連載 第166回
マツダ合唱団 6th Concert
2年ぶりのコンサート
今回の目玉は、管弦楽版本邦初演となる佐藤賢太郎作曲の「 Requiem Pacis 」です。
(2011.12.10 up)
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2011年12月4日(日)14時開演
広島県民文化センターホール
指 揮 : 門野光伸
ピアノ : 矢野文乙
ソプラノ : 大橋聡恵
管 弦 楽 : Hiroshima Pacis Concertino
合唱 : マツダ合唱団
プログラム:
第1 ステージ
混声合唱曲集 「 にじ色の魚 」(作曲:木下牧子 )
・にじ色の魚
・ひとり林に…
・湖上
・あお
・お早うの朝
・いつかどこかで
第2 ステージ
Thank you for the Christmas songs ♪ 〜ひと足早くお贈りするクリスマスソングメドレー〜
・小さいろばの祈り
・きよしこの夜
・牧人ひつじを
・きたれ友よ
・ザ・クリスマスソング
・さやかに星はきらめき
・Last Christmas
・White Chirstmas
・Happy Xmas (War is Over)
第3 ステージ
混声合唱、ソプラノソロ、小管弦楽のための「 Requiem Pacis 」(作曲:佐藤賢太郎)
1. Requiem Aeternam et Kyrie
2. Sanctus
3. Agnus Dei et Lux Aeterna
4. Subvenite
5. In Paradisum
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◆ほぼ2年おきに開催しているマツダ合唱団のコンサートに参加しました。今回ステージに上がったメンバーは、ソプラノ9人、アルト10人、テナー9人、ベース6人の合計34人。指揮の門野先生、ピアノの矢野先生のほか今回は第3ステージで管弦楽伴奏つきの大曲を演奏素ました。
◆1ステの混声合唱曲集 「 にじ色の魚 」は、木下牧子のアンコールピースを6曲集めた曲集です。アンコールピースということで木下牧子にしては比較的平易なハーモニーで、マツダ合唱団としても歌いやすかったはずです。
・第1曲目の「 にじ色の魚 」は懐かしく柔らかい雰囲気で演奏したかったのですが、緊張して声が萎縮してしまうのを避けるため門野先生が敢えて強めで速いテンポの演奏を指示されました。結果として、非常に良かったと思います。
・曲が進むにつれて段々と雰囲気がほぐれて調子が出てきましたが、前半3曲が無伴奏、後半3曲がピアノ伴奏付きという演奏順は変更したほうが良かったような気がします。
◆2ステは、アラカルトのクリスマスソング集。賛美歌からポップス系の曲までバラエティーに富んだ楽しい選曲です。私は変化に富んだ曲に対応するのに苦労しましたが、若い団員は別に抵抗無かったみたいです。
・曲間の移動も有って音楽に集中出来ないのではないかと心配しましたが、その危機感から直前の追い込み練習の参加率も上がり、本番はなかなか上手く行きました。男声合唱も面白かった。
◆そうして第3ステージは、佐藤賢太郎作曲の「 Requiem Pacis 」。”平穏(Pacis)に一生を全うした人のためのレクイエム”ということで、長調中心の明るく穏やかな曲です。
・マツダ合唱団初となる管弦楽との共演。しかも、管弦楽版として日本初演です!(オルガン伴奏版は2年前に大阪大学混声合唱団により初演されています)
・たまたま2年前に大阪でこのオルガン版の生演奏を聴き、素直なマツダ合唱団にぴったりだと思い、今回の定演の候補曲として推薦し、結果、どうせやるならオケ版ということで本番に至りました。管弦楽は、弦楽8人、木管4人、パーカッション2人、それに矢野先生のピアノも加わって合計15人。歌は大橋さんのソプラノソロに、合唱34人。指揮者の門野先生を加えて総勢51人での演奏でした。
・楽譜には”混声合唱、ソプラノソロ、小管弦楽のための”と書いてありますが、完全に管弦楽が勝っていたようです。佐藤賢太郎のオーケストレーションはティンパニも入って重厚なのは良いのですが、全体にリズミカルな箇所が多く、いくらPacisとは言いながらRequiem としてはちょっとやり過ぎのように感じました。
・管弦楽に迫力があって合唱団の皆も喜んでいましたが、バランス的には合唱がの声がもっとしっかりと客席に届かなければいけません。混声合唱34人では少々きつかったかもしれません。
・この曲を推薦した私が言うのも変なのですが、オルガン伴奏の方が落ち着いた深い感動が伝わってきて良かったかな・・・。
◆全体としては、久々のコンサートで皆気合が入り、お客さんの評判もなかなか良かったようです。管弦楽が付くと華やかな演奏会になるのは確かですね。打ち上げも和やかな内に終了しました。
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◆・・・と、筆を下ろそうとしたところへ演奏会本番の録音が届いたので、合唱の演奏について感想を一言。
・ソプラノ:自信無げな練習がうそのように、しっかりと歌っていて良かったです。メロディーパートはこうでなくてはいけません。ただ、高音がぶら下がり気味なのと、一部ビブラートのかかった固い声が気になりました。
・アルト:目立ちはしないが暗くもならず、なかなか良い味を出しています。自信を持って内声パートを楽しんでいるように聴こえました。しかし、本当にアルトらしい声を出すにはもっともっと体を鍛えなければいけません。
・テナー:練習不足でどうなるかと心配しましたが、いつもの通り本番では上手に聴こえました。ただし、目を開けて指揮を見て歌いましょう。
・ベース:こちらも人数が少なく心配でしたが、落ち着きのある演奏でよかったです。無理をして大きな声を出そうとしなかったのが良かったのでしょう。しかし、数は力、もっと人数を増やして余裕ある低音を聴きたいものです。
(!斬捨て御免!、!問答無用!)