連載 第151回
広島中央合唱団 第45回定期演奏会
〜 大曲 ”カルミナ・ブラーナ”を聴きました。 〜
(2010.06.13 up)
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広島中央合唱団 第45回定期演奏会
2010年6月6日(日) 14時30分開演
はつかいち文化ホール さくらぴあ 大ホール
指揮:寺沢 希 合唱:広島中央合唱団
第1部
ヴェリョ・トルミス作曲
「歌い手の幼年時代」 「歌の架け橋」 「幼き日の思い出」(ソプラノ:昆野智佳子)
第2部
カール・オルフ作曲
「Carmina Brana」 (2台のピアノ&打楽器アンサンブル版)
ソプラノ:片山孝恵、 テナー:枝川 一也 、 バリトン:石原祐介
児童合唱:広島ジュニアコーラス、小合唱:ヒロシマ・バッハ・ソロイスツ
ピアノ:梶矢民子、森田三千子、打楽器アンサンブル:小川裕雅
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◆例によって招待状を頂き、 広島中央合唱団の定演を聴きに行きました。
◆1ステはエストニアの近代作曲家による民謡風の無伴奏合唱曲3曲。 なんとなく東欧風の心地よい響きとリズムのする曲でした。
・最初の曲で寺沢先生が客席のど真中から指揮をされるのをみて、ずっとこの場所から指揮をするのかなと少々心配になりましたが、2曲目からはステージ上に上がられて安心しました。 逆に言うと、あのこだわりは何だったのでしょうか?
・終曲の昆野さんのソプラノも澄んだ声でよくマッチしていました。 ただ、せっかくのソリストなのに照明が当たっていなかったのが残念でした。
◆2ステはお待ちかねの”カルミナ・ブラーナ”です!・・・と言いたいところですが、私はこの曲を知りませんでした。 TVコマーシャルなどでよく使われる有名な曲なので皆絶対に知っている、という話でしたが、確かに洋画か何かで似たような音楽を聴いたことが有るような無いような・・・??という程度でした。
・それはさておき、この”カルミナ・ブラーナ”、凄い曲、そして凄い演奏でした。 1曲目の出だしから圧倒的なパワーでグイグイと押してきてびっくり。 初めて聴いてもすっきり爽快。 ソロあり、合唱あり、間奏曲?ありのバラエティーに富んだ曲で、オペラ出演の多い広島中央合唱団ならではの演奏でした。 繊細な刺身包丁でスライスしていくと言うよりも大鉈でばっさり切り落とすような豪快な曲で、中央の演奏はそれにピッタリでした。
・大きく3部構成からなるカンタータで、本来オーケストラ演奏の部分を今回は2台のピアノに置き換えた版での演奏だそうです。 でもパーカッションはしっかりと5人が構えており、ピアノとパーカッションの息もピッタリで迫力満点の演奏でした。
・2部は”酒場にて”という内容で、男声合唱の曲も何曲かあり、みんな酔っ払いになりきって最初から最後までガンガン歌われていました。 さぞ気持ちよかったことでしょう。 男声は女声に比べかなり人数が少ないのですが、テナー、ベース共に声と響きがよく出ていました。 特にテナーの田尻さんは声の調子や顔の表情まで酔っ払いになりきって歌っておられましたが、どう見ても浮いていたように思います(失礼)。 また、この場面の枝川さんの唯一のテナーソロも超絶技巧で面白かったです。
・歌詞の訳詞がプログラムに挟み込んでありましたが、詞が多すぎて何が何だか良くわかりませんでした。 歌詞はラテン語とドイツ語らしいですが、早口で大変。 演奏時間1時間に及ぶ大曲で歌詞を読めるようになるだけで相当の苦労が要ったと思います。 歌詞が多すぎて私にはとても歌えそうにありません。 また全曲を通じて皆さんガンガン歌っていましたが、ひ弱な私なんぞが真似したら一発で喉を枯らしてしまいます。 参加しなくてよかった。
・これだけの凄い演奏、1回だけで終わらすのはもったいないですね。 もしチャンスが有れば、今度はオーケストラ版を演奏してもらいたいものです。 中央なら出来る!
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◆お陰さまで爽快な気分で演奏を聴き終えて家に帰り、美味しくビールを飲みながらフッと、「結局”カルミナ・ブラーナ”ってどういう意味??」と気になり、遅ればせながらインターネットで検索してみました。
・カルミナ・ブラーナ(Carmina Burana)は19世紀初めにドイツ南部のボイレン修道院で発見された詩歌集で、ドイツの作曲家カール・オルフ(1895-1982)がこれに基づいて作曲したのが今回演奏した同名の世俗カンタータ、『カルミナ・ブラーナ” だそうです。
・”カルミナ”はラテン語で詩集・歌集を意味し、”ブラーナ”は、発見されたボイレン村の古い時代の呼び名、ブーラの形容詞だそうです。 結局「カルミナ・ブラーナ」は”ブーラ歌集”、すなわち”ボイレン村の歌集”という意味でした。
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(!斬捨て御免!、!問答無用!)