連載 第四十五回
サマーファイトシリーズ その2 『広島平和コンサート2005』 NHKで全国放送された同番組に合唱団員として参加しました。 (2005.08.11up) |
・『広島平和コンサート2005』
公演場所:(広島平和公園内)屋外特設ステージ
本番:8月6日19:30〜NHK全国生放送(総合&ハイビジョン)
合唱関係演奏曲:
広島平和の歌
三枝成彰:川よ とわに美しく
いずみたく:見上げてごらん夜の星を
バーンスタイン:交響曲第3番「カディッシュ」より「フィナーレ」
バーンスタイン:「キャンディード」より
指揮:佐渡 裕
オーケストラ:広島交響楽団+ワールド・ユース・オーケストラ
独唱者:佐藤しのぶ、佐野成宏、他
合唱団編成:
晋友会(東京)55名 + 広島特別編成合唱団 104名(広島県合唱連盟関係団体有志) + NHK広島児童合唱団40名
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以前のこのコーナー(音曲捕物帳 連載 第四十回〈5/29更新〉)で予告した表記のコンサートに参加しました。 NHKで全国放送する演奏会ですが事前情報が少なく誰にもコンサートの全体像が掴めないため心配していましたが、ある意味予想していた通り無事に終了しました。
気付きをいくつか。
(1)屋外特設ステージ
・平和公園敷地内に構築されたこの屋外特設ステージが予想を超えた巨大な作りで驚きました。 まるで、一時期放送した筋肉番付のセットのようでした。 まあ、屋外のライブコンサートではこの程度のステージを組むのは普通かもしれませんが、私は直接目にしたのは初めてで驚きました。
・途中小雨も降りましたが無事ここで演奏することが出来ました。 もし朝から雨が降っていたら、会場を隣の国際会議場フェニックスホールに変更することになっており、この巨大なステージは使われることなく解体されていたかもしれません。 そんなリスクを犯してまで、屋外ステージでの演奏を企画したNHKさんの胆と”財力”の太さには脱帽します。
(2)サウンドチェック
・NHK総合&ハイビジョンでの生放送ということで、念入りなサウンドチェックがありました。 サウンドチェックとは、いろいろな楽器や歌声の音量バランスや各種エフェクト(エコーなど)を設定するもののようですが、屋外ステージで会場の反響がないため、各楽器の前にマイクを設置して、本番の3日前くらいからステージ練習の前に念入りに設定を繰り返していました。
・演奏者に向けてのスピーカーによる拡声もありましたが、後ろに位置する合唱団員にはやはりオケやソリストの音は聞こえ辛く、演奏する我々は一生懸命自分のパートを演奏するだけでした。 実際の会場では、セミが鳴きパトカーのサイレンも聞こえていました。 指揮者の佐渡裕氏にもTVで放送される音量バランスや音色は判らないままだったのでしょうか。(事前にチェックはしているでしょうが)
・よく考えると、指揮をしたのは佐渡裕ですが、音楽としてまとめて最終的にリリースしたのはNHKのミキシング担当者だと言うことになってしまうのでしょうか。
(3)TV放送
・後で録画を見ました。 NHK総合TVの方は、”へー、こんな番組になるんだ”と感心しました。 さすがTV放送ですね。 うまく演奏と演奏の間をつないでいました。 ハイビジョンの方はNHKの杉浦アナの司会で演奏会をずっと放送していましたが映像の木目が細かでした(我が家にはハイビジョンありません)。 演奏の音質、音量、バランスも見事に修正されており、セミやパトカーの音もしませんでした。
・あんなスカスカな反響のない屋外ステージで演奏していたのに、こんなに豊かな響きになるとは驚きですが、われわれが歌うカラオケや自宅でのステレオ再生を含めて電子機器を使えばこうなるのは当然といえば当然のことでしょう。
(4)佐渡裕氏の指揮
・私、実は今回のコンサートに参加するまで、佐渡裕という人を知りませんでした。 回りの皆さんは良くご存知で、すごい指揮をすると評判でした。 春から2〜3回合唱指導に来られましたが、椅子にもたれかかって普通に指揮をするだけで、私としては特にコメントするようなオーラは感じられませんでした。
・しかし、晋友会合唱団が加わった本番の3日前あたりから徐々に力が入ってきたようです。 そして、屋外特設ステージの中央に立った佐渡裕氏は見違えるようにダイナミックでキレのある指揮を見せてくれるのでありました。
・練習の合間に話す内容にしても、もったいぶって話すわりに大した事は言っていないのですがなんとなくすごいと思わせるところも大物の証でしょうか。
(5)カディッシュ(バーンスタイン)
・連載第四十回の予告にも書いた通り、合唱部分は臨時記号がいっぱい付いていて、7/8拍子や7/4拍子が主体の難しい曲です。 しかも歌詞は当初誰も読み方が解らなかったというヘブライ語。 歌はソプラノソロに児童3部合唱+混声合唱ですが、混声合唱は4部から8部、最後のところは12部(各パートが3つ)に分かれるところもあります。 最高の演奏を目指すという広島県合唱連盟山本理事長の掛け声の下、春から始めた合唱練習のほとんどをこの曲の練習に費やしましたが、最終的には人に聞かせられるレベルには達したと思います。
・”虹のテーマ”と佐渡さんが称する慈愛に満ちた静かなバイオリンのメロディーに乗って平幹二朗が朗読する前半を経て、突然合唱団が立ち上がって歌い始めます。 歌うというより叫びます。 佐渡さんから叫べと指示されました。
・個人的には、最後までこの曲に馴染めないままあっという間に本番が終わってしまいましたが、聴かれた皆さんの印象はいかがでしたか? ん、なに、平幹二朗の朗読は良かったが、その後の合唱部分は特に覚えていない、ですって。・・・・・残念。
(6)その他
・私の知り合いの多くの人がTVを見てくださっていたようで私が何度も画面に映っていたといって下さいましたが、TVに映るか映らないかは位置取りに大きく左右されるようです。 私の場合、たまたま合唱団中央に位置していたため、カメラがどう動いても大体その視野にひっかかり、よく画面に映っていたのだと思います。(白髪頭で目立ったといううわさもあります)
・指揮の佐渡裕、ソロの佐藤しのぶ、槇原敬之、五嶋龍などなどの有名人に対し、皆さんこぞってサインをもらい一緒に写真をとっていました。 特に一緒に参加したマツダ合唱団のメンバーが演奏本番以上に積極的に取り組んでいるように見受けられたのは気のせいでしょうか?
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(!斬捨て御免!、!問答無用!)