連載 第150回
” 安芸國男声祝祭 (ひろしま男声合唱フェスティバル2010) ”

 〜 現在の広島を代表する男声合唱団4団体に、あの”なにわコラリアーズ”が加わって繰り広げられる、男声合唱三昧の演奏を聴きました。  〜
                              (2010.02.06 up)    
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   ◆ 安芸國男声祝祭   
      (ひろしま男声合唱フェスティバル2010)   
        2010年1月31日(日) 14時開演   
        広島市 安芸区民センター 大ホール   
         ・崇徳高等学校グリークラブ   
         ・広島市役所合唱団   
         ・Men's Vocal Ensemble ”寺漢”   
         ・広島メンネルコール   
         ・なにわコラリアーズ   
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   ◆現在の広島を代表する男声合唱団4団体に、あの”なにわコラリアーズ”が加わって繰り広げられる、男声合唱三昧の演奏会。   
   ・元々、「男声合唱は歌うもの。 混声合唱は聴くもの。 女声合唱は見るもの。」と勝手に決めていた関係で、男声合唱団の演奏会を聴きに行くことはあまりありませんでしたが、今回チケットを頂き、嬉しくして聴きに行きました。   
   ・(これに我が広大グリークラブが参加できてないのは誠に残念です。)   
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   ◆1ステ:崇徳高等学校グリークラブ   
   ・3年生が抜けて1・2年生だけの演奏、しかも1番バッターという事で、少々緊張気味でしたが、演奏は、昔のように力でグイグイ押すのではなく、身の丈に合った落着いた演奏で良かったと思います。猪原先生のご指導が良いのでしょうね。   
   ・テナーの声はまだ幼さが残っており発声や歌い方にぎこちなさがありますが、これからどんどん上手になってゆくことでしょう。ベース系はしっかりした声でした。   
   ◆2ステ:広島市役所合唱団   
   ・過去に外部との共演で歌ってきた曲の中からピックアップして演奏していましたが、さすがにこなれた感じで上手でした。   
   ・しかし、歌いなれた曲を淡々と流している感じで、男声合唱らしい歌に対する情熱・エネルギーが感じられませんでした。   
   ・また、個人個人は上手だと思いますが、全体として音につやが無いように感じました。 女性の声は上手く溶け込んでいたと思います。   
   ・さらに言えば、何故 上下真っ黒な服装でステージに上がるのでしょうかね。 最近の流行かも知れませんがね。   
   ・最後に演奏したイタリア民謡?の”ADDIO,ADDIO!"という曲は良かったです。   
   ◆3ステ:Men's Vocal Ensemble ”寺漢”   
   ・指揮者の寺沢先生を中心に集まった新しい男声合唱団。 エネルギッシュで男声合唱らしいサウンドを聴かせてGoodでした。   
   ・余裕の低音と滑らかな高音は本格的で、”多田武彦とスピリチュアルを封印する”という掟さえなければ私も参加してみたかった合唱団です。   
   ・ただし、今回の服装はいただけませんでした。 ここも上下真っ黒な服装、・・・だけならまだしも、何を間違ったか、赤、黄、水色、ピンクなど原色系のネクタイを各自バラバラに締めて登場です。 どう見ても、夜の流川に立つ呼び込みのお兄さんにしか思えませんでした。 途中、何かパフォーマンスでもするのかと思いましたがそれもありませんでした。   
   ・演奏した曲がエストニアの作曲家に拠るものだそうで、もしそれとの関連を持ってあの派手なネクタイをチョイスされたのであれば、無知な私をお許しください。   
   ◆4ステ:広島メンネルコール   
   ・広島を代表する歴史ある男声合唱団。 今回はバーバーショップスタイルでスピリチュアルとシーシャンティーを演奏しました。   
   ・若々しい三好さんの指揮は、バーバーショップのノリにピッタリで、皆さんそう若くはなさそうですが非常に楽しんで演奏されているのが良く伝わってきました。   
   ・1曲目のエンディングから、バーバーショップの特徴である、タグとかスワイプとか呼ばれるロングトーンとハーモニーの変化で楽しませてもらいました。   
   ◆5ステ:なにわコラリアーズ   
   ・お待ちかね、”なにコラ”の登場です。 実は私がなにわコラリアーズの演奏を聴くのは初めてです。   
   ・「世界の歌」と題した編曲物を中心のとしたステージでしたが、噂通り素晴らしいといってしまえばそれまでですが、完璧な演奏とケレン味の無いパフォーマンスで観客を釘付けにしていました。   
   ・皆さんそれぞれ職業をお持ちのはずですが、いつどういう練習をすればこのような演奏が出来るようになるのでしょうかね。 この演奏会の前日も、お隣の山口県で演奏会を持たれたそうですが、演奏曲はまったく別だったそうです。   
   ◆6ステ:合同ステージ   
   ・合同演奏曲は、エストニアの旋律をもちいたV.Tormis作曲の「HELLETUSED〜幼き日の思い出〜」。   
   ・ソプラノソロ付きの無伴奏男声合唱曲で、ソリストはお馴染みの昆野さん。 男声合唱は総勢約160名。 指揮は、なにコラの伊藤氏。   
   ・ちょっと難しげな旋律でしたが、合同練習する時間も無かったはずですがよくこの人数で合わせられたと感心します。   
   ・ステージ奥までいっぱいに男声が広がり、その男声の中央にソプラノソロが立つ配置でした。 昆野さんは安定していてお上手でしたが、いかんせん多勢に無勢、しかもステージの奥側に立たされたのでは、ソプラノソロが良く聴こえませんでした。   
   ・何故、ソリストを前に出さなかったのでしょうかね? ソリストを前に出すと、後ろに立つ合唱団員にソロの声が聴き取り難くなるからでしょうか、それとも男声合唱の演奏会だからソプラノソロを全面に出すことをはばかったからでしょうか?   
   ・私ならば、そもそも「安芸國男声祝祭」と銘打った男声合唱フェスティバルの最後の合同演奏に、ソプラノソロ付きの曲は持ってこなかったと思います。   
   ◆アンコールは木下牧子の”夢みたものは”。 男声合唱版を聴くのは初めてで面白かったです。 しかし、160人がフォルテで歌う曲ではないでしょう。この人数でセンプレピアノで最後まで歌い終えたら素晴らしかったと思いますが、皆さん途中から気持ちよくフォルテで歌われ、そうでなくともよく響く安芸区民のホール中に割れんばかりの”夢みたものは”が鳴り響いてしまいました。   
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   ◆という事で、なにわコラリアーズは別格として、やはり男声合唱は歌うものであって聴くものではないなということを最後に再確認させらた演奏会でした。 面白かったです。

(!斬捨て御免!、!問答無用!)

十手