leaflet 連載 第157回

広島大学グリークラブ 創立50周年記念演奏会

現役がいなくなって2年、OBだけによる演奏会に参加しました。


                       (2011.01.15 up)
   
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◆第1ステージ:月下の一群
・崇徳グリーの委嘱作品で、ピアノ付きの男声合唱曲集。  ”日本の合唱作品100選”に挙げられているという名曲。
・作曲者の南 弘明と言えば、私が現役の時に歌った「草野心平の詩による”蛙の歌”」の強烈な印象があります。
・この曲も男声合唱でしか表現できない熱い曲です。  個人的には、今回の演奏会の中で最も好きな曲集でした。
◆第4ステージ:合同演奏
・12月の合同練習での出来事。  練習中に私語を交わしていた一部の女声に対して、指揮者の難波憲二先生から名指しで”喝”が入り、一瞬にして練習会場の雰囲気が変わって緊張感のある練習になりました。  厳しいのは男声に対してだけかと思っていたら、女声に対しても厳しいのですね。  難波節、絶好調!  
・本番は総勢130名超の大人数でしたが、お陰様で難波先生のしつこく細かい指揮に皆で良くついて行けました。
◆第5ステージ:愛唱曲集
・各年代の学指揮が登場。  約80人の男声がステージに上がりました。  皆、歌う気満々の美声ぞろい。  しかも、演奏するのは目をつむっていても歌える愛唱歌。  トップテナーだけでも25人います。  
・私も含めて当日初めて合わせに参加した人も多く、雑な演奏になるのではないかと心配していましたが、蓋を開けてみるとみんなの息が(ほぼ)ピッタリと合っていて内心びっくり。
・年代は違えども、同じ広大グリーメンとしての伝統が受け継がれているのでしょうか?  何より、一緒に合わせようという思いが全員の気持ちの中に強くあった結果だと思います。
◆第6ステージ:月光とピエロ
・指揮は客演の益田遙先生。  12月に入って、”演奏会前日の益田先生の練習に来ない人は、ピエロのステージには立たせない”、という連絡が事務局から届きました。  仕事で前日練習に参加できない私は、歌えないことになりました!・・・が、そこは無理を言って出演OKをもらいました。
・個人的には。益田先生には観音高校音楽部OB合唱団の指揮者として日ごろからご指導いただいており、今回の演奏もごく自然に指揮に合わすことが出来ました。  
・とは言いながら、難しい曲です。  一生懸命になるとつい力が入り、息が浅くなり演奏が走ってしまいました。  まあ、それもよし。
◆最後に、両先生による愛唱歌のアンコールでお開き。  広島大学歌から始まり、女声合唱の賛助出演を含めて全6ステージ、2時間15分の演奏会でした。
・男声80人、声を一つに揃えると響きに艶が出ますね。  4つのパートが絡み合って素晴らしいハーモニーが生まれます。
・丁度お正月ということもあり、緻密に編み上がった立派な”しめ縄”を連想しました。  80本のわらで綺麗に編み上げたせっかくの”しめ縄”が、演奏会の終了と共にまたばらばらになってしまうのが残念です。(実際には、東京、大阪、広島の各拠点でOB合唱団の活動は続きます)
・現役が4人いれば細いながらも”わら縄”は維持され、そこを核としてまた立派な”しめ縄”へと太らせて行くことが出来るのですが・・・。
◆演奏会後のレセプションの途中で、”どうして、広大グリーは消滅してしまったのでしょうかね?”と、ある人に問いかけてみました。
・その方曰く、”最後の頃の現役メンバーは、「少人数で構わない。それなりに楽しんでいる。」と言っていましたから・・・。”
・さらに他の方に、”なぜ、人数を増やそうと思わなかったのでしょうかね?”、と聞いてみました。
・その方曰く、”彼らは大人数の厳しい男声合唱を経験しておらず、その難しさと、それを乗り越えた先にある本当の魅力を知らないままで終わったのでしょう。”    
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◆アンサンブルも面白いし、混声合唱団で歌うのも良いですが、純粋で混じり気(女声のこと)のない、ちょっとストイックな男声合唱の面白さは他の合唱では味わえません。
・今回、「広島大学グリークラブ 創立50周年記念演奏会」に参加してみて、もっと大人数で歌ってみたい!、女声はいらない!、と(その時には)本気で思いました。

(!斬捨て御免!、!問答無用!)

十手