連載 第177回
  観音高校音楽部OB合唱団 第12回 祈念コンサート 

     〜 『レクイエム碑(いしぶみ)』 〜
        (2013.08.11 up)    
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  広島県立広島観音高等学校音楽部OB合唱団    
  第12回祈念コンサート 『レクイエム碑(いしぶみ)』    
     日時:2013年7月28日(土) 14時開演    
     場所:広島県民文化センターホール    
     指揮:益田 遙    
     演奏:広島県立広島観音高等学校音楽部OB合唱団    
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   ◆レクイエム「碑」の演奏を主目的として、毎年ヒロシマ原爆の日の前に広島で開催している演奏会です。 私は今回で11回目の参加です。 私にとって、今回の演奏会の目玉は2つありました。   
   ◆1番目の目玉は、プログラムにもあるように、「OB作曲家による作品集」ステージを演奏した事です。   
   ・昨年の夏に行った東京公演をきっかけとして、4人の作曲家がわれわれの為に作品を寄せてくださいました。 蒔田尚昊(観音高校 S27年卒)、伴谷晃二(観音高校 S41年卒)、中村暢之(観音高校 S48年卒)、高嶋圭子(観音高校 S48年卒) という広島観音高等学校卒業の作曲家各氏の合唱作品を演奏しました。 蒔田さんの「きみの笑顔により添って」は、現役団員半田亨雄氏作詩により昨年の演奏会で初演した委嘱曲の再演。伴谷さんと中村さんの作品は共に本邦初演です。  4名の作曲家、それぞれ年齢も性別も違えば、当然作品もバラエティーに富んでいます。   
   ・ピアノ伴奏付きの曲が多かったですが、総じてピアノパートの編曲がすばらしかった様に感じました。 鶴岡さん、半田さんの演奏もすばらしく、華麗なピアノが随所で聴かれました。 さすが皆さん大学の作曲科を卒業されただけの事はあります。   
   ・一方、合唱団員として合唱パートを歌う立場からすると、作曲家によって、歌い易さというか、歌い難さにかなりの差がありました。 特に内声パートの使い方に差があるようで、テナーらしい見せ場が散りばめてあって歌う気になる曲が有るかと思えば、テナーがベースの下に潜り込んでなんとも歌い難い曲もありました。 例えば、ベートーヴェンやバッハの作品は、曲全体として聴けばすばらしいのですが、合唱パートを器楽的に捉えてあって音の動きがぎこちなく非常に歌い難い。 一方、モーツァルトの作品はどのパートを歌ってもそれがメロディーかと思うほど気持ちよく流れるように歌える。 そんな違いでしょうか。   
   ・また、新曲だけあって、細かな音の修正やテンポ・強弱記号の見直しなどいろいろな変更が入り、初演ならではの面白さを味わう事が出来ましたが、今回は特に演奏会の2週間前になって曲名の間違い(ふりがなの修正)が発覚し、既に刷り上っているプログラムにシールを貼って修正するというハプニングまでありました。   
   ◆2番目の目玉は、個人的なことではありますが、メインステージの”混声合唱のためのレクイエム「碑」”、全曲を初めて暗譜で歌った事です。   
   ・このレクイエム「碑」は合唱曲としては長大な方で、全9章通して演奏時間が40分以上掛かります。 記憶能力の劣る私は、楽譜を見ないと自信をもって声が出せません。 今年で11回目の出演ですが、昨年までの10年間はずっと楽譜を見ながら歌ってきました。   
   ・最近、なぜかステージの最前列に立たされる事が多いのですが、近年、女声を中心に暗譜でステージに上がる方が増えており、特に最前列の女声は全員暗譜、男声もほとんど暗譜で、楽譜を開いていると妙に目立ってしまいます。   
   ・そこで、今年は一念発起、 ”最前列で楽譜を開いていて目立つのがイヤだから”、と言う後ろ向きな理由からではありますが、暗譜に挑戦しました。 まあ、日本語の歌詞ですから、皆さんなら大した事無いのかもしれませんが、私としては決死の覚悟で望みました。 アンパイのはずの私が楽譜を持たない事にしたため、周囲の男声に動揺が広がり、私の後ろで歌う山○さんも急遽暗譜で歌う事を決意。 最前列では、私の隣で歌う井○さん(東京在住の遠方団員)1人が楽譜を持つという結果になりました。(抜け駆けしたようで申し訳ありません。)   
   ・結果、フレーズの出だしで歌詞が出て来ずにもたつくところが1〜2箇所はありましたが、何とか凌いで40分間楽譜を持たずに歌いきりました。 山○さんも上手く歌えたようです。   
   ・ところで、楽譜を見ずに何を見るか・・・?  当然、”指揮を見る”、・・・と言いたいところですが、曲の内容が内容だけに、指揮者の益田先生もかなり情緒的なっておられ、まともに指揮を見ているとこちらが冷静さを失って歌えなくなってしまいます。 という事で、客席の奥に見える非常口の緑色のランプを見上げながら歌いました。 おかげで、顔が上がって喉が開き、声が前に出て良かったと勝手に思っています。    
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   ◆今更、”楽譜に目を落として歌っていたのでは、お客さんに気持ちは伝わる訳が無い”、・・・などとえらそうな事を言える立場ではありませんが、今後は、ボケ防止も含めて、暗譜で歌う事を心がけようと決意した次第です。

(!斬捨て御免!、!問答無用!)

十手