北の佐川の"音曲捕り物帖"

leaflet 連載 第五十六回

『 カント・イタリアーノ “クリスマス 2005” (第51回 イタリア音楽の夕べ) 』


12/5(月)に行われた同演奏会で合唱部分を歌わせていただきました。
(2005.12.18up)

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    ・カント・イタリアーノ 『クリスマス 2005』 (第51回 イタリア音楽の夕べ)
    ・サブタイトル:I BAMBINI HANNO FAME D'AMORE!(子供たちは愛に飢えている!)
    ・2005.12.05(月)18:30 広島県民文化センターホール

  カントイタリアーノは、ご存知エリザベト音大名誉教授のルチアノ・ベルタニョリオ氏(通称ベル先生)の門下生を中心にした声楽家集団で、イタリア音楽を中心にした多彩な演奏会を開催しています。
  今回は『クリスマス2005(第51回 イタリア音楽の夕べ)』という演奏会ですが、“こどもたちは愛にうえている...”と題して、どうしたら世界中の不幸な子供たちに愛を与えることが出来るのかを語りかけるものでした。
  この私がカントイタリアーノの演奏会に賛助出演などとは、まことにおこがましい話ですが、合唱のテナーパートの人数が足りないということで、マツダ合唱団を指導していただいている門野光伸先生からお話があり、合唱部分を歌わせていただきました。  全部で歌い手24名、内テナー3人、ベース4人。演奏会の前半は牧先生が指揮をされるためテナーは私を含めて2人でした。

  演奏曲はバッハのマニフィカト(抜粋)を中心に、独唱曲や重唱、合唱曲で構成されていました。  門野先生と娘さんとのデュエットよかったですね。  一方、門野先生や、小島さん、畑さん、木原先生らが一堂に会してまじめに合唱を歌われるというのも珍しい光景ですが、その中に混じって私が歌うのは場違いな感じもしました。
  伴奏はエレクトーン1台でしたが、そのエレクトーンの多彩な音色には改めておどろかされました。  目をつむって聴いていたら本当にオーケストラが演奏しているみたいです。

  当日朝は雪の降る寒い日でしたが、お客様も沢山集まってくださり演奏会は無事終了、打ち上げにも参加させていただきました。

  興味深いと言えば、本番よりもそれまでのベル先生の指導による練習の内容です。  数回練習があり、私も5回ほど参加しましたが、全体としては合唱部分は少ないため、他の方の独唱や重唱の練習の様子を近くでたっぷりと聴講することが出来ました。
  ベル先生は最初から曲の表現作りを中心に指導されます。  しかも、具体的な指示ではなく、望むイメージを伝えて、自分で考えて工夫してきなさいというものです。  ソリストは、広島ではそうそうたる顔ぶれですが、ベル先生の注文に対してどのような形で答えたらよいのかを必死で考えている様子でした。
  一方、最初の頃は皆さんまだ練習不足で音程、イタリア語の発音ともにシドロモドロと言った感じでしたが、ベル先生はそんなことは気にしていない様子でした。  さすがに皆さん専門家、各自のペースでレベルアップし、きっちりと本番に持っていかれていました。
  私などは、指導者の言われたとおりに忠実に練習を重ねていくという取り組み方で歌ってきましたが、ここでは一人一人が音楽を作っていくことが求められます。  これが本当の音楽作りですよね。
  そういえば、門野先生がマツダ合唱団を指揮して下さるとき、皆に「あなたはこの場面で何を思い浮かべますか?それぞれ自分自身で具体的なイメージを持って歌ってください!」とおっしゃいます。  決して”これ”を思い浮かべなさい”と強制はされません。
  合唱においてもメンバー一人一人が自分の意思でイメージを作らねば主体性を持った音楽にならないという事です。

  参加して良かった。 終わり。

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(!斬捨て御免!、!問答無用!)

十手