北の佐川の"音曲捕り物帖"

leaflet 連載 第六十回

『 広島交響楽団 秋山和慶の「ディスカバリー・ブラームス」シリーズW、「ドイツ・レクイエム」 』


2/5(日)に行われた、このシリーズを締めくくる最後の演奏会を聴きに行きました。
(2006.02.12up)

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日時      : 2006年2月5日(日)  15時開演
場所      : 広島国際会議場フェニックスホール
プログラム  : ブラームス作曲「ドイツ・レクイエム 作品45」
オーケストラ : 広島交響楽団
指揮      : 秋山和慶
ソプラノ    : 腰越満美
バリトン    : 三原剛
合唱      : ディスカバリー・ブラームス特別合唱団

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  広島中央合唱団の方々が出演されており、聴きに行くのを楽しみにしていました。  ブラームスらしく落ち着きのある本当に良い演奏であったと思います。  気付きをいくつか。

・座席
  今回の演奏会は、広響「ディスカバリー・ブラームス」シリーズの通しの指定席券を持っていて、今回の合唱に出演する友人から、券を譲ってもらいました。 本人は出演するわけですから、チケットが余ります。
  座席は前から4列目のやや上手側で、ビオラの目の前に座って見上げるように聴く位置です。  おかげで、秋山さんの指揮やソリストの表情はまじかで見ることが出来ましたが、管楽器はまったく見えず、後ろに並んだ合唱団もビオラ奏者の弓の間からチラリチラリと見える程度でした。

・指揮
  平生の秋山さんの指揮を良く知りませんが、この日の指揮はかなり大振りでした。  合唱団にわかり易くふっていたのかもしれません。

・オーケストラ
  久しぶりに、生でフルオーケストラを聴きました。  やっぱり生は良いですね。  低音の豊かな響きと抜け切った高音が濁ることなく鮮明に聴こえてきます。   自宅のミニコンポでこの手の曲を聴くと情報量の多さについていけず、音が団子になってしまいます。
  「ドイツ・レクイエム」としての印象は、ピアニシモとフォルテシモが無く、合唱を含めて全体が中庸の音量で推移したように聴こえました。  第1楽章の低音弦の弾き出しから音が大きすぎたように思います。  席が前過ぎてppが大きく聴こえたのかもしれませんが、かといって、ffが凄かったかというと、そうでもありませんでした(まあ、レクイエムですから)。

・ソリスト 
  ソリストは、お二方とも上手でした。  ソプラノは少し線が細く、所々硬い音色のところがあったようです。(待ち時間が長いので大変だと思います。)  バリトンは非常に良かったです。  音色、音量、音程、共にすばらしく、表情もこの曲にピッタリだったような気がします。

・合唱
  ”ディスカバリー・ブラームス特別合唱団”と呼ぶそうで、広島中央合唱団、エリザベト音大、崇徳グリー、他のメンバーで構成されていました。  総勢約140名。  構成団体から判るように、各パート共、若い人が多く見受けられました。  崇徳グリーは詰襟の学生服で格好良かったです。
  若い人が多いため、途中のffあたりで力が入りすぎて声が荒れるのではないかと心配していましたが、最後まで叫ぶことなくレクイエムらしい落ち着いた合唱でした。  合唱指導の堀さんにしっかり鍛えられたのでしょうか。  また、若々しくスッキリとした響きが最初から最後まで続き、重くなりすぎない新鮮な「ドイツ・レクイエム」が聴けました。 
  パート別の印象は、ベースは暴力的にならず落ち着いていました。  テナーも破綻せず綺麗でした。  アルトはおどろおどろしさが無く思いのほかスッキリとしていて良く聴こえました。  これら3つのパートに比べると、ソプラノが少し寂しかったような気がします。  なぜでしょうかね?
  (後で聞いたら、女声パート用にPAを使っていたそうですが・・・。)

  「ドイツ・レクイエム」は何年か前に広島中央合唱団の定期演奏会に参加させてもらって歌ったことがあり、大好きな曲です。  皆が歌っているのを見て、うらやましくて仕方がありませんでした。  私も歌いたくなり、客席に腰を下ろして聴いているのが辛かったです。
  一方で、第3楽章のフーガの部分など、持続音を引き続けるコントラバス奏者の動きを目の前で眺めているだけで鳥肌が立ってきました。  「ドイツ・レクイエム」、最初から最後まで本当に良い曲ですね。

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  今回の演奏会、私も合唱団のメンバーに誘われましたが、時期的に仕事やマツダ合唱団の活動が忙しく、辞退しました。  実は、合唱は”暗譜だ"という話が有り、私はそれにビビッで参加をあきらめたのですが、本番を眺めてみると、なんと皆さんチャンと楽譜を携えているではありませんか。(崇徳グリーの皆さんは暗譜でした。)

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(!斬捨て御免!、!問答無用!)

十手