北の佐川の"音曲捕り物帖"

leaflet 連載 第三十六回
『エリザベトシンガーズ スプリングコンサート』
2005/03/13 エリザベト音楽大学セシリアホール

(2005.03.19up)

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・久しぶりに、エリザベト音楽大学附属室内合唱団”エリザベトシンガーズ”の演奏を聴きにいきました。

・”スプリングコンサート”の演目は、以下の3部構成。
第1部:”天使の父の声は” (W.マンディー)
第2部:”ミサ曲 変ホ長調”作品109 (J.G.ラインベルガー)
第3部:”混声合唱のための うた T・U”より (武満 徹)
・歌い手は17人で各パート平均4人。メンバーに変更があったのでしょうかね?、見たことのある顔が並んでいました。  指揮は、第1&第2部が寺沢さん、第3部が門野先生でした。



・”天使の父の声は” は、初めて聴く曲です。各パートソロの2声から始まって8声まで広がるとのことでしたが、1ステということもあり、一部調子の出ないところも見受けられました。

・ラインベルガーのミサ曲は、ラテン語のミサ通常文を用いていますが、二重合唱というのでしょうか、混声合唱団が2組に分かれて掛け合うような形となっていました。  各パート2人ずつということになるため厳しいかなと思いましたが、さすがプロフェッショナルレベルの合唱音楽を目指してということだけあって、バランスよく歌い上げていました。
パンフレットの寺沢さんの解説には「19世紀に書かれた最も美しいア・カペラのミサ曲」と書いてありましたが、確かにメロディーラインのはっきりとした美しい曲で、いつかマツダ合唱団で歌ってみたいなと思いました。

・武満 徹の”混声合唱のための うた”は、その内の何曲かを自分でも歌ったことがあるため、興味を持って聴きました。
門野先生の指揮は、比較的ゆっくりとしたテンポではありますが情緒的になりすぎることなく、清潔感を持った演奏に仕上がっていたように思いました。
テナーも、自分が歌うと頑張りすぎてしまいそうなところも、ヒステリックになることなく内声パートの役割をしっかりとこなしており、さすがプロという感じがしました。
・それにしても、前奏・後奏など武満音楽特有の難しいハーモニーを聴くにつけ、昔自分たちがこれらの曲を演奏したことの無謀さを改めて痛感しました。



・1〜3部、どれもア・カペラでの充実した演奏で楽しめましたが、どこが”スプリングコンサート”なのかな?、という疑問もありました。
しかし、最後のアンコールで、武満 徹の”さくら”の演奏があり、これでやっと”スプリングコンサート”になったなと、納得して終わることができました。  めでたしめでたし。


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(!斬捨て御免!、!問答無用!)

十手