北の佐川の"音曲捕り物帖"

leaflet 連載 第三十五回
『合唱団そら 第13回ヘンデル・メサイア演奏会』
2005/03/05 エリザベト音楽大学セシリアホール

(2005.03.07up)

********************************************************************************

・先日行われた標記の演奏会を聴きにいきました。

・自分が歌う側に参加した演奏会の場合、打ち上げに参加するため帰りが遅くなり次の日も二日酔いで音曲捕物帳まで手が回らず、このコーナーに載せるのが遅れてしまいます。そうこうする内に1週間が経ち、古新聞になってしまうという次第です。(誰も待っていないでしょうが・・・)
・それに対して、他人の演奏会を聴きにいくのは大抵一人だし、帰りに寄り道することもないため、音曲捕物帳のペンが走るというわけです。

********************************************************************************

・閑話休題
・”大変すばらしい演奏でした。 安心して聴くことができました。(私もメサイヤを歌ってみたくなりました)”・・・演奏会のアンケートにはこう書いて出しましたが、書いた通りすばらしい演奏会でした。
・一部抜粋してありましたが、それでも合唱曲、ソロ取り混ぜて正味2時間半近くもっかる大曲です。あの有名な”ハレルヤ”部分はよく知っていますが、他の曲はどれも聴き覚えがありません。それでも途中”一睡もすることなく”、最後まで聴きとおしました。

・合唱は三十数名ですが、ホールの残響に乗って、よく声が伸びていました。
・特に女声は(見た限りでは)若い人ばかりで、ヴィブラートのない澄んだ歌声で、オーケストラともよくマッチして高音の伸びがすばらしかったです。男声も以前はテナーがイマイチでしたが今回は内声として上手く溶け合っていたように思います。16分音符の細かい動きの出てくる箇所が何曲かありましたが、女声だけでなく男声も乱れることなく歌いこなしていました。凄い!
・この合唱団はメサイアを何度も演奏している為か、例の”ハレルヤ”の部分も気負うことなく自分の手の内で上手くコントロールし、終曲までどのパートも破綻することなく歌い通していました。 

・ソリストも音程・音量・声質・音楽性どれをとっても皆さんお上手でした。個人的にはアルトソロが秀逸に思えました。最初の部分で一部ミスがあったようですが、全体として丁寧にじっくりと歌っている印象でした。ソプラノソロ2名もタイプは異なりますがお上手でした。男声ソロの二人も難しい曲を非常に上手に歌いこなし感心するばかりですが、歌い方に少々癖があるのと、歌う時の体の動きが妙に大きいのが気になりました。
・アルトを除く他のソリストの方は何度もこのメサイヤのソロを歌われているようですが、特に男声ソロは慣れすぎてしまったせいか、逆に、もう十分上手いのにさらに上手く歌おうとするせいか、妙な個性が出てしまっているようにも思えました。(私など絶対に真似できないほどお上手なんですよ。誤解無き様お願いします。)

・オーケストラは弦のピッチも良くそろい、特に後半はバロックトランペットやティンパニまで加わって、ヘンデルらしく華麗な響きを醸し出していました。
・難波先生の指揮は、ソリストを自由に歌わせながらも、ゆったりめのテンポで合唱とオケを上手くまとめ、要所要所をうまく締めて、この長い曲を全曲安心して聴きほれることができました。

・褒めてばかりになってしまいましたが、ヘンデルのオラトリオは、昨年他で歌った”エジプトのイスラエル人”といい、今回聴いた”メサイア”といい、本当に面白いですね。 この合唱団が毎年メサイアを演奏する気持ちがわかるような気がしました。アンケートに住所氏名を書いたから、次回も招待状もらえるかな。楽しみです。

・くしくも昨日は啓蟄とか。外は寒空でしたが、まさに春近しを感じさせるような演奏会でした。


********************************************************************************

(!斬捨て御免!、!問答無用!)

十手