連載 第四十三回
『広島メンネルコール 創立50周年記念 第35回定期演奏会』 (2005.07.16up) |
・『広島メンネルコール 創立50周年記念 第35回定期演奏会』
2005.7.10(日)13:30開演
広島国際会議場フェニックスホール
演奏曲目:1.男声合唱組曲「心の四季」、2.“メンネルあの歌、この歌…2005”、3.男声合唱のためのレクイエム「碑」
指揮:益田 遙、ピアノ:望月 友利栄
入場料:1000円
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雨の中、フェニックスホールは満員でした。 あまりの長蛇の列に予定を早めての開場、3階席までいっぱいで、途中からアリーナ席を開放しての演奏となりました。 最前列も空席はありませんでした。
今回は、耳に慣れた混声合唱曲「心の四季」の男声編曲版と、逆に今まで混声編曲版でしか聴いた(歌った)ことがなかったレクイエム「碑」のオリジナルである男声合唱版という2つの演奏を聴くことが出来ました。 今回の目玉は、心待ちにしていた男声版「碑」です。
最初に全体の印象を述べると、正に“いぶし銀”のような大人の男声合唱でした。 若者の多い男声合唱団にはない、落ち着いた演奏でした。
はっきり言って平均年齢はかなり高いと思われますが、それを上手く生かして、決して叫ぶことなく、決して走ることなく、また会場の残響特性に影響されることなく人数の厚みによって豊かな響きを生み出していました。
パンフレットによると、現役団員は約40名ですが、人数を数えてみると、1ステ50人、2ステ66人、3ステ77人がステージに上がっていました。 創立50周年を記念して、OB、そしてメンネルコール広友会と呼ばれる東京在住の現役OB?との競演です。
OBを加えた、(にわか作りの)大合唱団をここまでまとめ上げられたのはやはり、参加者一人一人の創立50周年記念に向けての熱い思いと、益田遙先生の冷静な指導によるものだと考えます、はい。
さて、1ステ 男声合唱組曲「心の四季」。
存知の通り、オリジナルはピアノ付の混声合唱曲ですが、作曲者 高田三郎の死後、須賀敬一氏によって2002年に編曲された男声版だそうです。
流れるようなピアノと共に聞こえてくるはずの女性の声がないのは少々寂しい気もしましたが、それはこの“いぶし銀”のようなこの合唱団の特性によるものでしょうか。 とは言うものの、混声合唱版を聴きなれた耳にも違和感のない良い男声合唱曲に仕上がっていたと思います。
2ステ “メンネルあの歌、この歌…2005”。
この団の最近の定番ステージで、観客と一体になって楽しむことが出来ました。
あえて言えば、やはりアカペラ男声合唱曲の難しさを改めて実感したというところでしょうか。
3ステ 男声合唱のためのレクイエム「碑」。
私は一昨年から観音高校音楽部OB合唱団に参加して、混声合唱版の「碑」をテナーで歌っています。 今年も3週間後に混声版のステージで歌います。 この曲のオリジナルが男声合唱版であることは歌い始めた2年前に知りましたが、その男声合唱版を始めて聴けることに大いなる期待を持って臨みました。
結果、旧制中学校の男子生徒の被爆の惨状を深く歌い上げる男声合唱の演奏に心打たれました。 抑制の効いた男声合唱特有の響きが倍音と共に伝わって来ました。 この曲が男声合唱曲として作られた意味が分かったような気がします。 合唱団員の思いが詰まった非常に引き締まった中身の濃い演奏だったと思います。
今自分が本番に向けて練習している混声版「碑」のテナーはベースパートとのユニゾンが多く、個人的にあまり面白くありません。 男声版のトップテナーが歌いたい! 昨年、一緒に男声版を歌いませんかと誘われたとき、無理をしてでも参加しておけばよかった!
オリジナルの男声合唱版を聴いてしまうと、もう混声版の「碑」には戻れない!? ・・・かどうかは、8/7(日)14時からの観音高校音楽部OB合唱団の混声合唱版“レクイエム「碑」”を歌ってみてから最終判断することにしましょう。 指揮は今回と同じく益田遙先生です。
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一緒に聞いていた人が、「最後のあたりは疲れたせいか声が出ていなかったようですね。」、と言われたので、自分の経験から、「きっと、感動で胸がいっぱいになり歌えなくなったのでしょう。」と、教えてあげました。
また、終演後出口で出会った他の友人が、「昔のメンネルの男声合唱らしい輝かしいパンチが欲しかったですね。」と言われたので、「OBや遠方団員を含めたこれだけの多人数で音楽的な破綻を来さないようここまで統制の取れた音楽作りが出来たのはすばらしいと思います。」とコメントしておきました。
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(!斬捨て御免!、!問答無用!)