連載 第160回
広島版 当世 男声合唱 愛好家 気質 ( その3 広島の男声合唱団 )

                           (2011.07.01 up)

   もちろん混声合唱も良いでしょう。  オケ付きの宗教曲も面白いです。  アンサンブルも楽しいですね。
しかし、誰が何と言おうと、歌うなら男声合唱、特に無伴奏男声合唱が一番。 ・・・最近、広大グリーのOB合唱団の練習に参加し、改めて男声合唱の楽しさを再確認しました。
そこで、徒然なるままに、男声合唱の持つ”独特の魅力”について独善的に考察すると共に、広島の男声合唱団を概観してみました。    
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【その3 広島の男声合唱団】
   ・広島の合唱界は狭いといいますか、どの演奏会へ行っても同じような顔ぶれが見受けられますが、特に男声合唱団はその傾向が強いように感じます。
   ・また、純粋に男声合唱一筋で活動してきた人、混声合唱から入って男声合唱に魅せられて転向した人、両刀使いであれもこれもやっている人、など生い立ちもさまざまのようですが、皆 男声合唱が大好き。 指揮者やメンバー構成が変われば選曲や音色も異なり、それぞれ個性的な男声合唱団として活動しています。
   ・それでは、私の知っている広島の男声合唱団について一言コメント。 広島近郊でこれ以外に男声合唱団があった場合はごめんなさい。

 ◆崇徳高等学校グリークラブ
   ・かつて私が大学生であった頃の崇徳グリーは質・量共に充実しており、コンクール金賞の常連で憧れの存在でした。 崇徳グリー、広島メンネルコール、広大学グリーの3団体による当時の『男声合唱の夕べ』でも圧倒的なパワーで、これぞ男声合唱と思わせる力を発揮していました。 現在は指導者の交代などにより少々人数が減っているようですが、若人が男声合唱の魅力に接して再興されることを期待します。
 ◆広島オルフェオン(崇徳高等学校グリークラブOB合唱団)
   ・崇徳グリーのOBの集まりですから実力十分。多くのOBがいらっしゃることと思いますが、それぞれ現在の生活があり、実際にOB合唱団のステージに上がるのはなかなか難しいようです。 それでもしっかりと定期演奏会を開催し、各所で活発に活動されています。
 ◆広島市役所合唱団
   ・広島市の職員によって構成される職場の合唱団で、国際交流も積極的に推進されています。 少人数ですが個人スキルが高く、質の高い演奏をされており広大グリーのOBも多く参加しています。 ちょっと気になるのは、テナーに女性が数名加わっていること。 どこにも男声合唱団とは書いてないし別に女声が混じっていてもかまわないのですが、男声合唱曲を歌って面白いのですかね? あっさり混声合唱団にしてしまえば良いのではと思ったりします。 逆に女性は全員マネージャーになるとか・・・。
 ◆Men's Vocal Ensemble ”寺漢”
   ・広島の元気の良い男声合唱好きが集まって最近出来た合唱団。 「寺漢」と書いてなぜか「てらおとこ」と読みます。 比較的若いメンバーが多く、現在広島地区実力No.1だと思います。 意欲的に新しい音楽造りに取り組むとかで、男声合唱の三種の神器(?)である、多田武彦、シーシャンティー、黒人霊歌、はあえて歌わない(封印)そうです。 凄い”志し”だなと感心しておりましたが、どこやらでタダタケを歌ったとか・・・。 いろいろな意味でこだわりを持ち”志し”は曲げないでいただきたいと思います。
 ◆広島メンネルコール
   ・半世紀以上の歴史を持つ広島を代表する男声合唱団。 一時期団員減少していたようですが近年団員数も盛り返してきて、大人数の男声合唱団らしい充実した響きを奏でています。 トップテナーも良いですね。 オーソドックスな曲を中心にして、一般の観客が期待するイメージ通りの男声合唱を安心して楽しませてくれる合唱団です。
 ◆広島グリークラブ
   ・社会人中心の少人数の男声合唱団。 立場上なかなか練習に集まれないようですが、お互い無理することなく、最後は合宿をして本番に臨んでいるそうです。 毎年行われるファミリーコンサートでは、自分たちが演奏を楽しみながら、その楽しさを周囲の観客皆と分かち合う、といった雰囲気が良く伝わってきます。 休憩時間にロビーでワインの振る舞いがあり、観客と団員がグラスを交わしながら歓談する、というのもユニークです。
 ◆コール・スローンチェ(広島大学グリークラブOB合唱団)
   ・スローンチェとはゲール語で乾杯の意味。 母体の広島大学グリークラブは2008年を以って、ついに現役学生が消滅し休止状態となってしまいました。 皆若いつもりで学生の頃のイメージを引きずり続けていますが、現役からの新人補給が無いOB合唱団ですから、いやでも平均年齢が上がってゆきます。 これからどうする・・・。
 ◆スターボーイズ
   ・合唱団ではないかも知れませんが、硬い歌から演歌まで歌分けるエンターテインメントとしてかなり有名なクインテットで、母体は呉混声合唱団とのこと。 甘い歌声によるポピュラーな曲の演奏は大人気のようですが、広島のアンサンブルコンテストで演奏した多田武彦の富士山も秀逸でした。 個人の実力が高いレベルで揃わないと、こういった演奏は成り立ちませんね。    
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     =全3回シリーズ予定。乞う!ご期待!=
  その1 男声合唱と混声合唱、女声合唱の違い(済み)
  その2 男声合唱の魅力(済み)
  その3 広島の男声合唱団(済み)
  おまけ 男声合唱 各パートの楽しみ

(!斬捨て御免!、!問答無用!)

十手