“ザ・ジェンツ”というオランダの男声合唱団をご存知ですが? 団名は”紳士(ジェントルマン)”からきています。
昨年の4月に来日して演奏会を開き、その模様をNHKで放送していました。 夏の観音OB合唱団の練習の時、益田先生から「今朝TVでやってました。すごく上手です。」と紹介があり、再放送があったのをビデオに予約録画して見ました。 連載第46回に少々コメントを入れてあります。
その後、故有って、この録画をDVDに焼く必要があり、改めて見て(聴いて)みましたが、なかなか面白かったので改めて少し紹介します。 (聴いていない人にとっては何のことやらわからないでしょうが・・・。)
NHK放送のテロップによると、オランダの聖歌隊出身で1999年の結成された16人の男声合唱団。 放送した曲は、シューベルトの歌曲、イギリス民謡、その他で、最後のアンコールに例の“舟歌”を歌いました。
最近のこの手の合唱団としては、キングスシンガーズ、シャンティクリアなどがありますが、それらに比べてメンバーが多く、アンサンブルというよりも普通の合唱団に近い響きを出していました。 途中ソロも有りましたが、全体としては個人の声を聞かせるというよりも全体のハーモニーを重視しているように思えました。 どの演奏も、“上手さを覚らせない上手さ”といえばよいのでしょうか、自然な演奏で心和みました。
唯一の驚きは、暗譜で日本語で歌ったアンコール“舟歌”です。 ”さび”の部分だけでなく、その前の盛り上がるところの上手さ、前奏&後奏のしっかりとしたハーモニーなど、単に日本公演のウケ狙いではない本格的な編曲と丁寧な演奏に感心しました。
指揮者は、少年時代には名ボーイソプラノとして有名であったというペーター・ダイクストラ。
面白かったのは、このペーター君が指揮者の途中で突然クルリと客席のほうに向き直ったかと思うと、ニヤリと笑ってソロを歌いだしたことです。 美声のバリトンでした。まだまだ若い長身のハンサムボーイです。人気の出るはずです。
もう一つ面白かったのは、ペーター君が上着のポケットから取り出した音叉で音取りしていたことです。 その姿を見て、学生時代、男声合唱団で同じように音叉1本で音取りしていたことを懐かしく思い出しました。
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幸いにも絶対音感を持たない私は、実は、つい最近までこの440Hz(”A(ラ)”の音程)の音叉を唯一の神器として常に携帯し、合唱団の宴会などの出し物の度にこれで音を取っていました。
ところが、最近この音叉の出番が少なくなってきています。 何故か? 音叉より身近に音取りが出来るツールを見つけたからです。 それはいつも身につけている、携帯電話です。
電話の”ツー”という発信音は”G(ソ)”の音です。 ドコモでもAUでもボーダフォンも、全部”ソ"の音程です。自宅のNTTの固定電話の発信音も同じです。
”A”から音取りしても、”G”から音取りしても(平均律的に見れば)同じことです。 携帯電話は常に身につけているので音取りにぴったりです。 皆さんもぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
さらに、携帯電話にはテンキーやマイク、スピーカー、液晶表示などが有るため、これらを有効に使って演奏家向けに面白い機能を付け加えることが出来ると思います。
・たとえば、音叉だけでなくピッチパイプのように音階が出せる機能を持たせることも出来ます。 0〜9、*、#の12個のボタンでちょうど12音全音出せます。
・また、メトロノーム機能としてはテンキーで数値をインプットして音と液晶画面でテンポを表現することも簡単です。
・さらに、マイクを活用すれば、楽器の演奏家がピッチ合わせに良く使っているチューナー機能をもたせることも出来るでしょう。
・内臓の辞書は、音楽の表意記号やイタリア語などの音楽専門用語を内臓させる。
・もちろん着メロは、自分の演奏を録音したものを流せるようにする。
名付けて”ミュージシャンケイタイ”。 プロ、アマ問わず全ての音楽演奏家にお勧めします。 どうです、あなたも一つ欲しいでしょう。
どこかの会社で商品化してくれませんかね。 まあ、誰でも思いつきそうなアイデアなので、既に検討済みで”ボツ”になったのでしょうか? 欲張った多機能な道具はかえって使いづらいという話も有りますし、・・・。
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(!斬捨て御免!、!問答無用!)