leaflet 連載 第162回

合唱団そら 第20回記念定期演奏会
J.S.バッハ作曲 ミサ曲 ロ短調 (BWV232) 全曲演奏


日時:2011年8月28日(日) 14時開演
会場:安芸区民文化センター 大ホール
指揮:難波憲二
管弦楽:Sola Consort
独唱:若狭 久美子 (S1)
    川村 晃世 (S2)
    藤井 美雪 (A)
    亀高 浩 (T)
    小牧 雅教 (T)
    今井 陽次 (B)
    櫻井 元希 (B)

                       (2011.09.16 up)
   
********************************************************************************   
   ◆バッハのミサ曲ロ短調を演奏するということで、またまた合唱団そらの定期演奏会に参加しました。   
   ・実はこの曲を聴くのは初めて。 ロ短調と有りますが、ほとんどの曲は平行調のニ長調の曲で、聴くと結構明るい曲が並んでいます。 インターネット等で曲を調べ聴いてみると、長大にして退屈? 実際、15分間の休憩を含めると2時間半に及ぶ大曲です。   
   ・4月に入ってからこの演奏会に参加することを決め、楽譜を入手して練習に参加し始めたのは4月末でした。   
   ・聴くのも大変ですが、歌うのはもっと大変。 楽譜を見ると、各パートは機械的に音が割り付けられていて一筋縄では歌えない曲ばかりでした。 歌いこんで体で覚えるしかない!という不得意なパターンです。   
   ・さらにメリスマとか呼ぶ16分音符の細かく速いパッセージが随所に出てきます。 私は、特にこのメリスマが不得意で苦労しました。   
   ・参加を決めた後になって、東日本大震災の影響で自動車業界は7月から3ヶ月間、休日を振替えて土曜日と日曜日を出勤するということになってしまいました。 ということは毎週土曜日の定期練習に参加できない!ということです。   
   ・実際、7月度の練習参加はゼロ回、8月も合唱練習に参加できたのはお盆の13日の練習1回のみ、という状況での本番参加となりました。   
   ◆5月ころ練習に参加した折には、私には絶対歌えないと思うような物凄くと速いテンポで難波先生が練習をされていたため、これはまずいと思い、7月以降練習に参加できない分、危機感を持って必死で自主練習を行いました。   
   @midiの音源に合わせ遅めのテンポで正確な音程を徹底的に身につける。   
   AYou Tubeで公開されている、ブロムシュテット指揮のライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏に合わせて、全体を歌いきる練習をする。   
   ・ブロムシュテットの異常に速いテンポに合わせようとチャレンジし続けましたが、実際にはとてもついて行けませんでした。   
   ・しかし、この「高地練習」?の甲斐あって、本番の演奏会では難波先生がそこそこのテンポに落とされたこともあり、何とかついて行くことができました。 まあ、本番の遅めのテンポに”拍子抜けした”ということにしておきます。   
   ◆自分のことはさて置き、合唱団そらのメンバーにとっても容易い曲ではなかったはずです。 アルトを中心に、毎回 公式練習開始の1時間半前から特訓を行っていました。 他人に頼るのではなく、メンバー 一人ひとりがしっかりと正確に歌えるよう、皆で努力するという姿勢がすごいです。   
   ・かといって、個人プレーで各人が勝手に歌うということは決してありません。 そういう突出した声や歌い方は難波先生が許してくれません。 目の前に来て名指しで注意されます!   
   ・(Et resurrexit)のベースパートソロのメリスマ箇所もすごいですね。 良くこんな速いパッセージをそろえて歌いこなせるものだとベースらしからぬフットワークの良さに感心してしまいました。   
   ・若いメンバーの入団も続いているようで、幅広い年齢構成のバランス良い合唱団です。   
   ・私もそういう中に混ぜていただき、感謝しています。 とにかく、ハーモニーがきれいなので安心して気持ちよく歌うことが出来ます。    
   ◆ソロや重唱の曲が何曲かありますが、団員を含めてバラエティーに富んだソリストが登場してしっかりと演奏していました。 中でもアルトの藤井さんの存在感は別格でした。   
   ・管弦楽もとても良かったです。 メンバーが若くて美人ぞろいであることにはいつも感心するのですが、今回 弦楽はピッチも良く揃い艶やかな音色が印象的でした。 管楽器は難しい(であろう)ソロの部分を含めて安心して聴くことが出来ました。   
   ・特に、出番が1曲だけしかないホルンのソロは良かったですね。 ホルンとベースソロ(声楽)との掛け合いの曲(Quoniam tu solus sanctus)ですが、ベースソロとのバランスにはかまっていられないといった勢いで難しいフレーズを綺麗に吹ききっていました。   
   ◆冒頭の第1 Kyrie のそのまた最初の4小節に今日の演奏の2/3のエネルギーを注ぎ込め!という難波先生の号令の元にスタートしたこの演奏、途中の荘厳な(Gratias agimus tibi.)と同じ曲が最終の(Dona nobis pacem)に戻ってきて、感動のうちに2時間半の演奏を締めくくることが出来ました。   
   ・難波先生は合唱が少々バタついても動じることなく終始落ち着いた指揮をしてくださり、安心して演奏することが出来ました。2時間半立ちっぱなしでご苦労様でした。   
   ・ロ短調ミサは、緩急取り混ぜ変化に富んだ曲で、確かに、聴けば聴くほど、歌えば歌うほどその良さと奥深さが味わえる名曲でした。   
   ・打ち上げでも、皆さん「しんどかった!」と言いながら、満足げな表情で余韻を楽しんでおられました。    
********************************************************************************   
   ◆次の合唱団そらの定期演奏会は恒例のメサイヤですが、今回は少し時期がずれて4月29日に行われるそうです。 この日、私はちょうど他の演奏会に参加する予定で、聴きに行けないのが残念です。

(!斬捨て御免!、!問答無用!)

十手