北の佐川の"音曲捕り物帖"

leaflet 連載 第二十一回
『広島メンネルコール 第34回 定期演奏会』

来年 創立50周年を迎える同合唱団の定期演奏会を聴きに行きました。
(2004.07.10up)

・2004年7月4日(日)午後、場所は広島アステールプラザ大ホール。
・「会場が大きいので、お客さんが少ないのではないかと心配です。」という、指揮者の益田遙先生の心配を見事に裏切り、1階席はほぼ満員の入りでした(2階席は見ていません)。 しかも、8割方は(若いとは言いませんが)女性と見ました。
・メンネル(男声合唱)の魅力なのか、はたまた、賛助出演のコール・ブルーメ(女声合唱)の集客力なのかは分かりませんが、おかげで熱気のある盛り上がった演奏会になったと思います。  

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・1ステ:男声合唱のための組曲「旅」(佐藤 真 作曲)
・元々は混声合唱曲の名曲と言ってよいのでしょうか。 最近、男声合唱曲用に編曲されたということで期待して聴きました。最初のステージでまだ調子が出ないのか、練習不足なのかはよく分かりませんが、今一歩のノリでした。 でも、男声合唱にも向いた良い曲で、1ステで演奏するにはもったいない気もしました。  

・2ステ:<賛助出演>コール・ブルーメの演奏、童声(女声)合唱とピアノのための「モーツァルトの百面相」
・同じく益田先生が指揮をしていらっしゃる同合唱団のステージ。 先週「おかあさんコーラス広島大会」に出場したばかりとあって、予想(期待)通りの演奏でした。
・歌が上手いだけでなく、ステージを使ってのしなやかな動きと余裕の微笑みで、完全にメンネルを凌駕していました。 最近のメンネルの定演は女声合唱団の賛助出演によるこのパターンで面白いです!  

・3ステ:男声合唱曲集「壁きえた」(新実 徳英 作曲)
・初めて聴く曲集でした。 無伴奏で演奏される8つの曲から成っており、最終曲の「北極星の子守歌」が特に美しく印象的でした。  

・4ステ:“メンネルあの歌、この歌・・・2004”
・メインステージは、メンネルの愛唱曲集です。 和洋・伴奏有り無し取り混ぜての、まさに愛唱歌オンパレード。 女性司会者と若い団員の久保田さんのトークで進行するこのステージ、メンネルのメインステージとして定着した観があります。 団の色々なエピソードを交えながら、やさしく曲の解説を付けて行き、客席の女性方もうなずきながら聴き入っていたようです。
・聴きに来て下さるお客様が何を期待し、どうすれば満足して頂けるかを考えた末に、この愛唱曲集をメインステージに持って来ることにしたのだと思いますが、皆がハッピーになれる素晴しい選択だと思います。
・唯一、最初に歌ったグノーの第2ミサ「グロリア」が、ピアノ伴奏付きであったため、“アレッ!”と思いました。 元々はオルガン付きとは書いてありますが、その動きがほぼ合唱と重なっているため、打鍵楽器であるピアノでの演奏はしっくりきませんでした。これほど上手なのですから、せっかくなら無伴奏で聴きたかった気がします。  

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・全体として、男声合唱団らしく生真面目で、やはりベタッとハモる曲を歌う姿が心地良さそうでした。 三十数名ですが、ベース系はしっかりした声で力強く支え、テナー系は美声ぞろいで余裕で奏でるといった印象です。オーケストラピットを迫り上げてステージの前で歌っていましたが、十分な響きでした。
・益田先生のご指導の賜物でしょうか、アカペラ曲でもハーモニーの崩れが少なく、フォルテシモでも叫ぶことのない、大人の男声合唱を楽しむことが出来ました。
・しかし、破綻のない綺麗な男声合唱を聴いた後で何か物足りなさを感じたのは、私の既成概念のせいでしょうか、それとも私のひがみでしょうか。  

・さて、来年、創立50周年記念演奏会で「男声合唱のためのレクイエム『碑』」の演奏が聴けるのを楽しみにしております。
 

(!斬捨て御免!、!問答無用!)

十手