北の佐川の"音曲捕り物帖"

leaflet 連載 第六十三回

『 広島ターフェルオーケストラの第13回コンサート(ブラームスシリーズの第2弾!) 』


3/18(土)、毎回楽しみにしている、広島ターフェルオーケストラの第13回コンサートを聴きに行きました。
(2006.03.21up)

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・2006年3月18日(土)18:30開演
・広島市安芸区民文化センターホール
・演奏:広島ターフェルオーケストラ
・指揮:山路進朗
・プログラム
  1.ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」序曲
  2.ハイドン:オーボエ協奏曲 ハ長調
  3.ブラームス:交響曲第2番 ハ短調

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・1.ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」序曲
  最初からなかなかのノリで、キレの良い演奏でした。  弦も良く鳴っているようでした。

・2.ハイドン:オーボエ協奏曲 ハ長調
  オーボエソロは団員の高橋千絵さん。  プログラムのプロフィールによると、あちこちで活躍されている方のようです。
  演奏は大変素晴らしかったです。  オーボエは演奏の難しい楽器だと聞いていますが、非常に正確で滑らかな演奏でした。  オケとの息もピッタリで気持ちよく聴けました。  こんな上手な人が団員にいるのですから凄いですよね。
  欲を言えば、(こんなに上手なのだから)ソリストとしてもっと自由に演奏しても良かったのではないかな?という気がしました。
  演奏が終わった後の、満足そうな、ホッとしたような笑顔も素敵でした。

・3.ブラームス:交響曲第2番 ハ短調
  昨年から続く、ブラームスシリーズの第2弾。
  第1楽章は、最初に演奏した「フィデリオ」序曲と同様、ノリが良いというか、飛ばしすぎというか、とにかく私の持っているブラームスの交響曲のイメージとかなり違うので戸惑ってしまいました。
  山路さんの指揮は、団員の主体的な演奏を尊重されていて常々好ましく思っておりましたが、ここでの1stバイオリンとトランペット、トロンボーン、チューバ辺りは鳴らしすぎでしょう。
  第2楽章、第3楽章と進むにつれて演奏も落ち着きを取り戻し、ブラームスらしい渋めで厚みの有る響きが出てきたような気がします。
  そして、最後の第4楽章は、集中力を最後まで持続した熱のこもった素晴らしい演奏だったと思います。 最近のターフェルは上手になってきていると思っていましたが(素人が偉そうに言って申し訳ありません)、この第4楽章は特に素晴らしい出色の出来栄えだったと思います。
  1つだけ残念だったのは、私自身のことで、せっかくのこの素晴らしい演奏の終了直後に”ブラボー”と叫ばなかったことです。  周囲の家族や知人の顔がチラリと脳裏を横切り、叫ぶことを一瞬躊躇してしまいました。  しかし、思わず”ブラボー”と叫びたくなるような素晴らしい演奏でした。

・その他の気付き
 @プログラムの楽曲解説、今回も平尾さんの優しい表現が良かったです。
  ところで、今回プログラムの紙質が今までより良くなっていませんか?  この演奏会、毎回入場無料ですから、こんなところにお金をかけて大丈夫かしらと、他人事ながら心配になりました。
 A前回、少年がバイオリンを一生懸命弾いていたのを覚えていますが、今回は彼が詰襟の学生服を着て演奏していました。  成長しましたね。
  こういう団員が参加していると思うと、毎回聴きに来るのが楽しみになります。
 Bプログラムで団員の数を数えてみると、指揮者を含めて65名でした。  金管楽器の賛助出演者4名を含んでいるにしても、凄い人数です。
  この人数だと、今回の安芸区民ホールのステージでは狭すぎませんか?  このホールは響きすぎるし、見た目にも窮屈そうでした。
  お客様も沢山入っていました。演奏のし甲斐がありますね。

 C最後に嫌われるのを覚悟で一言。
  以前から行われている開演前の演奏、良いアイデアだと思います。  今回は、ブラームスの弦楽六重奏曲(ですよね?)の一部を取り上げたのも、メインの曲に合わせたコーディネートでしょうか。
  ただ、この曲、私も大好きな曲ですが、中途半端に演奏できる曲ではないでしょう。  全体のレベルが上がって期待度が高まってきているだけに、余興といえども、不用意な演奏はできないと思います。  演奏の密度が足りなかったような気がしました。

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・次回の第14回コンサートは、いつ どこで 何の曲を演奏するのでしょうか。  楽しみです。


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(!斬捨て御免!、!問答無用!)

十手