2007年読了本マイ・ベスト10

順位 題名 著者 出版社
フィッシュ・ストーリー 伊坂 幸太郎 新潮社
家日和 奥田 英朗 集英社
玻璃の天 北村 薫 文藝春秋
鹿男あをによし 万城目 学 幻冬舎
果断 隠蔽捜査2 今野 敏 新潮社
正義のミカタ 本多 孝好 双葉社
シー・ラブズ・ユー 小路 幸也 集英社
映画篇 金城 一紀 集英社
楽園 宮部 みゆき 文藝春秋
借金取りの王子 垣根 涼介 新潮社
有頂天家族 森見 登美彦 幻冬舎
サクリファイス  近藤 史恵  新潮社
ホルモー六景 万城目 学 角川書店
ゴールデンスランバー 伊坂 幸太郎 新潮社
 今年刊行された本(文庫化されたものを除く。)の中から10冊を選ぼうとしましたが、10冊に絞り込むこともできず、選んだ本の優劣もつけがたく、結局今年は順位なくおもしろかったものとして10冊を選びました。

 まずは伊坂幸太郎ファンとしては、伊坂作品を外すわけにはいきません。今年は年始めに発売になった「フィッシュ・ストーリー」と後半に発売された「ゴールデンスランバー」の2冊。久しぶりの長編の「ゴールデンスランバー」は読み応えがありました。
 奥田英朗さんは、伊良部シリーズではない短編集の「家日和」。来年はまた伊良部シリーズが読みたいです。
 北村薫さんは、「玻璃の天」。昭和初期の時代を背景に、お抱え運転手のベッキーさんが活躍するシリーズ第2弾。いよいよ物語は戦争の色濃い時代に突入していきます。シリーズラストとなる第3弾が待ち遠しい。
 今年いっきにブレイクした万城目学さんは、「鹿男あをによし」とホルモーシリーズ第2弾の「ホルモー六景」の2冊。どちらも超おすすめです。最近勢いのある京都出身の作家さんです。「鹿男〜」はテレビドラマ化されるそうですし、今後も大注目です。
 警察小説からは、今野敏さんの昨年吉川英治文学賞新人賞を受賞した「隠蔽捜査」の第2弾「果断 隠蔽捜査2」です。実際の事件を想起させるような物語でした。
 久しぶりの本多孝好さんは「正義のミカタ」です。“ミカタ”であって“味方”でないところがミソ。
 小路幸也さんは、「東京バンドワゴン」の第2弾「シー・ラブズ・ユー」です。相変わらずの東京下町の人情味溢れる話がグッときます。
 金城一紀さんは、ゾンビシリーズではない「映画篇」。映画ファンにはたまらない話でしたね。
 お馴染み宮部みゆきさんは「楽園」。2002年版の「このミス」でトップを飾った「模倣犯」の続編。今回はフリーライターの前畑滋子が主人公です。上下2巻という大部ですがいっきに読ませます。
 垣根良介さんもやはりシリーズ第2弾の「借金取りの王子」。リストラ請負人という主人公の仕事がサラリーマンに読ませます。
 万城目さんと同様京都出身の作家である森見登美彦さんは、「有頂天家族」。狸が主人公というこの話、相変わらずの京都を舞台にした森見ワールド全開です。続編が待ち遠しい。
 近藤史恵さんは、「サクリファイス」。自転車のロードレースという普段あまり日の当たらない競技を舞台にしたミステリーです。