連載 第五十回
『第4回広島ターフェルオーケストラのオリジナルコンサート』 団員が作曲した曲を披露するコンサートを聴きに行きました。 蓋を開けてみるまでは何が入っているかわからない“闇鍋(やみなべ)パーティー”です。 (2005.09.17up) |
第4回広島ターフェルオーケストラのオリジナルコンサート
2005年9月10日(土) 午後6:30開演(6:00開場)
広島市安芸区民文化センター スタジオ
入場無料
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・先日、広島ターフェルオーケストラの”オリジナルコンサート”というものを初めて聴きに行きました。
・何が”オリジナル”か?というと、団員が作曲した曲を披露するコンサートだからです。 初演にして終演?となる新曲のみを演奏します。 これで4回目だそうです。
・今回は4人の作曲者が登場。 演奏前に、ちょっと恥ずかしそうに、しかしその実かなりの自信を持って自分の曲を紹介し、客席で一緒に曲を聴いていました。
・私は作曲も編曲も出来ませんが、作曲するというのは大変だと思います。 メロディー、ハーモニィー、楽曲構成、演奏技法、等など、ボーっと聴いているだけでは解らない苦悩と喜びがいっぱい詰まっているのでしょう。 その初演ですから作曲者が一番楽しそうでした。
・また、演奏の合間で椅子や譜面台を並び替えるのも作曲者自身という、まさに自前の演奏会です。
・この手の演奏会は、内輪で受けて自己満足に終わり、第三者はしらけてしまうものが多いようですが、今回の演奏会は、何故か好意的に聴くことが出来ました。
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・個々の曲についての感想を述べても、聴きにいっていない人には何のことか分からないとは思うのですが・・・、
@梶幸一朗 『殻の中』:弦と木管の6重奏。 作曲者のコメント通り、確かに合わすのが難しそうな曲でしたが、よく演奏していたと思います。 モダンな響きの中に緩急取り混ぜたいろいろな色があり最も楽しめました。 原曲のサックス4重奏が聴いてみたくなりました。
A大魚信頼 『さかさ も さかさ』:バイオリンとビオラの6重奏。 一つの楽譜を上下逆に同時に演奏。 是非楽譜が見てみたいものです。 制約があるからこそやる気が沸いてくるのでしょうが、その難しさを感じさせない曲に仕上がっていたと思います。
B大魚信頼 木管五重奏のための『まつばぎく』
C楠元寛史 間奏曲集 : 弦楽4重奏曲。 合唱を始める前、実は弦楽4重奏や8重奏、弦楽合奏を聴くのが好きだった私としては、昔どこかで聞いたことのあるような古典的な響きを持っていて最も落ち着いて聴けました。 ちょっと楽器のピッチが合わないのが残念でした。
D伊藤秀明 『上機嫌機関車』:弦楽合奏+パーカッションという面白い編成。 パーカッションが蒸気汽関車の金属的な特徴をうまく表現していました。 最後のところで作曲者自身が、ビンを持ってステージに上がり楽しそうに叩いていました。
E大魚信頼 小管弦楽のためのセレナード:バラエティーに富んだ4楽章の曲。 終曲はセレナーデというよりも喜遊曲風で楽しく締めくくっていました。
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・4人が競い合うわけでもなく、それぞれ勝手に作曲したものを持ち寄った演奏会。 団名の元になっているというターフェルムジーク(食卓の音楽)に引っ掛けて言うと、“ブイヤベース”、日本風に言い換えると“闇鍋(やみなべ)パーティー”です。
・蓋を開けてみるまでは何が入っているかわからない、期待と不安。 手作り料理なので、いろいろありますがそれも味のうち。 けっこう美味しかったです。
・私の狭い見識では、合唱関係で団員が自作した曲をこうした形で演奏するというコンサートを広島で聴いた覚えがありません。 しかも単発ではなく定期的に。 ターフェルがうらやましいです。
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(!斬捨て御免!、!問答無用!)