連載 第二十九回
『テノールで聞く名曲アラカルト(秋山徹コンサート)』 宇品公民館 秋のロビーコンサート (2004.11.09up) |
・宇品公民館 秋のロビーコンサート
“テノールで聞く名曲アラカルト(秋山徹コンサート)”
(10/30(土)14:00〜15:00、宇品公民館1階ロビー)
・私の住んでいる広島市南区の公民館で行われた表記のコンサートを聴きに行きました。
・きっかけは、ひと月以上前の新聞に折り込み広告と一緒にはせてあった“宇品公民館だより”に、このコンサートの予告が載っているのを目にしたことです。 う〜ん、“公民館だより”を見てイベントを見つけるなんて自分でも年寄り臭い気がしますが、その通りです!
・そこに書いてあった“■入場無料”、という言葉が魅力的でした。 また、広島出身のテノール歌手ということで興味もあり、このひと月余り、なんとなく心待ちにしていました。
・とは言うものの、テノールの秋山徹さんのことは、もちろん知りませんでしたし、失礼ながら聴きに行くのも駄目で元々という気持ちも少し有りました。 しかし、当日の朝、念のためにインターネットで“秋山徹”を検索してみるといろいろ出ており、HPも見つけました。 なかなか面白いHPで、オペラ歌手としてすごい人だということが分かりました。 そして演奏会へ・・・。
・結論から先に言うと、感動しました。
・感動とは、期待値に対してそれを大きく上回ったときに感じるものです。 どうせ大した事は無いだろうと思っていたら結構上手かった場合とか、上手だろうと期待して行ったら想像以上にさらにすばらしかった場合などです。 また、期待値より低かった場合には、落胆することになります。 そして、上手くても下手でも、予想したレベルであった場合は、感動も落胆もしません。
・今回は、期待していた以上の素晴らしい演奏に感動しました。
・小さな公民館のロビーということで、椅子を50脚くらい並べただけのミニコンサートでしたが、秋山さんは、しっかりとした構えと、オペラ歌手らしい圧倒的な声量で、最初から観客を圧倒していました。
・また、プロフィールによると、元々バリトンで、“魔笛”のパパゲーノなどを歌っていたそうで、その演技力はまさにプロのオペラ歌手そのものでした。
・日本歌曲やイタリアオペラ・イタリア民謡、シューベルトのリート、ロシア歌曲など、さらにはアメリカのミュージカルに至るまで、電子ピアノを弾く伴奏者と二人で、約50分間たっぷりと楽しませてくれました。
・40歳前後だと思いますが、バリトンでデビューし、今年の2月にテノールとして再デビューしたとの事です。 張りのあるダイナミックなテナーで、高音部の構えは、“カレラス”張りです。 音程、リズムも正確で安心して聞きほれてしまいました。
・シューベルトの“魔王”では、小道具を使って、語り手、父親、子供、魔王のキャラクターを際立たせていました。 また、カンツオーネのサンタルチアでは、お客さんと一緒に歌って最後の「サンターーーーーールチア」の部分をどこまで長く伸ばせるかを競争したりして楽しませてくれました。
・(素人ばかりの)お客さんの事を考えて、多くの曲を日本語で歌いましたが、合間の語り口も非常に楽しく、観客を楽しませることに徹した演奏でした。 私なんぞ、思わず「アンコール!」と率先して叫んでしまいました。
・毎回、自前のビデオカメラを廻してコンサートを録画し、次への改善に役立てているそうです。
・“宇品公民館だより”を見た人しか知らない小さなコンサートでしたが、しっかりとした技術と音楽性を基礎として、さらにエンターテイメントの加わった中身の濃い充実した演奏会でした。
・ホームページ「あきやまとおるの部屋」:http://www5e.biglobe.ne.jp/~oper/
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(!斬捨て御免!、!問答無用!)