北の佐川の"音曲捕り物帖"

leaflet 連載 第四十二回
『広島中央合唱団 第40回定期演奏会』

(2005.07.09up)

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・『広島中央合唱団 第40回定期演奏会』
2005/07/03(日)14:30〜 エリザベト音楽大学セシリアホール

   先日行われた標記の演奏会を聴きにいきました。
当日は急に仕事が入りましたが、何とか切り上げてタクシーで会場へ向かいました。雨模様でしたが沢山の方が来場されていました。
牧先生に代わって、今回から指揮者が寺沢希先生となり、その変化がどのような形で現れるのかを楽しみにして聴きました。

   プログラムは
T.カンタータ第131番「深き淵より、主よ、われ汝に呼ばわる」(J.S.バッハ)
U.ミサ ホ長調 op.192(J.G.ラインベルガー)
V.詩編42番(F.メンデルスゾーン)
(T、Vはオケ+オルガン付、Uはオルガン付でした。)


   最初の T.バッハのカンタータは、思ったよりスッキリとした演奏でした。このホールはよく響くので下手をすると輪郭のはっきりしないぼやけた演奏になりがちですが、そんなことはありませんでした。
   U.ラインベルガーのミサ曲については、最近、ラインベルガーの他の曲を聴いたもので、このミサ ホ長調 op.192はどんな曲かと期待して聴きました。 ハーモニーが難しいのでしょうね? オルガン伴奏の低音部(ペダル)の音量も少し大きすぎるような気がしました。
   休憩を挟んだ後の、V.メンデルスゾーン詩編42番は、さすがメンデルスゾーンと思わせるような美しいハーモニーがダイナミックに伝わってきました。

   例によって、素人が勝手なことを言わせてもらえば、
   (1)全体として、予想以上にスッキリした演奏に仕上がっていたと思います。どのパートも(特に女声は)綺麗な響きが伝わってきました。まさに指導者の変更による変化でしょうか。
  その中で、テナーの頑張っている”声”が見えてしまったのが少し残念です。テナーの人数が少ないのはその時々の事情でしようがないと思いますが、無理せず綺麗な響きを出せば十分だったと思います。(自分がテナーナなので、ついつい気になってしまいました。すみません。)
   (2)ソリストは皆さんお上手でした。オケの後ろ(合唱団の前)で歌っておられましたが、オケの前で歌われたほうがソロらしくて良かったのではないかと思います。(まあ、曲間の出入りとかいろいろ制約だあったのでしょう。)
  ところで、テナーソロの榊原哲さんは、この秋行われる例の小澤征爾のフォーレ・レクイエムの練習指揮者だそうで、非常に評判が良いと聞いております。 実は、この7/31(日)に同じくセシリアホールで行われるエリザベト音楽大学同窓会主催の「原爆死没者のためのREQUIEM:FAURE」の指揮者がこの榊原先生です。 小澤征爾のフォーレクに参加する人は、榊原先生の指揮によるこのエリザベト音大同窓会のフォーレクを聴かないわけにはいかないでしょう!(エリザベト音大の同窓生でない私もテナーの助っ人として出演予定で、この6月から榊原先生指揮の練習に参加しています。)
   (3)オケのヒロシマ・バッハ・ソロイスツについては、相変わらず若い女性団員が多いのが気になってそちらばかり見ていました。
   (4)寺沢先生の指揮は、チョッと変わった振り方をされますが、ダイナミックな指揮で全体を上手く引っ張っていらっしゃるように見受けられました。  演奏とはまったく関係ありませんが、指揮をするときのダイナミックさとは対照的に、演奏前後の出入りの時などに見られる恥ずかしそうでぎこちないしぐさが印象的でした。

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   といったような話題を肴にして、その日の夕方友人と会場近くの居酒屋で酒を飲んでいたところ、たまたま隣の座敷?に居合わせたある方が、我々の話し声を聴いてこちらに声を掛けてこられました。  その方は、私達も良く知っている、中央合唱団を良くご存知の方で、もちろん演奏会を聴きにこられた帰りで、ひとしきり盛り上がって歓談しました。
   最後に、その方にお聞きしたこの日の演奏の感想をご紹介します。(私の記憶に残っている話の主旨で、表現は若干異なっていたかもしれません。)
   「確かにスッキリした演奏でよくなってきていると思います。さらに発展していくために、尖ったところを摘んで整えるのではなく、みんながさらに大きく伸びていって、結果としてまとまりのある大樹となっていくことを期待しています。」

   中央合唱団の今後が楽しみです。

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おまけで、上記、榊原先生指揮のフォーレ・レクイエム演奏会の宣伝をしておきます。(私も歌います)

 「原爆死没者のためのREQUIEM:FAURE」
(7/31(日)16:00〜 エリザベト音楽大学セシリアホール)
演奏曲目:ラシーヌ賛歌、レクイエム(フォーレ)
指揮:榊原 哲 (エリザベト音楽大学非常勤講師)
オーケストラ:エリザベト音楽大学同窓生
ソリスト:Sop.杉浦由美子、Br.小島克正、Org.日山かおる
混声合唱:エリザベト音楽大学同窓生
主催:エリザベト音楽大学同窓会
入場料:無料

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(!斬捨て御免!、!問答無用!)

十手