北の佐川の"音曲捕り物帖"

連載 第六十八回

『  広島市森林公園 森のアカペラ コンサート:”Singers-K” 』


4/30(日)、広島市森林公園(温品)芝生広場で行われたアカペラコーラスグループによる野外コンサートを聴きに行きました。
(2006.05.02up)
leaflet

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    森のアカペラ コンサート
    日時:4月30日(日)13:00〜15:00
    場所:広島市森林公園(温品)芝生広場
    入場料:森林公園の入園料・駐車料金が必要   

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  今年で4回目になるというアマチュア アカペラコーラスグループによる広島市森林公園での野外コンサートで、今回は4グループの演奏が有りました。  最後に登場する”Singers-K”というグループに、マツダ合唱団のメンバー、ベースのY縣さんが所属しています。  
  有名な”トライトーン”のCDは聴いたことがありますが、こういった演奏を生で聴くのは初めてなので、楽しみにしていました。  
  お天気にも恵まれ、ドライブを兼ねてロードスターで森林公園に行きましたが、少し遅れていったため、最初のグループは終わっており、あとの3グループを芝生の上に腰掛けてゆっくり聴きました。  
 
  お目当ての”Singers-K”の出演順は一番最後で、その前の2グループの演奏も聴きましたが、はっきり言うと、この2つは”イマイチ”でした。  
  演奏はどれもベースのコード進行とボイスパーカッションを伴奏にしたカラオケの様なものでした。  それはそれで良いとして、肝心要のベースの音程が不明確な上に、ソロボーカルも自己中、更にバックコーラスが出来もしない難しいハーモニーを歌おうとして邪魔をしている。  という事で、さんさんたるものでした。  
  それと、喋りが下手でした。  まだ結成したばかりの若いグループでレパートリーが少ないのでしょうか、曲と曲の間をしゃべりでつなごうとしていたようですが、これが内輪ウケのネタばかりで白けてしまいました。  
  また、曲の合間で、メンバーがダラダラとペットボトルの水をラッパ飲みする姿も見ていてあまり気持ちの良いものではありませんでした。  たかが30分ほどのステージ、いくら屋外だといっても、そんなに水分補給する必要も、喉を潤す必要も無いと思います。  それとも、ああするのが最近の流行なのでしょうか?  
  まあ、若者ですから少々何をやっても良いとは思いますが、本気でエンターテインメントを目指すならば、ステージ上では歌以外の所作ももっと考えなければいけないと思いました。  
 
  愚痴が多くなってしまいましたが、前2つのグループの演奏が”もう一歩”であっただけに、最後に登場した”Singers-K”の上手さが引き立ちました。  紹介によると、結成して数年、メンバーが入れ替わりながらも経験を重ねて来たとの事ですが、ちょっと玄人好みの編曲をしっかりとしたハーモニーで支えた落ち着いた演奏で、余裕が伺えました。  曲数もアンコールを含めて全10曲と他を圧倒していました。  
 
  ところで、本来マイクを使ってコーラスを歌うというのは難しいことなのでしょうが、ミキサーがうまく調整してくれるからでしょうか、どのグループもほぼバランスよく聞こえてきました。  さらに、そのマイクの特性をうまく使ったボイパ(ボイスパーカッション)は、どれも上手でした。  少ししつこいところもありましたが、本物のパーカッションのように聴こえていました。    

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  全体として少し厳しい発言になってしまいましたが、他人事でなく、前日自分が出演したThe Maple Matesの演奏も含めて、少人数で演奏する無伴奏コーラスの難しさを実感させられた思いです。 ベースのしっかりとした支えと、綺麗な不協和音を静かに演奏することの出来る良い耳を持ったコーラスメンバーが必要でしょう。  
 
  反面教師として、大変勉強になりました。  合掌。  

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(!斬捨て御免!、!問答無用!)

十手