰囲気としては第1作に戻った感じです。この作品ではマーカスを演じたサム・ワーシントンが主役のクリスチャン・ベイルを喰ってしまうほどの強い印象を残しました(現在公開中の「アバター」に主演していますね。)。 番外は3作品。 まずは、「イングロリアス・バスターズ」です。とにかく、監督のクエンティン・タランティーノのやりたい放題の映画です。これにも出演しているブラピがまたいいんですよね。倒したドイツ兵の頭の皮を剥ぐという変な男を演じていますが、イケメンだけでなく、こういう役にも挑戦するブラピに拍手です。 番外2作目は、「レッド・クリフPartU」です。英雄・豪傑の活躍は観ていて楽しいですし、なんといっても、中国映画らしい人員を動員したスケールの大きさには圧倒されます。男性としては、周喩の妻役を演じたリン・チーリンの美しさに目を引かれました。 最後は、「風が強く吹いている」です。三浦しをんさん原作の箱根駅伝に挑む学生たちを描いた小説の映画化です。素人集団の集まりがあれよあれよという間に箱根駅伝に出場してしまうまでを描く、現実には決してありえないお話ですが、彼らの友情に男泣きさせられました。正月の箱根駅伝がまた楽しみになりました。 |