北の佐川の"音曲捕り物帖"

leaflet 連載 第八十二回

『 ヒロシマ・バッハ・ソロイスツ 第19回定期演奏会 』


文化の日の11月3日、モーツァルトの『大ミサ曲』という曲を聴きました。
(2006.11.04up)

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ヒロシマ・バッハ・ソロイスツ 第19回定期演奏会
2006年11月3日(祝)18:30開演 エリザベト音楽大学 セシリアホール

グレゴリオ・アレグリ : ミゼレーレ
W.A.モーツァルト : 大ミサ曲 ハ短調 K.427(417a)(モーンダー版)

ソプラノT 昆野智佳子, ソプラノU 池田真子(客演), テノール 榊原 哲(客演), バス 今田陽次
指 揮 寺沢 希,  管弦楽・合唱 ヒロシマ・バッハ・ソロイスツ
入場料:前売券1200円 当日券1500円 学生券800円
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  ◆ヒロシマ・バッハ・ソロイスツの第19回定期演奏会を聴きました。  
  ・前回第18回は満席の幟町教会の後ろの方で聴きましたが、今回はセシリアホールでゆったりと聴くことができました。
  ◆1曲目は、グレゴリオ・アレグリ 作曲の無伴奏合唱曲 『ミゼレーレ』
  ・パンフレットによると、アレグリは17世紀前半の初期バロック時代のローマで活躍した作曲だそうで、この『ミゼレーレ』は当時門外不出の秘曲として知られる教会音楽でしたが、それを聴いた14歳のモーツアルトが記憶を頼りにほぼ完璧に書き写したことで有名だそうです。
  ・如何にも欧州の残響の多い教会の中で演奏するのにふさわしい曲で、よく響くこのホールにもマッチしていました。
  ・混声合唱団に、グレゴリオ聖歌隊と舞台下手裏で歌う影のコーラス4人が対峙しながら曲を織り成してゆきます。  影のコーラスの澄んだソプラノの高音が綺麗でした。  男声3人により繰り返されるグレゴリオ聖歌も良い雰囲気をかもし出していました。
  ・あえて難を言えば、グレゴリオ聖歌隊が演奏中に音取りをするハミングの音がうるさかったことです。  せっかくの美しい影の合唱に、音取りのハミングが被ってはっきりと客席まで聴こえてきました。  無伴奏のかなり長い曲なので、こういう形で途中音取りするしかないのでしょうか?
  ◆2曲目は、モーツァルトの 『大ミサ曲 ハ短調』。
  ・これもパンフレットによると、彼の未完の大作だそうです。  テキストはミサ通常文のようですが、クレドは一部のみ、アニュスデイは全く書かれていとのことです。
  ・曲は、同じミサ曲でもレクイエムとは違い、感謝の気持ちを表す古典的な明るい響きを持っていましたが、大ミサ曲という名にふさわしく、約1時間ほどの大曲で、オーケストラは金管楽器7本にティンパにまで加わった編成でした。
  ・合唱はといえば、このオーケストラに、25人の合唱団(+4人のソリスト)で対応できるのですから凄い実力ですよね。  人数が多ければ良いというものではないことが良く分かりました。  歌詞がミサの通常文ですから、子音が聞こえる聞こえないとかは気になりませんでした。  ただ、ソプラノの響きが所々濁って聞こえたようなのが気になりました。  音色でしょうかね?ピッチでしょうかね?  もうひとつ、ベースの中でソリスト兼務の今田さんの声が目立って聞こえました。  今田さんが楽に歌って済むようになれば完璧でしょうね。
  ・ソリストも良かったです。  個人的には、特にソプラノU池田真子さんのやさしく微笑むような表情の独唱が明るい曲想にマッチして良かったですね。  もちろんソプラノT昆野智佳子さんの澄んだ高音も教会音楽向きで素晴らしかったし、榊原先生の若々しいテナーや、今田さんの張りのあるベースも良かったです、ハイ。  
  ・オケのことは良く分かりませんが、気にならなかったという事は上手だったということだと思います。
  ・寺沢先生の指揮は、今回も少し大振りに見えました。  大曲だし、合唱団が奥にいて遠いため、大きなアクションになってしまうのでしょうか。  しかし、これは指揮者の個性ですし、見た目だけの話で、演奏自体はぐらついたところの無いスケールの大きなものであったと思います。
  ◆最後に、質素な・・・、失礼、スッキリとして無駄の無いパンフレットは好感が持てるのですが、字が小さく詰まっていて、この歳になると読み辛かったです。
  ・開演前の会場の照明をもう少し明るくしてもらえると助かります。  また、モーツァルトが始まる前のステージの準備中に客席の照明をつけてもらえるとその間にパンフレットが読めて助かったと思います。  (あの間は休憩ではないという意味で、客席の照明を落としたままにしたのでしょうが)
  ◆モーツアルト の大ミサ曲は初めて聴く曲だというのに、素人があれやこれや偉そうなことを書いてしまいましたが、アンケートを書いて出す暇が無かったのでその代わりということでご勘弁ください。  
  ・以上、文化の日にふさわしい素敵な音楽を楽しむことが出来ました。
  ・(次回の定期演奏会は、2007年4月29日、第20回だそうです。  また招待状ください!)
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  ◆そういえば、来年2月にこのセシリアホールで広島県合唱連盟主催の初のアンサンブルコンテスト(正式な日時&名称は知りません)が催されるそうですね。  このホールの響きを味方につけれるかどうかでかなり評価が変わりそうです。  参加を予定している人は考えてみてください。  
  ・演奏を聴くのにも入場料が要るそうです。誰か招待状下さい。(有る訳無いか。)
  ・ところで、何故コンテストなのでしょうかね?  アンサンブルフェスティバルでよかったような気がするのですが・・・。

(!斬捨て御免!、!問答無用!)

十手