連載 第九十八回
「 合唱団ある 第21回定期演奏会 」 〜三善晃委嘱作品初演演奏会〜 ・昨年の第20回定期演奏会から1年、6月23日(土)の夜、第21回定期演奏会を聴きに行きました。 (2007.06.24up) |
◆ほぼ定刻通りに開演。
・ステージに立った出演者の顔ぶれを眺めてみると、あちこちに知った顔が見えます。 皆さん活躍されていますね。 ざっと見て男女比率は、女声2/3、男声1/3の割合でしょうか。 男声はそれなりの年齢の幅を持ったメンバー構成に見えますが、女声は結構若い人が多い、というかあまり高齢のメンバーがいないように見受けました。 皆若ぶりなのでしょうか。
◆1ステはパレストリーナのミサ・ブレヴィス。 毎度申し訳ありませんが、私はこの曲知りません。 でも、きれいな曲ですね。 有名な曲でファンは多いようです。
・初めて聴く私にとっては、盛り上がりもあまり無く淡々と進んだという印象ですが、安定した演奏でした。
◆2ステ、久留智之作曲の作品集。 現役の邦人作曲家らしい積極的な作品が並びます。
・女声合唱。 よかったと思います。 昨年の演奏会に比べると、どこかソプラノの響きが少々変わったような気がします。
・男声合唱。 ”笙”との競演で面白かったですが、少々長すぎて後半飽きました。
・混声合唱。 昨年コンクールで全国大会金賞を取った曲。 客席に座って聴いたのは初めてですが、 さすがに上手いですね。 練習、大変だったろうなと要らぬ心配をしてしまいました。 一見、みんな自由に楽しく歌っているように見えますが、常に集中力を保ちながらきっちりと演じきっていました。 また、どんな場面でも個人の声が聞こえることはほとんど無く、各自が合唱としての役割をわきまえているようです。 この辺りが、”ある"が他の合唱団と違うところで、大いに勉強になります。
◆3ステ、お馴染み源田俊一郎編曲の「るさとの四季 」。 ”ある”くらいになると、この曲は余裕で演奏できることでしょう。 あえて遅めで自由なテンポをとり、ところどころアレンジを加えて個性を強調した演奏に仕上げていました。
・”お得意”の演奏中の立ち位置変更やめまぐるしい照明の変更など、色々有りましたが、コンクール全国大会金賞受賞団体がやるのですから全て許せます。
◆4ステ、本日のメインイベント。 「 <その日> -August 6- 」と題する谷川俊太郎の詞による三善晃の委嘱曲。
・詞の朗読に引き続いての演奏でした。 <その日>=原爆をテーマとした曲ですが、高い音楽性と演奏技術を持つ”ある”ならではの演奏であったと思います。 「その日私はそこにいなかった」という印象的な言葉を間に挿んで3つの部分で構成されていましたが、第3部の澄んだ響きに”救い”が表現されていました。
◆最後はアンコール2曲。 昨年のコンクール課題曲と、林光の曲。 アンコールの最後まで、集中曲の途切れることの無い素晴らしい演奏を聞かせていただきました。
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◆”合唱団ある”の定期演奏会ともなると、客席にも多くの知った顔が見受けられました。
・今回の演奏会を聴きに行かれて、その後このHPを御覧になっている皆さん・・・、この記事が、私の感想の中身のことではなく、皆さん自身が演奏を聴いてどう感じられたかを考えるきっかけになれば幸いです。
(!斬捨て御免!、!問答無用!)