北の佐川の"音曲捕り物帖"

leaflet 連載 第四十六回

『広島県立広島観音高等学校音楽部OB合唱団 第4回祈念コンサート』


”碑”の演奏会に参加しました。
(2005.08.16up)

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・『広島県立広島観音高等学校音楽部OB合唱団 第4回祈念コンサート』
公演場所:広島県民文化センターホール
本番:8月7日13:30開演
演奏曲目:
   (1)無伴奏による混声歌集(サリマライズ、夢みたものは、小さな空、死んだ男の残したものは、北極星の子守歌)
   (2)混声四部合唱「唱歌の四季」(編曲:三善晃)(朧月夜、茶摘、紅葉、雪、夕焼小焼)
   (3)委嘱作品(半田亨雄詩、蒔田尚昊曲)(うたってください〜碑の願い〜、相生橋、八月の空)
   (4)混声合唱のためのレクイエム「碑」(薄田純一郎詩、森脇憲三曲)
   バーンスタイン:「キャンディード」より
指揮:益田 遙

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   5/29付け音曲捕物帖 連載 第四十一回で紹介した演奏会です。  今年のサマーファイトシリーズもこの観音OB合唱団の祈念演奏会で前半を終了しました。  今年で参加3年目、しかもほぼ同じような曲が続くと、あまり書くことがなくなります。  ということで、音曲捕物帖に取り上げるのを少々サボっておりましたが、演奏会からちょうど1週間たったこのお盆に、ちょっと面白い新聞記事&演奏会TV放送がありましたので載せることにしました。


(1)カラオケ上達の基本
   まずは昨日8/14(日)の某新聞の日曜版に載っていたカラオケ上達の基本に関する記事。
   それによると、『自分の歌がうまいということを聴く人にアピールしたいのか、それとも歌の主人公の心や作品の持つメッセージを伝えたいのかということ。  人前で歌うのはそのどちらかのはず。』
   さらに続けて、『プロ、アマを問わず歌のメッセージが聴く人に届いてこそ評価される。  歌がうまいということと、うまく歌えることとは違う。  歌のコツを知っている人はいかにも歌がうまいように聞こえますが、プロのまねにすぎないことが多い。  歌は心、体全体を使って表現しないと心は伝わらないものです。』
結局カラオケ上達の極意は「しっかり発声、心と体で表現」だそうです。

   言われてみれば至極当たり前のことですがこれがなかなか出来ないし、合唱団の演奏にも当てはまると思います。
   観音OB合唱団のこれまでの4回の演奏を考えたとき、一点の曇りもなく“作品のメッセージを伝えたい”という後者であることがわかります。  “碑”を通じて集まり、さらにそこから新たな委嘱曲へと発展させながら平和への思いを表現し続けています。  皆歌っている途中で胸がいっぱいになってまともに歌えなくなってきます。  遠方団員もいて、毎年この演奏会のために駆けつけてきますが、この思いを一緒に届けたいという強い意志がそうさせているのだと思います。
   こうしてみると、観音OB合唱団のメンバーはカラオケが絶対に上手なはずです。


(2)合唱団『ザ、ジェンツ』の来日公演。
   続いては、7月にTV放送があり、それをお聴きになった益田先生がすばらしいと絶賛された合唱団『ザ、ジェンツ』の来日公演。  1999に結成されたオランダの聖歌隊出身の男声16名の合唱団だそうです。  このTV再放送が8/15(月)にあることを観音OB合唱団のメンバーが連絡してくださり、録画して見ました。
   確かにすばらしい演奏で興味深い点がいくつかありましたが、そのことは機会があれば別に述べるとして、面白かったのは、ドイツ語や英語の歌を歌い通した演奏会のアンコールに(八代亜紀が歌ってヒットした)“舟歌”を男声コーラスに編曲して日本語で歌い大喝采を浴びていたことです。

   “舟歌”が受けたのは、演歌という意外性もありますが、日本語の曲であったことが大きく関係していると考えます。  失礼ながら、このときのお客さんの9割以上は、英語やドイツ語の詞の意味を理解しながら聴いていたとは思えません。 “舟歌”ならわかります。 『酒はぬるめの燗がいい・・・・、』 この日本語の歌詞が心の中に届いたのだと思います。
   観音OB合唱団のこれまでの4回の演奏会、外国の曲もありましたが歌詞はすべて日本語だったと思います(違ったかな?)。  お客さんの年齢層が幅広いこともあるでしょうが、われわれがドイツ語や英語で歌っても詞の内容は日本人のお客様にはわかりません。  やはり日本語が一番です。
   映画館へ行って外国映画を見る場合でも、原語+日本語字幕では、字幕を追うのが精一杯でスクリーンに目が行きません。  吹き替えが一番です。  そう考えると、国内の演奏会で英語やドイツ語の曲を聞かせるのは、字幕の出ない外国映画を見せているのと同じだと思いませんか。(台本は手元に持たされているにしても。)


   さあ、盆休みを挟んでサマーファイトシリーズの後半、合唱コンクールへ突入です!


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(!斬捨て御免!、!問答無用!)

十手