▲2007映画鑑賞の部屋へ

オーシャンズ13(19.8.11)
監督  スティーブン・ソダバーグ
出演  ジョージ・クルーニー  ブラッド・ピット  マット・デイモン  アンディ・ガルシア
     ドン・チードル  バーニー・マック  ケイシー・アフレック  スコット・カーン
     エディー・ジェイミソン  シャオポー・クィン  カール・ライナー  エリオット・グールド
     アル・パチーノ  エレン・バーキン  ヴァンサン・カッセル  
 シリーズ第3弾です。今回オーシャンたちが相手にするのは仲間の一人ルーベンを騙してホテルを乗っ取ったウィリー・バンクです。舞台は再びラスヴェガスへと戻ります。
 このウィリー・バンクを演じるのは名優アル・パチーノ。そして彼の秘書役アビゲイル・スポンダーを演じるのはエレン・バーキン。アル・パチーノとエレン・バーキンのコンビは以前「シー・オブ・ラブ」で共演しており、その際のエレン・バーキンの見事なスタイルとアンニュイな表情にすっかりファンになってしまった僕でした。今回、この二人がオーシャンたちの敵役と聞いて楽しみに観に行きました。「シー・オブ・ラブ」から20年近くがたって、二人とも確かに歳を取りましたが、エレン・バーキンのスタイルの良さは変わらないですよ。でも、今回のエレン・バーキンのあの役はないですよねえ。マット・デイモン演じる巨大なつけ鼻の男にすっかり参ってメロメロになってしまう様子にはがっかりです。イメージ・ダウンです。一方アル・パチーノはいつもどおり。あの特徴のあるしわがれ声でがなり立てる様子は、ああやっぱりアル・パチーノだなあという演技です。
 今回は1,2に登場していた人たちが総登場です。1,2でオーシャンたちの敵役だったアンディ・ガルシア演じるテリー・ベネディクトは今回は彼らの資金源として登場します。また、パンフレットに登場場面の写真は掲載されていながら名前のなかった、2で登場したヴァンサン・カッセル演じる怪盗ナイト・フォックスも姿を見せます。彼がどんな役割を演じているのかは観てのお楽しみ。
 相変わらずの観客を騙す場面もありますので、目をこらして観ていましょう。これが明らかになったときには笑えますよ。ただ、その笑いはシリーズを観ていればですから、観ていない人は、シリーズ前作を観てから映画館に行くことをオススメします。
 また、ちょっとしたユーモアも至る所にあって楽しいです。マット・デイモン演じるライナスが高いつけ鼻のため、コップの酒が飲みにくくて苦労するところや、ニューメキシコのサイコロ製造工場に潜入したバージルが、その労働条件の低さに腹を立てて、ストの先頭に立ってしまい、それを知った弟のタークが止めにいったら、一緒に戦ってしまうところなど、思わず笑ってしまいました。
 今回はジュリア・ロバーツ演じるテスもキャサリン・ゼタ=ジョーンズ演じるイザベルも登場しません。シリーズのファンとしては残念です。しかしながらオーシャンとラスティーの話の端々からどうも彼らが倦怠期に陥っている様子が窺われてニヤッとしてしまいます。シリーズものにはこういう楽しみもあるんですよね。
キサラギ(19.8.25)
監督  佐藤祐市
出演  小栗旬  ユースケ・サンタマリア  小出恵介  塚地武雄  香川照之
 ミニ・シアター系の作品がようやく地方の映画館までやってきました。今日(8月25日)から公開。さっそく初日の初回に観に行ってきました。
 自殺したC級アイドル、如月ミキの1周忌にファンサイトで知り合った5人が1室に集まる。ミキの思い出話で盛り上がろうとしたが、ある人物の口から「ミキは殺された」という言葉が出たことから、5人の男たちによる推理が始まる。
 その部屋だけで描かれるワン・シチュエーション・ムービーです。ストーリーはアイドルの自殺の真相の謎解きですが、ジャンル的にはミステリー映画というよりは、監督自身も話しているように、これはコメディー映画ですね。とにかく、おもしろい。劇場内には笑いが絶えませんでした。ワン・シチュエーションですが、回想シーンがコマ撮りみたいな感じで挿入されているのは、意外にインパクトがありました。
 単なる熱烈なファンだと思っていた人物たちが、事件の謎を解くうちに実は・・・という話があとからあとから出てきます。これが真実かと思ったものが、いや実はとひっくり返り、最後まで飽きさせません。実はという話に加われなかった男が一番の「実は・・・」だったりして、意外な真相に落ち着きます。そして、最初はバラバラだった男たちも最後には心を通わせあいめでたしめでたしです。
 この作品のおもしろさは、5人のオタク・ファンを演じた個性的な役者さんたちの演技にもよるものでしょう。イケメン俳優の小栗旬、小出恵介も三枚目役をものの見事に演じています。お笑い芸人のドランクドラゴンの塚地もとぼけた演技で劇場内の笑いを誘います。最初から怪しげな人物、イチゴ娘を演じた香川照之は根っからの役者ですからその個性的な演技は他を圧倒します。
 ハンドル・ネームが「オダ・ユージ」を演じるのはユースケ・サンタマリア。これを「踊る大捜査線」に出演していたユースケ・サンタマリアが演じるのがおもしろいんですよね。他の俳優だったら、これほどのおもしろさは出なかったのではないでしょうか。「事件は現場で起きているんだ!」というセリフには館内から大きな笑いが起きました。
 如月ミキの顔がぼかされており、このまま終わりかなと思ったら、ラストに出てきましたね。最後までわからないほうがよかったなあ。う〜ん、演じた女優さんには悪いですが、確かに彼女のような特徴のない顔ではC級アイドルで終わってしまいそうです。
22才の別れ(19.9.7)
監督  大林宣彦
出演  筧利夫  清水美砂  鈴木聖奈  中村美玲  窪塚俊介  三浦友和  峰岸徹  村田雄浩
     長門裕之  寺尾由布樹  細山田隆人  斉藤健一  根岸季衣  岸部一徳
 今から30年以上前にヒットした伊勢正三さんの「22才の別れ」をモチーフに作られた大林監督作品です。
 「22才の別れ」といえば、伊勢正三さんが“かぐや姫”解散後結成した“風”のデビュー曲としてヒットしましたが、僕としては“かぐや姫”時代のアルバム「三階建の詩」に入っている「22才の別れ」が好きでした。今でもこの曲が流れると口ずさんでしまいます(映画館で流れたときも、空いていることをいいことに小さな声で歌ってしまいました(^^;)今回の作品は5年前にやはり伊勢正三さんの作った「なごり雪」(こちらはイルカの歌で有名ですね。)をモチーフとした作品に続く大林監督の大分三部作の第二弾にあたるそうです。
 22才といえばちょうど大学卒業の歳。就職という初めて世間の荒波の中に出て行くにあたって、東京に残る人、故郷に帰る人と、人生の一大転機です。当然それを機にそれまで交際していた異性との仲も考えることもあるでしょう。この作品では、東京での生活に疲れて故郷に戻りたがった彼女を追いかけていかなかった男が、偶然彼女が故郷に帰って結婚して生んだ娘と出会うことから話が始まります。
 「なごり雪」の舞台になったのは、大分県臼杵市ですが、今回の舞台は津久見市。背景の山が白いのは幻想的だなあと思ったら、これは石灰岩の白さのようです。セメントの原料を取るために山が切り崩されているのですね。それから「なごり雪」にも描かれていましたが、「うすき竹宵」は、きれいですねえ。このあたり、相変わらず大林監督は舞台となる街をうまく撮ります。
 過去を振り返り、現在に生きる恋人たちには同じ誤りをしてもらいたくないと考える主人公、川野俊郎。唐突に俊郎が非閉塞性無精子症と診断されることから始まるストーリーにはいまひとつ入っていくことができませんでした。
 出演者の中では俊郎の恋人、藤田有美役を演じていた清水美沙さんがよかったですね。有美のようなああいうカラッとした性格の女性は大好きです(^^;
HERO(19.9.14)
監督  鈴木雅之
出演  木村拓哉  松たか子  大塚寧々  阿部寛  勝村政信  小日向文世  八嶋智人
     角野卓造  児玉清  松本幸四郎  中井貴一  森田一義  石橋蓮司  田中要次
     香川照之  岸部一徳  綾瀬はるか  国仲涼子  浪岡一喜  正名僕蔵
     奥貫薫  鈴木砂羽  古田新太
 2001年に木村拓哉主演で放映されていた「HERO」の映画化です。
 中卒で大学検定試験に合格、その後司法試験に合格して検事になったという型破りな経歴を持つ検事、久利生公平。その経歴からしてファンの心を掴みますし、そのうえ、法廷でもスーツを着ないときているのですから、キムタクファンとしてはたまらないでしょうねえ。
 今回は昨年テレビで放映したスペシャル版の続きという形をとっており、山口にいた久利生が6年ぶりに城西支部に戻ってきます。 久利生が担当するのは傷害致死事件。結婚間近のサラリーマンが梅林という男によって殴り殺された事件で、梅林も取調段階で容疑を認めていたため、簡単な事件かと思われたが、法廷で一転梅林は容疑を否認する。梅林の弁護についたのは、刑事事件の無罪獲得数日本一という元検事の蒲生。なぜ彼のような大物弁護士が単なる傷害事件の弁護を引き受けたのか。その背後には大物政治家の汚職事件が絡んでいた。
 どうしてもキムタクばかりに目が行きがちですが、このシリーズのおもしろさは、個性豊かな城西支部の面々によるところも大きいです。不倫関係にある阿部寛演じる芝山と大塚寧寧演じる中村検事。八嶋智人演じる遠藤と小日向文世演じる末次の検察事務官コンビ。松たか子演じる雨宮に好意を寄せる勝村政信演じる江上検事。表面では典型的な嫌な上司だが、実は人情家の角野卓造演じる牛丸検事。そして、そんなみんなを温かく見守る次席検事の鍋島。彼らなくしては、この作品のおもしろさを語ることはできません。最後はそんな彼らの努力によって事件は解決していきます。
 とはいうものの、キムタクはやっぱりカッコイイですね。「これは里山さんという人の命の重さを知るための裁判なんです」なんてセリフをキムタクに言わせては駄目です。これでまたキムタクのファンが増えてしまいましたね。
 試写会を観に行った女性たちから、最後はなぁという声が出ていたので、どうなるのだろうと期待して見ていたのですが、う〜ん、そういうことだったのですかあ。これは女性ファンとしては声を出したくなるラストでしたね。
 おもしろく観たのですが、最後にひとことだけ。韓国の大物俳優イ・ビョンホンが出演とあり、確かに出てはいたのですが、ほんの数分だけ。あれでは別にイ・ビョンホンが出る必要もなかったです。まあ話題づくりですか。
パーフェクト・ストレンジャー(19.9.29)
監督  ジャームズ・フォーリー
出演  ハル・ベリー  ブルース・ウィルス  ジョヴァンニ・リピシ  リチャード・ポートナー
     ゲイリー・ドゥーダン  ニッキー・エイコックス  ポーラ・ミランダ  ダニエラ・ヴァン・グラス 
(ちょっとネタバレあり)
 主人公のロウィーナはやり手の新聞記者。せっかく手に入れた上院議員のスキャンダルを上層部の圧力で潰されてしまい、会社を辞めてしまう。そんなとき、彼女の幼馴染のグレースが変死し、その事件の裏にグレースと不倫関係にあった広告代理店のCEOにして大富豪のハリソン・ヒルが関わっているのではないかと疑ったロウィーナは、彼の会社に派遣社員として潜り込む。
 とにかく主演のハル・ベリーが綺麗です。とても40歳を超えているとは思えません。相変わらずスタイルは見事ですし、ファッションもそのことを強調していましたね。今回は、ハル・ベリーのための映画といっていいでしょう。ハリソン・ヒル役で大物俳優ブルース・ウィルスが出演していますが、どこか影が薄いです。やはり、ブルース・ウィルスは「ダイ・ハード」のように肉体を使う演技でないとインパクトがありません。別にハリソン・ヒル役はブルース・ウィルスでなくてもよかったのではないかと思えてしまいます。ギャラは高かったでしょうに。
 さて、ストーリーですが、一番怪しいのはブルース演じたハリソン・ヒルですが、こういったサスペンス映画ですので、当然ハリソン・ヒルがそのまま犯人では何らおもしろみがありません。最重要容疑者なんですから、もうちょっと疑わしい行動を見せなければいけないのに、たんに女好きにしか見えません。これで、やっぱりハリソン・ヒルが犯人だったというなら、これは見事に観客を騙したなと褒めてもよかったのですが・・・。
 彼の会社に潜り込み、いろいろ調べるうちに怪しげな人物が出てきますが(もちろん、怪しげな人物であるように描かれるのですが)、演じる俳優があまりに無名すぎて、この人、怪しいぞと観客に訴えるものがありませんね。その中で、これは見た感じ怪しいと思うのが相棒のマイルズです。ロウィーナに恋しながら、彼女の方は彼を振り向いてくれないというかわいそうな男です。しかし、彼女の協力者ですが、見た感じが善良そうには見えません。演じた俳優はジョヴァンニ・リビシ。どこか粘着質的な表情が彼に疑いの目を向けさせます。
 ラスト7分11秒まで犯人がわからないというのが、この映画の謳い文句でしたが、確かに真相は意外といえば意外でしたね。ただ、よく見れば、いろいろ伏線が張られていますので、ミステリファンならあっという間に真相にたどり着くかもしれません。予告編を見た段階でかなり期待していた映画だったのですが、いまひとつ盛り上がりを欠いた映画で残念でした。
キングダム 見えざる敵(19.10.13)
監督  ピーター・バーグ
出演  ジェイミー・フォックス  ジェニファー・ガーナー  クリス・クーパー  ジェイソン・ベイトマン
 サウジアラビアの外国人居留地で自爆テロが発生し、死傷者300人以上の大惨事となる。そのテロで仲間を失ったFBI捜査官のフルーリーは、現地に行って調査することを主張するが、サウジアラビアはアメリカの介入によって自国の統治能力を疑われることをおそれ、FBIの捜査を許可しない。フルーリーは、アメリカ駐在サウジアラビア大使に、王族からテロ組織に資金が流れているという事実を明らかにすると脅して、サウジアラビアでの捜査を許可させる。
 この映画は単にテロ組織とFBIとの戦いを描いたものではなく、その背景にあるアメリカとサウジアラビアとの国際社会での関係を描いています。石油の確保とアラブでの橋頭堡を得ようと考えるアメリカと安全保障のためアメリカの武力を利用とするサウジアラビア。両国のそれぞれの思惑による関係が歴史とともに映画開始の何分かで観客に示されます。
 映画は、サウジアラビアに向かったフルーリーら4人のFBI捜査官が、外国での捜査という壁に立ち向かいながら、しだいにテロリストに迫り、最後は派手な銃撃戦の末にテロリストを射殺するというストーリーですが、とにかく救いようのないラストだと思わざるを得ない映画でした。まだ少年と呼ばれる年齢の子どもでさえ、テロに荷担し、その心には外国人に対する憎悪が存在することを描きますが、これは真実なんでしょうね。
 最後に明らかにされた事実、同僚が殺されて悲しむジャネット・メイズの耳にフルーリーが囁いた言葉と、テロリストが孫娘に囁いた言葉が同じだなんて、決して終わらないテロを暗示しています。憎悪の連鎖はどこかで断ち切らなくてはならないのでしょうが、それは非常に困難なことだということがこの映画を見ていてもわかります。ラストのアラブ人少女の目はそういう意味で非常に印象的でしたね。
 主役のフルーリーを演じたのは「レイ」、「ドリームガールズ」のジェイミー・フォックス。今回は硬派なFBI捜査官役を笑顔も見せず演じます。捜査チームの紅一点、ジャネット・メイを演じたのはテレビシリーズ「エイリアス」のジェニファー・ガーナーです。どうも肉体派女優というイメージが定着してしまいそうです。
インベージョン(19.10.20)
監督  オリバー・ヒルシューゲル
出演  ニコール・キッドマン  ダニエル・クレイグ  ジェレミー・ノーサム  ジェフリー・ライト
     ジャクソン・ボンド  ベロニカ・カートライト
 ジャック・フィニイ原作「盗まれた街」の4度目の映画化です。
 自分の周りの家族、友人がどこかおかしい。外見は変わらなくても違和感を感じる。これって怖いですよね。前作の「SF/ボディ・スナッチャー」とは異なって、人間が宇宙からきたウィルスによって、睡眠中に外見は変化せずに人間ではないものになるのですが、人間の姿のまま無表情に団体で襲いかかってくるというのもまた違った怖さがあります。なんだかゾンビに襲われる怖さと同じです。感情を表さない人々の服装が黒やグレーになっているというのもなかなかピッタリです。
 ただ、怖さということでは、同じように宇宙生命体による身体の乗っ取りを描いたジョン・カーペンター監督の「遊星からの物体X」の方が数段上です。閉ざされた空間の中で、人間に化けている宇宙生命体をあばこうとするシーンは、いつ突然身体が変化して襲ってくるのかという緊張感がありました。
 宇宙生命体に身体を乗っ取られた人が増えるにしたがって、世界から争いがなくなり、平和になっていくことがテレビで語られますが、ラストで記者から感染の広がりを問われた医師が新聞を見ればわかると答えたのは何とも皮肉です。新聞ではまた世界中の争いが話題になっているのでしょう。
 宇宙生命体は、みんなが感染すれば世界から争いが消えると言って、キャロルにも感染するよう勧めますが、ただそれは宇宙生命体の側の言い分です。そんな宇宙生命体も自己が感染できない免疫を持った人間は排斥しようとするのですから、醜い人間たちとあまり変わらないと言えば変わらないのかもしれません。あくまでも同族は仲良くするが異分子は排斥するのですから。
 上映時間1時間39分という、最近の映画にしては短い上演時間なので、細かな部分が描ききれていない嫌いはあります。街中が乗っ取られた人間が多くなる中で、まだ人間でいる人がキャロルに、汗が出ているから気づかれるぞとか、表情を出すなとか助言しますが、そのあたり、ちょっと唐突すぎる気はします。
 主演はニコール・キッドマン。免疫を持つ息子を守るために闘う気丈な母親キャロルを演じます。気の強い女性役はニコール・キッドマンにはピッタリです。今回は、SFスリラーというよりは、強き母親を描いた映画といった方がいいかもしれません。スタイルも相変わらず素晴らしいですね。そのスタイルのよさをさりげなく見せるシーンもあります。
 共演は新しいジェームズ・ボンド役のダニエル・クレイグ。今回はいいところはニコール・キッドマンに持っていかれ、残念ですが彼の見所はほとんどなかったですね。
 監督は「ヒトラー 〜最後の12日間〜」のオリバー・ヒルシュビーゲル。「ヒトラー〜」とはまた違った趣の作品を作りました。ただ、黒や灰色の服装で無表情な人間たちを見ると、どことなくナチスを連想してしまいますね。

 それにしても、記者会見場ですでに感染して、人間でなくなっているウェイターが、コーヒーに吐瀉物を入れているシーンはグロテスクでしたねえ。勘弁してほしいです。
ファウンテン 永遠につづく愛(19.10.21)
監督  ダーレン・アロノフスキー
出演  ヒュー・ジャックマン  レイチェル・ワイズ  エレン・バーステイン
 病に冒され死が近い妻のイジーを救うため、医師のトミーは特効薬の開発に没頭する。しかしイジーは自分の運命を受け入れ、残された時間をトミーとできるだけ過ごしたいと考えるが、新薬の開発に焦るトミーにはその思いが届かない。そんなトミーに、イジーは自作の物語を手渡す。それは、中世スペインの高潔な騎士トマスが、美しい女王イザベルの命を受けて、不死を約束すると信じられている伝説の“ファウンテン(生命の泉)”を探す旅に出かけていくというもの。そしてトミーは、この未完の物語の完成をイジーから託されるが・・・

 というストーリーなんですが、まったく何が何だかわからない映画でした。どれだけの人がこの映画を理解することができたでしょうか。そりゃあ、男女の愛を描いたものであるくらいは理解できます。それにしたって、いったいこれは何なんでしょうか。映画は3つの場面に別れます。一つ目は今、二つ目は妻が書いた物語の中なのはわかるのですが、あと一つ、ヒュー・ジャックマンが坊主頭で座禅を組む世界はいったい何なのか最後までわかりませんでした。新興宗教のPR映画なのかと思ってしまったくらいです。訳のわからない映画を作れば芸術性が高いと思い込んでいる監督の独りよがりだとしか思えません。観客にわからない映画を作って映画監督といえるのでしょうか(それとも、理解できないのはほんの一部の人だけなのか?)。芸能人たちのレビューに時空を乗り越えた愛だとかいって絶賛していたものもあったので期待して観に行ったのに、お金と時間を無駄遣いしました。
 レイチェル・ワイズとエレン・バーンステインというアカデミー賞女優を配役し、主役はヒュー・ジャックマンというネームバリューがある役者たちを使いながらもったいないですね(とはいえ、レイチェル・ワイズは本作の監督ダーレン・アロノフスキーと婚約し、子供も産んでいるのだから、出演は仕方がないか)。
ブレイブワン(19.10.27)
監督  ニール・ジョーダン
出演  ジョディ・フォスター  テレンス・ハワード  ナビーン・アンドリュース
     ニッキー・カット  メアリー・スティンバージェン
 あまりに理不尽な理由による犯罪が増加し、いつ自分がその被害者になるかもしれない世の中になってしまった今、考えさせられる映画でした。
 世界一安全な国であったはずの日本が、今では夜の一人歩きも気をつけなければならなくなってしまっています。犯罪検挙率の高さを誇った日本の警察も、年々検挙率は下がる一方です。子供だった頃、こんな世の中になるなんて想像もつきませんでした。
 映画は、結婚を目前に控えた女性、エリカ・ベインが、婚約者と散歩中に3人組の暴漢に襲われ、婚約者は死亡、エリカも瀕死の重傷を負います。人混みの中を歩くのさえ恐怖を感じるほど心にトラウマを負ったエリカは、その恐怖から逃れるために拳銃を手に入れます。ある日、コンビニで自分の身を守るためにエリカは男を撃ち殺しますが・・・
 事件後エリカは、トラウマを負い、後ろを歩く人の足音にも恐怖を感じるようになりますが、この気持ちはよくわかります。以前、私自身も真夜中仕事から帰る途中で、後ろから来たバイクに乗った2人組の若者に自転車の前籠の中にあったバックをひったくられた経験があります。単にひったくりにあっただけでも、その後、後ろからバイクや自転車が来るたびに振り返ってしまうようになりました。ひったくりならまだしも、次はバットででも殴られたらという恐怖がわき上がったのです。エリカが銃を持ったように、カッターナイフでもポケットに忍ばせておいて今度襲ってきたら逆襲してやろうなんて想像もしました。ひったくりでさえ、こんなトラウマになるのですから、あんな暴力に晒されたエリカの気持ちは相当なものでしょうね。
 映画では、警察が事件の捜査におざなりの様子が描かれます。現実の警察はともかく裁判の様子を見ると、加害者の人権を守ることには最大限の配慮をしても、被害者、あるいはその家族の人権を守ることには果たして十分な配慮を見せているのかと言えば、残念ながら不十分だと言わざるを得ません。最近のある事件の裁判のように、被害者の人権を無視(殺すということはその最大のものです)した加害者に対しては大勢の弁護団がついて、加害者を守ろうとします。被害者の気持ちは癒されることは決してないのに、加害者は法によって守られます。そんな様子を見ると、正義っていったいなんだろうと疑問に思ってしまいます。
 とはいえ、現代社会の中で、私的制裁が許されるかといえば、それを許したら社会の秩序は崩壊してしまいます。必殺仕事人が暗躍する世の中はテレビの中だけで十分です。ただ、そうならないよう、国がきちんと警察制度、裁判制度への信頼を得るようにしなければなりません。簡単なことではないでしょうけど。
 ラストは正直のところ予想外の展開でした。あれでいいのでしょうか。ここは賛否両論あるところでしょう。ネタバレになるので詳しく言えませんが、そこまでに描かれたエリカとマーサーの役柄の性格上、違うラストがあったのではないかと思うのですが・・・
 主人公エリカ・ベインを演じるのは、ジョディ・フォスター。「パニック・ルーム」「フライト・プラン」と、子供を守る母親として闘う女性を演じていましたが、今回も演じたのは闘う女性でした。一線を越えてしまったことで悩み苦しむエリカを見事に演じています。彼女の鋭角的な顎のラインには意志の強さを感じさせますので、こういう役にはピッタリの役者さんです。あのかすれた低音も魅力的です。
 一方、正義を体現する役柄としてNY市警の刑事ショーン・マーリーを演じるのはテレンス・ハワード。パンフレットによると、「レイ」「クラッシュ」にも出演していたとありましたが、あれ?どの人だっけ?と私自身にとっては印象はいまひとつだったのですが、今回はおいしい役でした。
 ラジオ局のプロデューサー、キャロルを演じていたのは、メアリー・スティンバージェン。彼女は私的には「タイム・アフター・タイム」で印象に残った女優さんでしたが、あの当時は彼女の名前の日本語表記はメアリー・スティンバーゲンだったはずですが、いつ変わったのでしょう?
 エリカの婚約者を演じた俳優さんは、どこかで見た人だなあと思ったら、「LOST」に出ていた人でした。ナビーン・アンドリュースという名前だそうですが、今後注目です。 
ALWAYS 続・三丁目の夕日(19.11.3)
監督  山崎貴
出演  吉岡秀隆  堤真一  小雪  薬師丸ひろ子  堀北真希  須賀健太  小清水一輝
     もたいまさこ  浅利陽介  小池彩夢  小日向文世  三浦友和  上川隆也  温水洋一
     手塚理美  マギー  小木茂光  浅野和之  平田満  吹石一恵  渡辺いっけい   
(ネタバレあり。ネタバレせずにはこの感動は語れません。観ていない人はどうぞ読まないように)

 いや〜、よかったです。前作に引き続き感動してしまいました。今回も観ていてつい涙がこぼれてしまいました。愛する人が死ぬなんていうお涙頂戴ものではないですが、じわ〜と涙が浮かんできてしまう映画です。それも悲しいということではなく、いいなあ、なんて素敵なんだろうと思う気持ちから。
 会場内は小学生低学年の子からおじいちゃん、おばあちゃんと思われる年齢の人まで幅広い観客層で満員。これだけ年齢に関係なく観ることができる映画も珍しいですね。30年代を生きた人には懐かしさいっぱいの映画でしょう。それに対して今の時代の小学生が果たしてどう観るだろうと興味深かったのですが、前の座席に座った子も涙を拭っていたようですし、感動できる映画だったようです。
 物語の舞台は前作から4か月後。鈴木オートでは、事業に失敗した親戚の女の子を預かることになります。また、茶川は、淳之介との生活を続けていくために、そしてヒロミを迎えに行くために再度芥川賞に挑戦することを決心します。一方、茶川のことを思うヒロミの前には後妻にという金持ちも現れて・・・。
 鈴木オートの社長、則文を演じる堤真一さん、その妻・トモエ役の薬師丸ひろ子さん、茶川を演じる吉岡秀隆、ヒロミを演じる小雪さん、一平と淳之介の二人の子役たち、そして三丁目の住人たちと、前作と同じキャストが勢揃いして、今回も見事な笑いと涙たっぷりの作品を届けてくれました。
 果たして茶川は芥川賞を獲ることができるのか、茶川とヒロミとの関係はどうなるのか、そして茶川と淳之介は一緒に暮らしていけるのか。これをメインストーリーとして、物語は、鈴木オートの社長、則文が引きずっている第二次世界大戦のこと、その妻、トモエの叶えられなかった恋の相手との再会(この相手役を務めるのが上川隆也さんです。ちょっとの出番でしたね。)、六子の幼馴染みとの恋などのエピソードを絡めながら描いていきます。
 前作で描かれた宅間先生の過去も今回の則文とトモエのエピソードにしても、この時代にはまだ第二次世界大戦の影が色濃く落とされていたのでしょうね。大人たちはこの映画を一緒に観た子どもたちに、彼らの知らない(もちろん僕の年齢でも知らないのですが)戦争のことを話してやらなくてはならないでしょうね。
 この映画を観て、単純に昔は良かったなんていう気はさらさらありませんが、でもその時代から失われたものがあるのではないかという気はします。淳之介を連れ戻しにきた実の父親に対し、近所中が心配するところや、茶川の芥川賞受賞のために、鈴木オートでは淳之介を預かったり、食事を差し入れたり協力するところなんて、隣は何する人ぞ?という現在では考えられません。
 泣き所は、茶川が芥川賞に落選して、淳之介の父、川渕が淳之介を引き取って帰ろうとするところです。落選したことをバカにする川渕に対し、則文が「こいつの作品を読んだのか」と言って、奥の部屋から彼の作品の載った雑誌を持って差し出したところ、私も俺もと、そこにいた近所の人たちが皆、持っていた雑誌を出すんです。則文や飲み友だちの精肉店の丸山や自転車店の吉田たちは純文学なんか読めるかと言っていたにもかかわらずです。もう、たまりませんねえ。そのうえ、茶川の書いた作品の題名が「踊り子」。自分のヒロミへの思いを書いた小説なんですよ。その一節が読まれたときには、どうにか目に貯めておこうと思っていた涙が、ついに目から溢れてしまいました。そして、そこにヒロミが現れたときには、思わず拍手してしまいそうになりました。
 基本的に、この映画には悪人は出てきません(唯一は浅野和之が演じた男)。淳之介の父、川渕にしても、言っていることは真っ当です。川渕は川渕なりに真剣に淳之介のことを考えていたのですから。敵役でしたが、ラスト、淳之介を引き取るのを止めて帰っていくところなんて格好良かったですね。それと、手塚理美さんが演じたヒロミの踊り子仲間の梅子も、さんざんヒロミに厳しいことを言いながら、大阪へ行くヒロミに茶川の作品が載った雑誌を渡すのですからねえ。川渕を演じた小日向文世さん共々手塚さんもおいしい役でしたね。
 2時間半と前作より長い上演時間でしたが、長さを感じさせない、どっぷり物語の中にのめり込める作品でした。すべてハッピーエンドになったので、3作目は製作されないようで、これは残念。原作は今でも連載中だから、いくらでもネタはあると思うのですが。

 この映画のオープニング・シーンは、僕ら男の子だった者からすれば思わぬサービスでした。
ヘアスプレー(19.11.3)
監督  アダム・シャンクマン
出演  ニッキー・ブロンスキー  ジョン・トラボルタ  ミシェル・ファイファー
     クリストファー・ウォーケン  クイーン・ラティファ  ジェームズ・マースデン
     ザック・エフロン  アマンダ・バインズ
 ちびでデブな女の子が主人公のミュージカル作品です。主人公トレーシーを演じるのは新人女優のニッキー・ブロンスキー。
 ミュージカルは好きですが、無名の女優ではなあと思っていたのですが、娘にせがまれて連れて行ったところ、予想に反しておもしろかったですねえ。オープニングの「グッドモーニング ボルチモア」からニッキー・ブロンスキーの歌のうまさに圧倒されました。新人とは思えないうまさです。
 まだ黒人差別が激しい60年代を舞台にしているなかで、映画の性格から深刻には描いていませんが、黒人差別の問題をさらりとテーマにしていたりして、なかなかの映画です。トレーシーは、常に前向きの性格で天真爛漫。黒人差別は悪いことと、いい意味単純に考えデモに参加してしまったりするところが、非常に魅力的な女の子です。
 流れる音楽はほとんどバラード的なものはなく、ダンス音楽中心ですが、トレーシーも、あの体型で(失礼!)ダンスもなかなかのものです。最初から最後までノリノリの映画でしたね。思わず身体がリズムに乗って揺れだしてしまいます。
 主人公は無名でしたが、脇を固める俳優陣は豪華です。トレーシーの母エドナを演じるのは、なんとあのジョン・トラボルタです。ジョン・トラボルタといえば若い頃は「サタデー・ナイト・フィーバー」や「グリース」に出演しているのですから、踊りはお手のものでしょうが、女装して、それも太った女性を演じるためにつけ胸、つけ尻でジョン・トラボルタとは思えないメイクで頑張っています。父親役は、クリストファー・ウォーケン。「ディア・ハンター」に見られるように、どこか切れた役を演じさせるとうまい俳優ですが、今回はトレーシーの理解ある父親を演じます。意外にお似合いです。それとトレーシーのライバル、アンバーの母ベルマを演じるのはミシェル・ファイファー。セクシーな女優さんでしたが、歳取りましたねえ。まあ歳を取っても綺麗な御み足でしたが。現在公開中の「スターダスト」でも魔女を演じていますね。
 そのほか、娘が見たかったのはトレーシーが恋するリンクを演じていたザック・エフロン。アメリカのディズニー・チャンネルの「ハイスクール・ミュージカル」の主役を務めているだけあって、いい男ですし、ダンスは最高。トレーシーが出演を憧れる「コーニー・コリンズ・ショー」のホスト、コーニー・コリンズを演じるのはジェームズ・マースデン。大ヒット作「Xメン」シリーズで常にサングラスをかけているサイクロプス役を演じています。
 とにかく、歌とダンスとも見所満載のミュージカルでした。おすすめ。
バイオハザードV(19.11.9)
監督  ラッセル・マルケイ
出演  ミラ・ジョヴォヴィッチ  オデット・フェール  アリ・ラーター  イアン・グレン
     アシャンティ  スペンサー・ロック  マイク・エップス
 シリーズ第3弾です。
 物語は前作から数年後、Tーウィルスは地球上を席巻し、人類は滅亡への道を辿っていた。アリスはアンブレラ社の偵察衛星の目を逃れ、カルロスたちと別れて、一人で旅をしていた。一方、前作でアリスたちと脱出したカルロスとL.J.は、クレアをリーダーとする生き残った僅かな人々とともに、車で大都会を避け、人の住んでいない場所を巡り歩いていた。アンブレラ社は「アリス計画」を始動、アリスのクローン製造を進めていた。
 前作で一緒に脱出したジルと少女はいったいどうなったんだと突っ込みたくなりますが、それはともかく、カルロスとL.J.は無事アリスと再会します。
 今回は砂漠の中でのアンデット(ゾンビ)との戦いです。ゾンビといえば、動きが鈍いというのが定番ですが(このイメージを打ち破ったのが「24時間後」のゾンビですが)、今回アイザックス博士が改良したアンデットも、スピードが速い!これは恐いです。逃げようがないですからねえ。ただ、砂漠なんて広いところでより、やはりIのように閉鎖空間でのアンデッドの方が怖いです。いつどこから現れる?という怖さがありますものね。
 さて、相変わらず、ミラ・ジョヴォヴィッチが戦う女を見事に演じ、派手なアクションを見せます。同じ戦う女でも、「トゥーム・レイダー」のたくましく豊満なアンジェリーナ・ジョリーと異なって、スレンダーなミラという好対照のヒロインですね。
 これでシリーズ終了かと思ったのですが、ラストは「続く・・・」と出そうな雰囲気で終わります。第1作を撮ったときも続編は考えていなかったのにヒットをしたから続編が作られたという経緯があるそうですから、今回も興行成績がよければ、また続編ができるのでしょうね。
 映画の初めでIのシーンを思い起こさせる場面があるなど、なかなかシリーズものらしいサービスもあります。ラストのアンブレラ社の地下基地が日本というのもうれしい。ただ、エンドロールに流れるイメージソングは勘弁してほしいなあ。
ボーン・アルティメイタム(19.11.10)
監督  ポール・グリーングラス
出演  マット・デイモン  ジュリア・スタイルズ  デヴィッド・ストラザーン  スコット・グレン
     ジョアン・アレン  アルバート・フィニー  エドガー・ラミレス  ジョーイ・アンサー 
 イギリスの大手新聞ガーディアンにボーンの記事が載る。その担当記者ロスが、CIAの内部告発に基づいて、トレッドストーンのアップグレードとなる“ブラックブライアー”という計画に関する取材を進めていたのだった。ボーンは情報を得ようとロスに接触しようとするが、極秘計画が探られていることに気づいたCIAによってロスは射殺されてしまう。ロスの情報源であるCIAマドリッド支局長に会うためマドリッドへ向かうが・・・。
 ジェイソン・ボーンシリーズ第3弾です。いよいよボーンの正体が明らかとされます。当初は二枚目という顔でもなく、アクション俳優というわけでもないマット・ディロンではジェイソン・ボーンのイメージに合わないなあと思っていたのですが、3作目となってすっかり役が板についてきましたね。激しいアクションも見事に演じています。
 1作目では記憶喪失のままCIAに追われたため、前作では恋人の復讐のために戦ったボーンが今回は自らのアイデンティティを明らかにするために、CIAの中枢に迫ります。
 ロンドンの駅の構内でのCIAの監視から逃げ隠れしながら記者と接触する場面の緊迫度やモロッコでの殺し屋を追って建物から建物へと飛び移るシーンなどハラハラドキドキのシーンの連続です。そしてなにより前作でもそうでしたが、このシリーズのカーチェイスシーンはすごいですね。最近の映画の中でもあのカーチェイスシーンは抜きんでていますね。見応えがあります。まあ、あれだけボコボコにされて車がまだ動くというのは不思議ですけど(笑)
 前作で恋人を失ったボーンを今回助ける女性は前作にも登場していたCIAマドリッド支局員のニッキー・パーソン。彼女との微妙な関係が男臭い映画にアクセントを与えています。パンフレットに掲載されているストーリーには、ボーンとニッキーが“過去に特別な関係あった”と書いてありましたが、そこまではわからなかったなあ。そうだったんでしょうか。でも、ラストのニッキーの笑みからすると、やっぱりニッキーはボーンのことが好きだったのかと思ったりも・・・。
 CIA内部調査局長のパメラ・ランディも前作に続き再登場です。なんだかこのシリーズは、男たちより女性の方が目立ちます。パメラ役のジョアン・アレンがカッコイイですね。知的な感じで、毅然としていて、こういう女性は大好きです(笑)
 ボーンの誕生の謎も明らかとなったので、これでシリーズ完結のようですが、ラストの思わせぶりな終わり方は、復活があり得てもおかしくないですね。
ディスタービア(19.11.11)
監督  D・J・カルーソ
出演  シャイア・ラブーフ  サラ・ローマー  アーロン・ヨー  デヴィッド・モース
     キャリー=アン・モス  マット・クレイヴン 
 好きだった父親の交通事故死によるショックから自暴自棄になっていたケールは、学校で教師を殴り、裁判所から自宅軟禁処分を受ける。足首には監視システムが付けられ、家の敷地内から出ようとすると警察に通報されるため、自宅内で自堕落な生活を送っていた。そんな彼が見つけた楽しみは近所の家を覗き見ること。親友のロニーや隣に引っ越してきたアシュリーと仲良くなったケールは、親友のロニーと3人で「覗き見ゲーム」に夢中になる。ある日、近所のターナーの怪しげな様子を見た彼らは、ターナーが女性行方不明事件に関わっているのではないかと疑念を抱くが・・・
 動くことのできない主人公が、自分の家の窓から犯罪を目撃するというストーリーからは、ヒッチコックの「裏窓」を思い出したのですが、監督が一番大きなインスピレーションを得たのはジーン・ハックマン主演の「カンバーセーション・・・盗聴・・・」だそうです(「裏窓」へのオマージュはあるそうですが。本当かよ。)。
 覗きの道具は現代的です。単に双眼鏡だけではなく、ビデオや携帯、デジカメなど最新鋭の者を駆使して(?)覗きをします。
 映画の始めに監視装置が作動する範囲を調べてロープで示しておく場面がありますが、これがラストで逆に助けを呼ぶ境界線となるというところは心憎い演出です(結局うまくいかないのですが。)。
 この夏大ヒットした「トランスフォーマー」で一躍有名になったシャイア・ラブーフ主演のサスペンス映画です。彼は来年公開予定の「インディ・ジョーンズ4」ではハリソン・フォードの相棒を務めるなど、今注目の俳優です。とはいえ、イケメンという顔立ちでもないので、日本での人気はイマイチなんでしょうか。公開されたばかりですが観客の入りはよくありませんでした。
 ケールの母親役を演じたのはキャリー=アン・モスです。彼女といえば、なんといっても「マトリックス」ですが、ちょっと太ってしまいましたね。すっかりお母さんらしい体型で、今ではあの体型が強調される黒い皮のスーツは着ることができませんね。まあ、いつまでも「マトリックス」を引きずっているわけにはいかないでしょうけど。
 怪しい男、ターナーを演じているのは、デヴィッド・モース。彼は「グリーンマイル」にも見られるように主人公のよき理解者、片腕という立場の役の印象が強いのですが、今回はそんな印象が一転、どこか切れた感じのする男を演じています。
 ケールが恋するアシュリーを演じたのは、サラ・ローマーというデビューしたての女優さんですが、どこか顔がケイト・ブランシェットに似ています。それほど印象的な女優さんではないですね(つまりはそれほど美人ではない)。
 おいおい、親友にそんなあぶないことをさせるなよ!とか、そんな声を出して進んだら犯人にわかってしまうだろ!とかツッコミどころは満載ですが、まあまあ楽しめました。  
 現実的に、アメリカでは裁判所であんな監視装置を付けた処分が下されるんでしょうか。であるとすれば、アメリカの真似をしている日本でもいつか同じことが行われる可能性が高いでしょうね。
ソウ4(19.11.17)
監督  ダーレン・リン・バウズマン
出演  トビン・ベル  リリク・ベント  スコット・パターソン  ベッツィ・ラッセル  コスタス・マンディラー
 ソリッド・シチュエーション・スリラーなる言葉を広めた「ソウ」シリーズ第4作です。
 今回のゲームの主役はSWATの隊員のリッグ、彼は自宅で襲われ、気づくとバスルームに横たわっていた。ドアを開けるとテレビがつき、そこにはいつもの人形の姿が映し出され、リッグにゲーム(今回はテスト)の始まりを告げる。テレビ画面が切り替わると天井から吊されている男と椅子に縛られている男が映し出される。行方不明となっていたエリック刑事と、リッグとともにソウを追っていたホフマン刑事だった。果たしてリッグは二人を助けられるのか。
 前作でソウが死亡し(そのはずです。)、続編があるのかと思いましたが、なかなか考えて作りましたね。ソウが死んだはずなのに、リッグにゲームを仕掛けているのは誰なのか、ソウは死んでいないのか、はたまたアマンダのような弟子が他にいるのかと、さて脚本家はどうするのだろうと思ったら、そうきましたか。う〜ん、予想外の展開でした。
 シリーズを重ねるごとに殺人の方法がグロテスクになってきましたが、今回も目を覆いたくなるシーンの連続です。前作で死んだジグソウの司法解剖のシーンから始まりますが、頭の皮を剥ぎ取って頭蓋骨の中から脳を取り出したり、胸を切って胃を取り出したりと、冒頭から勘弁してよという描写です。場内はカップルが多かったのですが、決して恋人同士で観る映画ではないですよね。
 前作までの話の続きですので、できれば観る前にはDVDを観て前作までを復習しておいた方がいいです。そうしないとまったく話がわかりません。今回もラスト、短い時間で複雑に絡み合った糸を解きほぐすように、最初からの謎の解明がなされるのですが、正直のところすぐには理解できませんでした。エンドロールを見ながら頭の中で反芻して、ようやく映画自体のトリックは「ああ、そういうことか」とわかりました。ただ、果たしてこういう構成で破綻はないのかと考えたのですが、絶対おかしいぞという点があるのに気づきました。第4作目のことを考えて3作目を作ったわけではないと思いますので、仕方がないですかね。
 この分だと5作目もあるようです。しかし、なかなか第1作は超えられませんね。
ナンバー23(19.11.24)
監督  ジョエル・シューマッカー
出演  ジム・キャリー  ヴァージニア・マドセン  ローガン・ラーマン  ダニー・ヒューストン
     ローナ・ミトラ  リン・コリンズ
 主人公ジャック・スパローは、動物管理局に勤める平凡な男。彼は誕生日に妻から古本屋で買った本を贈られる。その本には、自分が歩んできた人生と同じ人生を歩む男の物語が描かれていた。スパローは、しだいにその物語に没頭し、物語同様に妻が浮気をしているのではないかと疑い、さらにはその物語の中で主人公が「23」という数字に囚われるように、自らも「23」という数字に狂的なまでに拘るようになる。
 コメディ俳優の印象が強いながらも「トゥルーマン・ショー」のような人間ドラマにも名演を見せるジム・キャリーが主人公ジャック・スパローを演じます。今回は、お笑いはまったく封印して、まじめな演技に終始します。
 ジム・キャリーは、どんなジャンルの映画でも、いい意味個性的な演技を見せてくれます。ただ、あまりにアクが強い演技が鼻についてしまうことがあり、ちょっと苦手な俳優さんです。今回もしだいに狂気にとらわれていく主人公を見事に演じますが、やはりどこか過剰としか思えないオーバーな演技が目につくと思うのは僕だけでしょうか。もちろん、逆に「マスク」のように過剰なまでの演技がピッタリな映画もありますが。
 ストーリーもいまひとつ。ミステリーとしてのネタは残念ながらすぐ割れてしまいます。
 おもしろいのは、「23」という数字の持つ意味がいろいろ語られることです。天地創造が紀元前4004年10月23日、シーザー暗殺時の刺し傷が23カ所、テンプル騎士団に存在した23人の総長、ラテン語の構成文字数23文字等々。でも「23」に限らずこじつければ他の数字にだって同じようなことがきっとあるんじゃないでしょうかねえ。   
椿三十郎(19.12.2)
監督  森田芳光
出演  織田裕二  松山ケンイチ  豊川悦司  小林稔侍  風間杜夫  西岡徳馬
     中村玉緒  鈴木杏  佐々木蔵之介  藤田まこと  村川絵梨  伊藤克信
 12月1日から公開された織田裕二主演の「椿三十郎」を観に行ってきました。かつて黒澤明監督、三船敏郎主演という、日本映画が華やかなりし頃のゴールデンコンビで製作された1962年公開映画のリメイクです。前作のファンや今回主演の織田裕二のファンで混んでいるかなと思ったのですが、予想に反して2、3割の入りでした。その中、ご老人のカップル(きっと、若き頃デートで前作を観に行ったんでしょうね。)や歳を召した人は多かったのですが、若い人、特に女性がほとんどいなかったですね。朝の第1回目の上映だったせいなのか、それともこの町には織田ファンの女性が少ないのか・・・。
 前作と脚本が同じですので、ストーリー自体に違うところはありません。何といっても違うのは、前作の主人公を演じた三船敏郎さんの存在感に比べて、さすがに織田さんでは同じというわけにはいかないところですかね。まあ、その点は前作が公開された60年代と今との時代背景が違うからと言ってしまえばそれまでなんでしょうけど。年齢的には三船敏郎さんが演じたときは42歳で、織田さんの40歳とそう違わないのですが、どうしてこうまで見た感じが異なるのでしょうかねえ(まあいい意味、織田さんは若く見えるということですかねえ。)。
 人を斬る場面は、斬った瞬間に血が吹き出るような音はするのですが、血は全然映画の場面では見られません(刀に赤い色がついているくらいです。)。やはり、あまり血しぶきとかがすごいと、年齢制限になってしまう恐れがあるからでしょうか。そのためもあるのか、この作品の最大の見せ場とも言えるラストも、椿三十郎と室戸半兵衛の対決で終わるのは前作と同じですが、前作で評判を呼んだ吹き出る血しぶきのシーンはありませんでしたね。殺陣も違いましたね。やはり三船敏郎と仲代達也の名優には及ばずというところでしょうか。
 印象的だったのは、前作でもそうでしたが、前作では小林桂樹が演じ、今回は佐々木蔵之介が演じた“押入れ侍”ですね。要所要所で笑いを取って、佐々木さんにしてみればおいしい役でしたね。あと出番は少なかったけど腰元のこいそも印象深かったですね。
 「乗った人より馬は丸顔」城代家老睦田がいうことばですが、演じたのは前作では伊藤雄之介さんで、今回は藤田まことさん。両者とも甲乙つけがたい馬顔ですね(笑)
 とにかく、前作のことは忘れて、新たな「椿三十郎」と思って観るのが一番です。
アイ・アム・レジェンド(19.12.15)
監督  フランシス・ローレンス
出演  ウィル・スミス  アリーシー・ブラガ  ダッシュ・ミホック  
 ガン撲滅のために開発されたウィルスによって、人類が死滅へと追いやられた2012年のニューヨーク。ウィルスへの免疫を有し、一人生き残ったロバート・ネビルは、飼い犬のシェパード、サムと他の生存者を捜し毎日AM放送を流しながら、ウィルスの特効薬の研究をしていた。街の中を動き回ることができるのは昼間だけ。夜になるとウィルスによって人間から変態したダーク・シーカーズと呼ばれるものたちが人間の肉を求めてさまよっていた。
 リチャード・マシスン原作のSF小説「アイ・アム・レジェンド」の映画化です。リチャード・マシスンといえば、僕としては「スーパーマン」のクリストファー・リープ主演の「ある日どこかで」の原作者としての方が印象が強いのですが、この「アイ・アム・レジェンド」は題材が映画化しやすいのか、これで3度目の映画化だそうです。
 チャールトン・ヘストン主演の前作の時はまだ中学生の頃。幼い頃からSF映画好きで、当時新聞の映画欄で公開を知って友達を誘って観に行こうとしました。ところが、友達に話をしたら「その映画はエロ映画だ」と言われ、観に行って友達にからかわれるのが嫌で断念した過去があります。全然そんな内容ではなかったのに・・・。今回はようやく子どもの頃の思いを叶えることができました。
 ニューヨークの街中には人の姿が見えず、動いているのは鳥や鹿や、驚いたことになんとライオンの家族です(動物園から逃げたんですかねえ。)。もちろんCGなんでしょうが、高層ビルの間の道路には車がうち捨てられ、動くものがないというシーンは印象的です。ネビルが戦闘機の羽根の上でゴルフスイングですからね、さすがアメリカ映画、スケールが違います。
 周りに誰もいないという状況に置かれたらどうなるのでしょう。主人公はレンタルビデオ店にマネキン人形を置き、話し相手にしますが、寂しすぎます。でも実際に一人だけになってしまったら、誰かに話しかけたくなるのも無理ありません。僕自身きっと同じことをしそうです。孤独って辛いでしょうから。
 生き残った人間がウィルスによって変異したダーク・シーカーズと呼ばれる存在は、前作までの吸血鬼とは異なり、今回は外観は完全にゾンビそのものです(生きていますけど)。しかし、これが走るのが速いんですよね。ゾンビと言えば行動はゆったりしているという印象ですが、このところの「28日後」といい「バイオハザード」といい、走るゾンビが登場します。そのうえ、リーダーにはネビルを上回る知能があります。これでは逃げられませんね。
 アイ・アム・レジェンドの意味はラストにわかります。
ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記(19.12.24)
監督  ジョン・タートループ
出演  ニコラス・ケイジ  ジョン・ボイド  ヘレン・ミレン  ハーヴェイ・カイテル
     ダイアン・クルーガー  エド・ハリス  ジャスティン・バーサ
(ネタバレあり)
 トレジャーハンターのベン・ゲイツが活躍するシリーズ第2弾です。今回はリンカーン暗殺事件の首謀者と疑われた祖先の汚名を晴らすために黄金郷を探すベン・ゲイツたちの活躍を描きます。理屈抜きに楽しむことができる娯楽作品です。
 最初はリンカーン暗殺事件の謎をベンたちが解明していく話かと思ったら、やはりそれだとトレジャーハンターである必要がありません。ベンが主人公である限りは宝探しでなくては。そんなわけで、話は自由の女神からバッキンガム宮殿のエリザベス女王の机とホワイトハウスのアメリカ大統領の執務机に隠された謎へと移り、最後は歴代のアメリカ大統領に引き継がれる歴史の謎が記された“大統領の秘密の記録”の話になります。原題は「BOOK OF SECRETS」ですから、これが中心の話なんでしょうけど。こんなこと考えるなんて、脚本家はすごいですねえ。エリザベス女王とアメリカ大統領の机が同じなんてたぶん、映画の中の話なんでしょうが、こういうことを考えついてしまうこと自体すごいですよ。
 今回の悪役は、南部連合の将軍の子孫だというウィルキンソン。財宝の発見者になって歴史に名を残すのが目的という男でしたが、性格がはっきりしない役柄でした。だいたいベンに部下や武器を置いていけと言われて普通素直に応じるかなあと思ってしまいます。人質まで取っていて有利な状況にあるのにね。それに非情な悪役かと思えば、あわやというときにベンたちを助けたりもします。でもその後またナイフを突きつけたりするんですよね。いったいこの人何?と思ってしまいます。演じたのはエド・ハリス。この人、様々な映画で渋い脇役を演じている名優ですが、今回の役柄は演じるのが難しかったのではないでしょうか。
 ヒロイン役のアビゲイルも前作に引き続き登場です。演じているのはドイツ人女優のダイアン・クルーガーです。美人でスタイルがよくてドイツ人女性らしい顔立ちが勝ち気な性格にピッタリです。割と好きなんです。
 前作にも登場した父親はジョン・ボイドが演じますが、今回は母親も登場。演じるのが今年のアカデミー賞女優のヘレン・ミレンとくるのですから、豪華な出演陣です。ジョン・ボイドとヘレン・ミレンの両ベテラン俳優の掛け合いがおもしろいです。
 それにしても歴代のアメリカ大統領が引き継ぐ歴史の真実が書かれた本というのが本当にあったら歴史は変わるでしょう。ケネディ暗殺の真実とか興味をそそられます。ところで、劇中で大統領がベンに見るように言った47頁にはいったい何が書かれていたのでしょう。最後まで明かされませんでしたが、これって次作につなげるためでしょうか。
エイリアンズVS.プレデター(19.12.28)
監督  ザ・ブラザーズ・ストラウス
出演  スティーヴン・パスカル  レイコ・エイルワース  ジョン・オーティス
     ジョニー・ルイス  アリエイド・ゲイド
(ネタバレあり)

 2004年に公開された「エイリアンVS.プレデター」の続編です。前作は観ていないのですが(映画を観る前にDVDを借りて観ておこうと思ったのですが、同じ考えの人がいるのかいつも貸出中でした。)、B級映画らしい(失礼!)、とにかく細かいことは考えずに楽しみましょうという映画です。
 前作は最後でプレデターの宇宙船の中でプレデターのお腹の中からエイリアンが飛び出たところで終わったそうですが、今回はその続き。結局プレデターの腹の中から産まれたプレデターとの混合種“プレデリアン”によって、宇宙船の中のプレデターは殺され、宇宙船はコロラド州の田舎町に墜落します。それを知ったプレデターもエイリアンの掃討を生業とするプレデターを送り込んできて、人間を巻き込んでの戦いが始まります。
 PGー12の制限がかかっている映画らしく、描写はグロテスクです。だいたい幼い男の子のお腹から例のごとくエイリアンが飛び出してきたり、あげくのはては妊婦の口からエイリアンの幼生(の卵か?)を入れて、その結果妊婦のお腹を破って何匹もエイリアンが顔を出すなんて、普通子供や妊婦なんていう弱者を対象にそこまでの描写はしませんよねえ。
 公開前に流れていた予告編では、エイリアンとプレデターの戦いの場となるコロラド州の田舎町の人口が彼らに襲われるたびに一人、また一人と減っていって、最後に人口一人となったはずなんですが(違いましたか?)、実際は違いましたねえ。公開会社さん、嘘言ってはいけません(笑)
 全体に暗くてエイリアンもプレデターもあまりよくその姿がわからなかったのですが、“プレデリアン”は、あの特徴ある頭にプレデターのドレッドヘアというなんともユニークな姿。プレデターの方はそれほど変わっていたようには思えませんでした。どうでしょう。
 どっちが強いかと言えば、これは当然1人(1匹?)で戦っているプレデターでしょうね。普通のエイリアンなんてあっけなく殺されてしまいますから。結果は明らかです。